12月3日（土）J1 第34節 新潟 vs 浦和（14:00KICK OFF/新潟ス）
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　上位陣の取りこぼし、シーズン終盤の失速などラッキーな要素も重なりなんと他力ながら優勝の可能性を残して最終節を迎える浦和レッズ。
　今季を振り返れば、本当にさまざまな事がおきた。エメルソンは遅れて来日、そしてシーズン半ばでチームを去った。先日ワールドカッププレーオフでも世界中の知るところとなったアルパイもかつてはこのチームにいた。今季の中心と目された山瀬は今シーズンを浦和で迎えることはなかった。負傷者も多数出た。なんといっても田中達也の離脱はその瞬間の衝撃も大きく、浦和のみならず代表関係者にとっても、なにより本人にとってもショッキングな出来事だった。

　「好不調の波が激しかったなんて言われるけど、全然そんなことはない」とブッフバルト監督は胸を張る。「この戦力ならぶっちぎって優勝しないと」と鈴木啓太は自戒を込めて話す。自分達の運も力も認めつつ、これではいけない、もっと上を目指さなくてはいけないというのが選手たちの意見のようだ。鈴木啓太は更にこう続ける。「優勝しないと満足できないようになった、ってことは成長しているってことなのかも。昔はそうは思わなかったから」6年前にはJ2も経験しているこのチームが仮に優勝したとしたら…J2経験者として初のリーグ制覇ということになる。

　今節のみどころは、ここまで数試合と同じく奮闘する若手ということがあげられる。2年目横山、１年目赤星、細貝、そして今節は契約の関係上先発はむずかしそうなエスクデロ。将来の浦和を支えるタレントが、小さいが確かな芽を出し始めているのだ。「自分のことだけ言えば、これまで積み重ねてきたものを壊さないように次の試合に向かいたい」と意外なほど真摯な表情で言うのは横山。手応えを得ながら一年間を歩んできたことが伺える。今後の浦和を支える選手たちがこれほど緊張を要するシーンをこの若さで経験することは、必ずやプラスになるだろう。

　そして、もうひとつ。ここ3試合連続してベンチメンバーからも外れていた永井がどうやら戻ってくることになりそうだ。「怪我の状態は日々見て行かないと」右足つけねなどの痛みが一進一退している状態を話した永井。だが、優勝のかかる状況に立ち上がったようで、今週後半の紅白戦にも参加している。大逆転優勝に向けて心強い男が帰ってくる。

　ただ、ホームでの新潟は脅威。オレンジに包まれ、浦和選手はあまり経験することのない完全アウェイの中で、さらに必ず勝たなくてはいけないというプレッシャーの中でどれだけ戦えるだろうか。

　「サポーター冥利につきる」そう話すサポーターもいるくらい応援しがいのある一戦。上位2チームの引き分け以下と浦和の勝利が揃って実現する…明日、そんな奇跡を目にすることができるだろうか？

以上

2005.12.2 Reported by 了戒美子

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【今節の予想スタメン】
●新潟：システム/3−4−3
GK　木寺
DF　藤井・海本・萩村
MF　本間・桑原・アンデルソン リマ・寺川
FW　田中・エジミウソン・ファビーニョ

※本間、桑原のダブルボランチ

●浦和：システム/3−5−2
GK　都築
DF　坪井・闘莉王・堀之内
MF　岡野・長谷部・鈴木啓太・三都主
MF　ポンテ・山田
FW　マリッチ