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【J1:第34節 鹿島 vs 柏 プレビュー】悲願のタイトルを賭けた最後の戦い。総力戦で勝利を手に入れたい鹿島。柏は入替戦へ弾みをつける戦いができるか?(05.12.02)

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12月3日(土)J1 第34節 鹿島 vs 柏(14:00KICK OFF/カシマ)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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 予期せぬ大混戦となった2005年J1も泣いても笑ってもあと1試合。3月の開幕から9月初旬まで首位を独走してきた鹿島だが、33節終了時点で勝ち点56・得失点差+18の4位に後退してしまった。それでも首位・C大阪と2位・G大阪が引き分け以下で、3位・浦和が勝っても得失点差で上回れば、悲願のタイトルは手に入る。まだまだ可能性はあるのだ。今季でチームを去るトニーニョ・セレーゾ監督は、ベテラン・本田らをベンチに置き、2000年の3冠を経験している名良橋を右サイドで先発させるなど「常勝軍団」と呼ばれた時代を知る人間たちをフル活用して、最後の勝負に挑む。

 12月3日・14時から全国で一斉に行われるJ1最終節。優勝を左右する5試合は日本中の関心を大いに集めるだろう。カシマスタジアムでの鹿島対柏の一戦もその1つである。

 2001年以来の年間タイトルだけを目指して今季に挑んだ鹿島にとって、8月以降の後半戦の戦いぶりには決して満足できないはずだ。小笠原の移籍問題による欠場や、大岩と岩政という守備の要の相次ぐ出場停止などが響いて首位から陥落してしまったのだから。トニーニョ・セレーゾ監督はその後、先発やポジションの入れ替えなどを行って苦境打開を試みたが、大事な終盤戦を迎えてからも勝利に見放されて続けている。10月22日の名古屋戦を最後に白星はなし。10月30日のC大阪戦以降は4分1敗という大停滞を余儀なくされている。

 その大きな原因として「守備の乱れ」が挙げられる。C大阪戦を除き、ここ最近の鹿島には無失点試合がない。大岩の2試合出場停止も痛かったが、彼の不在を除いても最終ラインがしっくりこない。フェルナンド、リカルジーニョが攻撃的なポジショニングを取るため、背後のカバーリングが遅れる傾向があるのも事実だろう。それでも確実に点を取れていればいいのだが、肝心のアレックス・ミネイロが5試合で1点しか挙げていない。小笠原の左足腸腰筋損傷による2試合の欠場も響き、流れるようなパス回しからの決定機がなかなか作れていないのだ。

 とはいえ、柏戦は結果が全て。守備陣は徹底的に相手の攻撃を死守し、前線は闘争心をむき出しにしてゴールを積み重ねるしかない。得点という仕事を担うのはFW陣だけではない。小笠原の直接FKやリスタートからの大岩や岩政らの高さを生かしたヘッドなど、工夫をすればいくらでも得点手段はあるのだ。その重要性が分かっているせいか、小笠原も今週頭には徹底したFK練習を実施。キックの精度を高めている。とにかく鹿島らしい「粘り強く諦めない戦い」ができれば、必ず相手守備陣の綻びを突けるはずだ。

 今回は負傷のリカルジーニョに代わって小笠原がボランチに入り、若い増田が2列目でプレーする見通し。36歳のベテラン・本田がボランチに入る可能性もわずかにあるが、彼はベンチにいてもチーム全体を鼓舞できる存在。ここ最近の試合後も「ダメな部分はダメとしっかり認めないといけない」と潔く話していた。そんな勝者のメンタリティを今こそ若く優勝経験の少ないチームに注入する必要がある。かつて常勝軍団といわれた時代の鹿島は「ファミリー」だった。そんな空気をこの土壇場で取り戻せるのか。チームとして持てる全ての力を結集し、発揮し尽すことが、大事な一戦を勝ちきる絶対条件といえる。

 かつてないモチベーションで戦うだろう鹿島に対峙するのが、16位と2年連続入替戦出場が決まった柏。低迷が続いていた彼らだが、前節の東京V戦で5−1と大勝。ようやく息を吹き返した感がある。玉田の疲労骨折、レイナウドとクレーベルの出場停止などが重なり、選手起用を固定しがちだった早野宏史監督もついに若い力の抜擢を決意した。その策がズバリ的中。大谷の先制弾を皮切りに、矢野、永田らが立て続けにゴール。J1降格を争っていたライバルに競り勝った。

 この余勢を勝って鹿島に勝ち、来週の入替戦に弾みをつけなければならない。指揮官というのは勝っている時は大きくメンバーを変えないもの。早野監督も東京V戦とほぼ同じ陣容で行くだろう。ただし今回は増田が出場停止。ここに谷澤を頭から起用するか、それとも矢野を右サイドに回してFWにレイナウドを置くのか。組み合わせはいくつも考えられるだけに、指揮官は最後まで頭を悩ませることだろう。

 大一番のスタメンを予想するのは難しいが、鹿島はGK曽ケ端、DF名良橋、岩政、大岩、新井場、ボランチ・小笠原、フェルナンド、2列目・増田、深井、FW本山、アレックス・ミネイロ。本山は左足首打撲の影響で1日の全体練習にも合流できなかったが、この大一番だけにムリを押してピッチに立つ可能性が高い。柏の方はGK南、DF波戸、永田、土屋、右サイド・矢野、左サイド・平山、ボランチ・大谷、小林、トップ下・大野、FWレイナウド、宇野澤か。

 決戦の舞台となる鹿嶋市の3日の予想天気は晴れ時々曇り。気温は最低マイナス1度、最高10度と非常に冷え込む見通しだ。この気候がどちらのチームに幸いするのか。2005年J1を締めくくるのに相応しい好ゲームをぜひ見たい。

以上

2005.12.2 Reported by 元川悦子


【今節の予想スタメン】

●鹿島:システム/4−3−2
GK 曽ヶ端
DF 名良橋・岩政・大岩・新井場
MF 小笠原・フェルナンド
MF 増田・深井
FW 本山・アレックス ミネイロ

●柏:システム/3−5−2
GK 南
DF 土屋・永田・波戸
MF 小林亮・大谷・クレーベル・小林祐三・平山
FW 宇野沢・矢野

※大谷、小林祐三のダブルボランチ

※予想スタメンは編集部予想のものであり、プレビューの内容と相違している場合があります。
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