●12月18日(日) Jユースサハラカップ2005 決勝トーナメント準々決勝
三菱養和 3(8PK9)3 横浜FM
F東京 0-1 清水
◆決勝トーナメント表
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●三菱養和 3(8PK9)3 横浜FM
開始1分。横浜FMのMF三浦旭人のフィードをFW斉藤陽介がヘッドで流す。DFライン裏のFWハーフナー マイクはオフサイドポジション。しかし彼はプレーに関与しない。セルフジャッジで一瞬棒立ちの三菱養和DF陣。2列目から飛び出したMF大久保翔がフリーでゴールネットを揺らした。
「先制されたのが痛かった」。J1浦和のトップチームで指揮を執ったことでも知られる斉藤和夫監督がしきりに悔やんだ失点。ただ、この悔恨は「あの失点さえなければ…」という自信の裏返しでもある。実際、三菱養和の奮戦ぶりは特筆に値するものだった。9分には早くも右MF木暮郁哉のスルーパスを受けたMF本橋良太が右足で同点ゴールを叩き込む。直後の12分にオウンゴールで失点し、勝ち越しを許しても気落ちすることなく攻撃を継続。トップ下の本橋と2トップが絡む3人は実に機能的で、敵将・高橋真一郎監督も「あのトライアングルはすごい」と、試合後に賞賛を惜しまなかった。
攻勢が実ったのは28分。スローインを受けた左MF大竹隆人のクロスを中央でFW田中順也が合わせて、同点に追いつく。逆に横浜FMの好機はいずれも実らず、嫌な雰囲気のままハーフタイムへ突入することとなった。
そのハーフタイムで、横浜FMは負傷から復帰したばかりのMF長谷川アーリアジャスールをトップ下へ送り出し、中盤の布陣をダイヤモンド型に改める。これは「三菱養和のダイヤモンド型の中盤に合わせた形」(高橋監督)。これで、トップ下の本橋を誰が見るのかハッキリしていなかった点を含めて守備の役割分担が改善され、守備面での立て直しに成功した。後半の立ち上がり4分には、横浜FMが三度勝ち越し。ロングボールから抜け出た斉藤が芸術的なトラップからのシュートを鮮やかに突き刺す。しかし、これでもゲームは決着しなかった。
「最後まであきらめないで本当によく戦ってくれた」という斉藤監督の言葉通り、三菱養和は試合を捨てずに反撃を継続する。20分を過ぎると、ハーフタイムで主将の佐藤由将を負傷で失っていた横浜FM守備陣に乱れが出始める。23分、24分、25分と三菱養和は立て続けに決定機を迎えたが、いずれも決め切れない。このまま試合終了かと思われた44分。本橋のパスから田中が左サイドを抜け出す。折り返し、ニアで岡元がつぶれた逆サイド。フリーで走りこんだ神村奨の一撃で、試合は振り出しに戻った。
3-3の同点で迎えたPK戦。双方10人が蹴り合う激戦を制したのは、勢いの上では劣勢にあると見られた横浜FMだった。大きな関門を越え、栄冠へと一歩前進した。
●F東京 0-1 清水
「あんなすごい選手がいるなんて知らなかったですよ」と苦笑を浮かべたのは清水FW長沢駿。マッチアップする機会の多かったF東京のセンターバック伊藤龍の強さに、「ヘディングも全然勝てなかった」とちょっとした驚きを感じたようだった。長沢の言葉に象徴されるように、両チームのセンターバックが対面のFWにマッチアップでほぼ勝利するという状況で試合は進んでいった。ボールをゴール前へと輸送することはできても、決定的なシーンにはほとんどつながらない。前半はセカンドボールをめぐる攻防で優位に立ったF東京が全体に押し気味だったものの、決定的なシーンというのは数えるほど。双方の守備が乱れた第1試合とは対照的な試合内容となった。
F東京は1年生ボランチ井澤惇をパスの供給源に、左サイドバック森村昂太が盛んな上がりを見せて、清水守備陣を切り崩しにかかる。しかし清水・行徳浩二監督の信頼も厚い佐野克彦、石垣勝矢の両サイドバックは揺るがない。ボールを持てることで逆に「攻めに変化がなく、一本調子になってしまった」(F東京・長島裕明監督)ということもあり、前半を通して清水の守備を切り崩せなかった。
対する清水にしても似たようなもの。こちらは武器である両サイドが抑え込まれ、FWはなかなか起点になれない。全体の押し上げも遅く、速攻以外からは相手ゴールへと迫れなかった。44分、桑原卓哉の決定的なシュートもF東京GK権田修一に阻まれてしまう。
ハーフタイムでF東京はU-18日本代表候補のMF中野遼太郎をボランチに投入。さらに、後半14分には左利きのプレーメーカー大竹洋平を送り込み、左MFに位置していた常盤聡をFWへと上げる。「ボールの収まる選手たち」(長島監督)を入れたことで、単調だったF東京の攻撃に変化が生まれる。FWに上がった常盤が素晴らしいプレーを連発したこともあって決定機も生まれたが、清水GK山崎晃太の好守もあって得点には至らない。
清水・行徳監督もベテランらしい矢継ぎ早の見事な交代策で、ピッチ上に起こる問題を次々と修正。F東京に付け入る隙を与えない。個々の局面での各選手の冷静な判断も光っており、結局それが最後の最後でモノを言うことになった。
「また、PK戦か」。観衆の多くがそう思っていたであろう後半44分。右サイドの浅い位置で清水が直接FKを獲得する。キッカーは左利きの佐野克彦。「身長があるので、本当は中で競らせたい」(行徳監督)彼に、この大事な1本を託す。左足のキックは大きな弧を描いてゴール前へ。競り合う選手たちを横目に、「流れてくると思っていた」とあえてファーサイドで待つことを選んだ石垣勝矢の判断が勝利を呼び込む。頭で押し出したボールがゴールネットを揺らし、清水の準決勝進出が決まった。
以上
2005.12.19 Reported by 川端暁彦
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●Jユースサハラカップ2005 決勝トーナメント準決勝
12月23日(金・祝)/長居2
神戸 vs 横浜FM(11:00キックオフ)
清水 vs G大阪(14:00キックオフ)
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