12月3日（土）J2 第44節 山形 vs 鳥栖（14:00KICK OFF/山形県）
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　シーズン前の大雪に始まり、雨、雷、ひょう、といろいろあった今年の山形のホーム戦だが、最終節の日の予報にもしっかりと雪マークが表示されている。山形の地元のサポーターはもちろろん、遠くから足を運ぶ鳥栖サポーターのみなさんも、ぜひ万全のうえにも万全の防寒装備で。寒さに気を取られ、せっかくのいいプレーの数々を見逃さないように…。

　前節、今季最後のホーム戦を迎えた鳥栖は札幌に0−2と敗れているが、松本監督はその内容を「気力の充実した戦いが出来た」と評価した。シュート数は9対9の五分。決定機を活かしきったかどうかで明暗が分かれたが、守備の再確認をし、1−0と横浜FCを退けた第42節のいい状態は持続している。ビジュを出場停止で欠く中でセンターバックに回した加藤、右サイドバックに起用した長谷川ともに問題はなく、今シーズン最後の試合でも、自陣ゴール前のプレーに忙殺される時間帯はそれほど多くはならないだろう。

　ただ、得点に関してはやや湿りがち。鈴木、新居の2トップの得点が4試合ないことが大いに関連しているが、山形の高いディフェンスラインを攻略する方法は、当然視野に入れていることだろう。中盤の高い位置でボールを奪った後、この2人の早い動き出しと、2人が空けたスペースへ、2列目からの飛び出しが実現できるかどうかがポイントとなりそうだ。

　鳥栖とは逆に、山形は前節を1−0と勝利したものの、その内容には不安要素を残した。相手のマイボールにくらいついた根本がボールを奪取し、中央でパスを受けた林の4試合連続ゴールで先制したが、その1点を守りきる時間が長く感じられることになった。前半からパスミスが多く、後半もミスから流れを完全に水戸に引き渡し、劣勢の中で臼井が2枚目の警告で退場。10人となってからは効果的なカウンターを繰り出せず、ようやくしのいだ形の勝利となった。

　ボールへの驚異的な執着心と、相手の長所を消すことに長けている鳥栖が相手のこの試合、楽に勝ち点3が手に入るものではない。ボランチに対しては鳥栖が激しくプレスを掛けてくることが予想される。それを避けて、味方ディフェンスラインの近くでボールを受けるケースが多くなるが、その後、中盤のスペースに飛び込む選手にズバリと縦パスが通るかどうかがひとつのカギとなる。また、単純に「せーの」で裏にロングボールを放り込むだけでは、スペースを陥れることは難しいだろう。ワンツーや3人目の動きなどで相手を振り切る「動きの連動性」がどこまで発揮できるかも、山形にとっては大きなポイント。鳥栖に劣らぬモビリティが求められる。

　3節前まで昇格レースに残っていた山形だが、今シーズンは3連勝の経験がない。ホームで迎える今季最終戦に初の3連勝を懸ける。対する鳥栖は、クラブ史上J2での最多勝ち点を更新し、新クラブでのチーム再生というエポックメイキングの年に花を添えている。ここでもう3つ上積みして、来季へとつなげたい。他会場が注目される中ではあるが、観た者にしか味わえない熱い試合は、きっとできるはずだ。

以上

2005.12.2 Reported by 佐藤円

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【今節の予想スタメン】

●山形：システム/4−4−2
GK　清水
DF　太田・レオナルド・小林・内山
MF　佐々木・大塚・永井・高橋
FW　林・根本

大塚・永井のダブルボランチ

●鳥栖：システム/4−4−2
GK　シュナイダー潤之介
DF　加藤・井手口・飯尾・高地
MF　長谷川・高林・矢野・高橋
FW　鈴木・奈良崎

※矢野、高林のダブルボランチ

※予想スタメンは編集部予想のものであり、ホームチームのライター執筆によるプレビューの内容と相違している場合があります。