3月18日（土）J2 第3節 東京Ｖ vs 愛媛（14:00KICK OFF/駒沢）
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予想通りと言うべきか。ラモス監督が口が酸っぱくなるほど繰り返してきた「J2は甘くない」という言葉を、東京Vの選手達は身を持って感じているだろう。

開幕・徳島戦では4−1で勝利したものの、試合内容ではスコアほど力の差を見せ付けることができず、前節・湘南戦に至っては、0−2で黒星を喫してしまった。引いてくる相手に対し苦しむことは想定内とは言え、今はまだ相手のこと以前に自分達の歯車が噛み合わない、そんな印象だ。

オフ明けの火曜日、ラモス監督は「悔しくて見たくもない（ラモス監督）」湘南戦のビデオを用い、1時間に及ぶミーティングを行った。「ワンプレー、ワンプレーを確認し、選手に話をした」という事だが、その時を振り返る表情からも、相当に厳しい口調だったことは想像がつく。「もっと簡単にいっていいところでそうせず、攻め急がなくていいところで縦に蹴るだけになってしまった」とラモス監督。修正ポイントを「戦術より個人個人の問題」とし、選手にピッチ内での意識改革を求めていた。

決して良好とは言えないチーム状況。万が一連敗するようなことがあれば、今後への影響は計り知れない。DF萩村は「内容の伴った結果を得ることが大事」とし、駒沢陸上競技場に愛媛を迎える今節を早くも「正念場」と位置付けている。

今週は水曜、木曜と異例の2日連続非公開練習とし、紅白戦、セットプレー練習を行った。オープンになっているフェンス部には見張りを立たせる厳戒態勢。情報の漏洩を防ぐ意味合いはもちろん、「選手に集中してもらう為（ラモス監督）」という事だが、「とても密度の濃い練習でした」とキャプテン大野。更に「いい準備ができました。期待していてください」と頼もしいコメントも残してくれた。メンバーについては「どうでしょう」とラモス監督は言葉を濁したが、湘南戦からは若干の入れ替えがありそうだ。　

一方、愛媛はJリーグデビューとなった横浜FC戦を白星で飾り、一万人以上が詰め掛けたホームスタジアムを沸かせた。続く神戸戦では最後の局面を打開できず0−1の惜敗したものの、少なくともドローに持ち込む可能性は充分にあった。高い守備意識からカウンターへの狙いを徹底。「皆がひとつに向かっている」と横浜FC・高木監督（対戦時コーチ）が評したチームは共通意識を持って試合に臨んでおり、神戸戦後のコメントからも「負けてダメというより、まだまだこれからと思える試合だった（MF石丸）」、「神戸はやはり強かったけど、自分達も負けていないと思った（DF金守）」と、日に日に自信を付けていることが伺える。

何より、「自分達は挑戦者。アウェーでもホームでも果敢に攻めます。Jの舞台を楽しんで、当たって砕けろという気持ちで（望月監督）」挑んでいることは大きい。まさに今「勝たなくてはいけない」重圧に苦しんでいる東京Vには無いものを持っているチームだ。ここまで東京Vにとってあまり分が良くない4バック、恐らく中をしっかりと固めて守ってくる愛媛はまたもややっかいな相手になりそう。東京Vとしてはあまり持ちすぎることなく、ボールを早く動かし相手DFを崩していきたい。

駒沢陸上競技場で東京Vが試合をするのは2000年の11月（対F東京・3−2で勝利）以来となり、東京Vの主催試合では初めてのこと。当時のベンチ入りメンバーだったFW平本は（喜名はF東京でベンチ入り）、その試合で決勝ゴールを挙げている。「いい印象はありますね」と平本。「ああいう歴史を感じさせるスタジアムの雰囲気も好きなんです」。ここまでチームが流れの中で得点出来ていない事も波にのれない要因のひとつなだけに、平本が再び駒沢を沸かせるゴールを決めてくれるかどうかもにも注目だ。

以上

2006.3.17　Reported by　高木聖佳