12月3日（土）J2 第44節 京都 vs 甲府（14:00KICK OFF/西京極）
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勝ち点66の甲府（得失点差＋13）と勝ち点67の仙台（得失点差＋19）が３位を賭けて、それぞれ戦う第44節。共に今期勝っていないチームが最終節の相手。勝ち点が67で並んで（甲府が引き分け、仙台が負け）、得失点差勝負になれば仙台に（現実的に）及ばない甲府は、勝って仙台が引き分け以下しか３位の座は手に出来ない。負けても、引き分けでも３位の可能性がある仙台に比べて、甲府は勝つしかないというシンプルな状態。

J１昇格決定、J2優勝が決まってからも緩むことなく、J１を意識した高いレベルを求めたチーム強化を図る京都。サブメンバーのレベルもモチベーションも高い。この相手に３戦３敗と分が悪い甲府だが、そんなことは関係なく挑んで行くだけ。前節（福岡戦）は立ち上がりに受けてしまった甲府だが、好調・京都相手では受けたり硬くなったりする暇はない（はず）。サッカーは相手が自分たちの力を引き出してくれるスポーツ。レベルがそう高くない相手に、いい試合をすることは意外と難しい。苦敗した天皇杯ジェフ千葉戦（４回戦）のように、相手のレベルが高ければ高いほど甲府の力を引き出してもらえる。この意味で、今の京都は甲府の能力を引き出してくれるレベルのチーム。十分に引き出してもらった御礼に、凌駕して勝ちたい。

京都の予想先発は、FWが田原、アレモン。MFは左から、中払、斎藤、米田、加藤。DFは左から、鈴木（和裕）、鈴木（悟）、リカルド、大久保。GKは成長著しい若手の西村。アレモンはコンディションに不安があったが、前日トレーニングでは問題なく、「本人も出たいと行っているから大丈夫だと思う」（柱谷監督）ということで、先発する可能性は高い。第1クールのようにアレモン、パウリーニョに大きく頼るサッカーではなく、積極的に攻め上がってくれればカウンターのチャンスは何度かあるだろう。福岡のようにしっかり引いてしまうということもないだけに、甲府のポゼッション能力を活かすことも出来るだろう。ただ、米田、斎藤のダブルボランチ、鈴木（悟）、リカルドのCBは隙が少ない。また、両サイドハーフの鈴木（和裕）、大久保も守備力は高い。つまり、甲府の攻撃力が問われることになる。

ここ２試合、キレに不安のあったバレーだが、一週間空くことでキレが戻ればリカルド、鈴木（悟）を張り付かせて、基点もしくは囮として２列目からの攻撃に繋げられる。そして、甲府で最も質の高いプレーができるテクニシャン・長谷川は、京都の守備陣を切り裂くことが出来る。彼は、京都の守備陣が予想している以上のプレーを見せるだろう。そこに運動量豊富な石原が絡み、２列目からは藤田、倉貫、杉山らがボールを飛び越えて前に出て、ゴールを決めたい。また、京都の唯一の弱点とも言えるクロスボールも効果的に使って行きたい。GK西村とリカルドの間に得点のチャンスを見出すことは出来るはずだ。守備面ではミドルシュートへのケアがポイント。失点したくない意識からゴール前に集まり過ぎて、マークの浮いた選手を作ることが多い甲府。中盤の選手が引き過ぎないで、２列目から攻撃参加する選手をしっかりと抑えたい。こうすることが出来れば、守から攻に変わった瞬間に有利に立つことが出来る。

いろいろとシミュレーションをして甲府が勝つことを考えるのだが、ここまでくれば開き直ることが出来るかどうかが最大のポイント。そうでなければ、甲府の特徴を十分に発揮することは出来ないからだ。プレッシャーをしっかり背負って勝つという横綱相撲を取れるような相手でもない。最終節までもつれる昇格争いはチームにとって初めての経験だけに、大木監督が選手にかける言葉がメンタル面に及ぼす力は小さくないはず。試合前日のトレーニング後、試合前のロッカールーム、そして、ハーフタイムに大木監督がどんな言葉をかけるのか、立ち入ることが許されない世界だけに非常に興味深い。J1清水時代にアルディレス、ペリマンという名監督のもとで学んできた大木監督。これまで培った人間力を発揮して、勝利と入れ替え戦の権利に繋げたい。


以上

2005.12.2 Reported by 松尾潤

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【今節の予想スタメン】
●京都：システム/4−2−2
ＧＫ　西村
ＤＦ　大久保・リカルド・鈴木悟・鈴木和
ＭＦ　加藤・米田・斉藤・中払
ＦＷ　田原・アレモン

●甲府：システム/4−3−3
GK　阿部
DF　杉山・アライール・秋本・山本
MF　倉貫・奈須・藤田
FW　石原・バレー・長谷川