3月18日（土）J1 第3節 Ｇ大阪 vs 大分（19:00KICK OFF/万博）
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J1リーグにおける大分トリニータとの万博でのホームゲームと聞いて、真っ先に記憶に蘇るのは、昨年の10月22日、第28節。首位を走るガンバ大阪が、シャムスカ監督就任以降5戦負けなしと好調だった大分を迎えて戦った一戦だ。

理由はある。昨季は開幕の大宮戦以降、一度も負けていなかった『万博記念競技場』で約7ヶ月ぶりに黒星を喫したこと。G大阪のお家芸ともいえる『攻撃サッカー』が、大分の組織力に苦しめられ、発揮できなかったこと。終了間際に守備の要であるDF宮本が右膝内側側副じん帯損傷という大ケガを負い、復帰まで約4週間と診断されたこと。そして、この試合を機に快進撃を続けてきたG大阪の足取りが重くなり、優勝争いを最終節まで続けるほど大いに苦しめられたこと。

残念ながら、その全てが「マイナス」要素を色濃く感じられるものばかり。だが、喜ぶべきことにそれをも吹き飛ばしてしまうほどの明るい話題が今季は見出せる。この試合でG大阪が2ゴールを許したFWマグノ アウベスが、今回はG大阪の頼もしいエースとして存在しているということ。しかも、前節のセレッソ大阪戦ではFWフェルナンジーニョと揃って来日初の『ハットトリック』を達成するほど、チームへのフィットが感じられるとなれば、なおさら。

これについて当の本人に質問を投げかけると、「僕は常にチームのために、与えられた仕事である『ゴール』をしたいと思っている。そういう意味では、去年は大分のために戦ってそういう結果が出ただけのことで、今年はG大阪のために戦って結果を求めるだけのことだ」とクールな返事が返ってきた。その言葉通りの活躍が今節でも見られれば、昨年とは逆の結果も十分に期待できる。待望の家族（愛妻と3人の息子たち）も来日し、生活のベースとなるプライベートでも充実が見られる今、周囲の期待以上にマグノ アウベス自身が最も欲する『ゴール』が、G大阪を今季のホーム初勝利へと導いてくれる可能性は高い。

ただ、対する大分が彼の特徴を熟知した上で試合に臨んでくることも忘れてはならない。また、開幕から黒星、引き分けと未だ白星を挙げていない大分が、シャムスカ監督のもと『勝点3』を明確に見据えた戦いをしてくるのは言うまでもない。G大阪が序盤から集中した入り方をしなければ、途端にFWオズマール、FW高松の2トップはもちろん、中盤、サイドを含めて果敢に攻撃を仕掛けてくる大分のサッカーに翻弄されることも十分に考えられる。油断は禁物だ。

Jリーグにおける『攻撃サッカー』はもはやG大阪の代名詞になりつつある昨今だが、今回対戦する大分もまた「多彩なポジションチェンジから、よりスピーディな攻撃的サッカーで勝利を目指したい」とシャムスカ監督。実際、昨年終盤に見せたシャムスカ・サッカーはその言葉を体現するものだった。
両者のうち、身上とする攻撃サッカーをより実現し、フィニッシュへと繋げたチームに『白星』がもたらされることは間違いない。また、共に『攻撃サッカー』を目指すからこそ、その裏に潜む危険をより最小限にとどめることも必要となる。そのへんの「駆け引き」もあわせて楽しみたい。


以上

2006.03.16 Reported by 高村美砂