第84回全国高校サッカー選手権大会 ２回戦

麻布大淵野辺（神奈川） 1-1（PK 5-6） 高松商（香川）（12：10キックオフ/6,000人）
得点者：56分 小林悠(麻布大淵野辺)、63分 南原辰弥(高松商)

北海（北海道） 0-4 大津（熊本）（14：10キックオフ/3,000人）
得点者：46分 オウンゴール(大津)、61分 市原大嗣(大津)、71分 松尾昇悟(大津)、78分 渡邉敬人(大津)

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低気圧の通過と共に冷たい雨の降り注いだ２日の関東地方。好カード目白押しの三ツ沢球技場。年をまたいで２回戦からの登場となった４チームが、スリッピーなピッチの上で懸命に戦い、しのぎを削った。中でも麻布大学付属渕野辺高校と大津高校は昨年に引き続き三ツ沢球技場で全国の戦いをスタート。昨年、雪に覆われた中で戦った彼等は、今年は緑の芝の上で火花を散らした。

高校選手権史上初の女性主審・大岩真由美さんによって裁かれた第一試合は地元神奈川代表の麻布大学付属渕野辺高校と香川県立高松商業高校との一戦。

互いに慎重な立ち上がりをみせ、２回戦とはいえ彼等にとっては初戦であることをあらためて感じさせる。渕野辺は既に横浜FC入りが内定しているエース太田宏介を中心に巧みなパスワークからゴールを狙う。一方の高松商は堅守から、前線の俊足選手・尾崎将司を活かしたカウンターが持ち味。
前半から、渕野辺は中央から太田、小林悠、座間翔平らのパスワークから堅いディフェンスラインを崩しにかかる。しかし、高松商の堅い４バックを崩すには至らず、攻撃は中央一辺倒と徐々に単調になる。高松商は前半、数少ないチャンスから、安藤高洋のオーバーヘッドキックが確実に枠を捉え、可能性を感じさせる。そんな流れの中の56分、渕野辺が先制。太田のコーナーキックに小林が打点の高いヘディングを叩き込む。しかし、ここで「選手たちもほっとしてしまったのか」（渕野辺・石井孝良監督）、高松商のカウンターを受けはじめる。高松商の得点は、ものの見事にはまったカウンターから。右サイドのスペースに出たボールに尾崎が猛烈に走り込み逆サイドへ鋭いボールを放り込む。左サイドへ、これも30メートル以上を走り込んできた今田知洋がクロスをあげ中央で待つ南原辰弥が左足でゴール右隅に流し込んだ。これで同点となり勢いを得た高松商が、そのままPK戦を制し、野洲高との３回戦へ向かうこととなった。

続く第２試合は注目の一戦。２年連続８回目の出場となる北海高校が登場。北海道予選を無失点で勝ち上がってきており、守備からのリズムが持ち味のチームだ。対するはJ入り内定者４人を抱え優勝候補と呼び声も高い７年連続11回出場の大津高校。11月下旬に行ったU-18日本代表との練習試合では２戦連勝、しかも２戦目は大分入り内定の市原大嗣を欠いての勝利。12月に入ってからはJFL昇格を決めた地元ロッソ熊本を練習試合で下すなど、調整は万全だ。

立ち上がり、雨でスリッピーなピッチに大津が持ち味のパスワークが活かしきれない。「自分達のパススピードにランニングスピードが追い付いていない」（大津・平岡和徳監督）状態で、北海のディフェンスにはまってしまう。「パスにこだわりすぎてしまったから、もっと簡単にカウンターを」（市原）と入った後半は立ち上がりにラッキーな得点。ハーフウェイライン上から浦和内定坂本和哉が「いつもゴールに直結するものをと考えている」という精度の高いフリーキックをゴール前に放り込む。これを松尾昇悟が押し込み、相手のオウンゴールを誘い得点。これで波にのったか、大津は後半だけで３得点。「得点経過は予想以上だが、ほぼ思った通り」（平岡監督）の展開で危なげなく大津は試合をモノにした。明日の3回戦は、滝川第二と対決。レベルの高い試合が期待できそうだ。

以上

2005.01.02 Reported by 了戒美子