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【J2:第10節 仙台 vs 東京V レポート】前後半で正反対の試合展開となった中、見えてきた仙台の『必勝パターン』とは…。(06.04.19)

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4月18日(火) 2006 J2リーグ戦 第10節
仙台 3 - 0 東京V (19:06/ユアスタ/13,549人)
得点者:'44 梁勇基(仙台)、'55 ボルジェス(仙台)、'78 チアゴネーヴィス(仙台)
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仙台が今季目指していたのは、魅惑の攻撃陣を活かし、ゴールラッシュで相手をねじ伏せるサッカー。しかしここまで2試合連続無得点。この貧攻は誤算だ。では、いったいどういうシチュエーションならば、仙台は自慢のブラジルトリオ中心の攻撃力を活かすことができるのだろうか…今節はその答えが見える一戦となった。

試合の序盤は、圧倒的な東京Vペース。過去の『読売サッカー』を彷彿とさせるゴール前での素早く細かいパス回しで、仙台の守備に対し先手を取っていく。バジーリオがこの日はシュートよりもダイレクトでのスルーパスやワンツーの起点など、チャンスメイクで機能。アナイウソン、大野、平本、大橋といった前目の選手たちが絡み、面白いようにシュートまで持ち込んでいく。逆に仙台は、たまにボールを奪っても効果的な攻めを作れずにいた。

だが、攻撃と守備、それぞれの「開き直り」が仙台に落ち着きをもたらしていく。守備では、とにかく完全フリーでシュートを撃たれることだけを避け続けた。最終ラインで防波堤となっていた白井が「相手に持たせていたという部分もあった」と認めたように、センターバック2人に千葉を合わせた3人の誰かが必ず1人余る形で待ち構え、抜け出してくる東京Vの選手に対応する。良い崩しをかけているかのように見えた東京Vだが、シュートシーンを精査してみると楽な状況で放てたシュートは皆無。仮に枠に飛ばせたとしても、GK高桑にとっては全くのイージーボールが続いた。
一方、攻撃では無理に前へボールを運ぶことをやめた。今季、悪い時の仙台は、前に控えるブラジル人選手を活かそうとする余り、サポート態勢も整わないままにボールを無理矢理供給する癖があった。その結果、繋ぎでミスをして逆襲を受けたり、何とかボールが届いても前線は孤立、再び簡単にボールを失うという悪循環にはまっていた。
しかしこの日は、流れが悪いと見るや低い位置でゆっくりとボールをキープし、一息つく光景があった。中心となっていたのは熊林。彼が最終ライン付近まで引きボールにゆっくり触れると、東京Vの動きでオーバーペースになりかけていた試合の時間の流れがゆるやかになる。それはすなわち、仙台にとっての悪い流れが変わりつつあることを示すものだった。

そんな中で、ハーフタイム直前に決まった梁のスーパーゴール。中央でボールを拾った梁は、自らゴール正面めがけてドリブルを開始、ペナルティアーク付近で一度切り返し、DFのチェックがはがれた瞬間、聞き足ではない左足を躊躇なく振りぬいた先制点で、ハーフタイム後のゲームの様相は一変する。
前半は不完全燃焼気味だった仙台自慢のブラジルトリオが一気に爆発。55分には中盤でエアポケットのように空いたプレスの穴に入り込んだチアゴ ネーヴィスが、狙い済ましてボルジェスに浮き球のスルーパス。GKと1対1となったボルジェスが冷静に決めて2点目。さらに78分、中盤でロペスが上手いタメの後、無理なプレスからぽっかりと開いた最終ラインの穴へスルーパス。走り込んだチアゴ ネーヴィスがゴール左隅へ流し込んだ。ちなみにこのスルーパスにめがけて、チアゴだけでなく、後半から右サイドバックに入った中田も走り込んでいる。いかにこの時間の仙台が、好き放題やっていたかがわかる。

東京Vもその後、攻撃の選手を次々と入れ替えて流れを奪い返そうと試みたが、取り返そうとあがけばあがくほど、逆に仙台の攻撃を呼び込む結果に。さらに86分には平本が一発退場。これで試合は決まった。
先に東京Vの今後を考えると、平本の退場が与える影響が気にかかる。少なくとも次節の神戸戦は出場停止となり、チームの16得点中6ゴールを決めている選手の欠場は痛い。ただ、攻めの中心はこの日の試合を見る限り、バジーリオ。何とかこの苦境を乗り切って、上位に踏みとどまりたいところだ。

一方の仙台、冒頭の問いの答えが今日の試合にある。
どの対戦相手も、ブラジルトリオには厳しいマークを付けてくる。それをわかっていながら、序盤の仙台は無理に彼らを使おうとして苦しんだ。しかし今日の後半のように、相手が前がかりになればトリオを完璧に止められる選手はJ2では少ない。つまり彼らを活かすためには「彼ら以外の攻めで、いかに先制点を取るか」が重要なのだ。
幸いにも、先制点を奪うための要素を仙台は持っている。これで5試合連続完封(クラブ記録)となった守備は、長い時間を持ちこたえられることが証明されているし、無理にブラジル人に頼らない、チーム全体の落ち着きも身につき始めている。ゆえに今後は、ブラジルトリオを「点火」する、種火としてのゴールを誰が決めるかが、今日のように横綱相撲を繰り広げるための鍵となるだろう。
もっとも、次節はトリオの一角のボルジェスが警告の累積で出場停止。また違った展開になってしまうかもしれないが…。その次節は、今年もやってきたみちのくダービー・山形戦(4/22・山形県)である。


以上

2006.04.19 Reported by 佐々木聡
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