4月26日(水) 2006 ヤマザキナビスコカップ
F東京 1 - 2 横浜FM (19:00/味スタ/11,690人)
得点者:'21 田中隼磨(横浜FM)、'46 梶山陽平(F東京)、'64 松田直樹(横浜FM)
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■特J!プレイヤー: 梶山 陽平選手(F東京)
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「進んでいる道は間違っていない」。試合後の会見場、公式戦4連敗を喫しながらも、F東京の指揮官はいつもよりどこか饒舌だった。敗戦を喫したヤマザキナビスコカップの浦和戦(3/29)、また、ともに勝利を収めたリーグの大分戦(3/5)、磐田戦(4/8)。自らの目指すサッカーを披露できた試合を具体的に挙げていき、そして「今日の試合の選手たちのプレーを誇りに思う」と語ったアレッシャンドレガーロ監督の表情には、確かな自信が浮かんでいた。チームに生まれつつある新たな息吹に、何か確信めいたものがあるかのように。
この日、横浜FMは久保竜彦、中澤佑二らを温存。トップ下のルーカスが前目に位置する変則的なF東京攻撃陣に対しては、松田直樹を中心とした3バックで対応し、故障のドゥトラの欠場で注目された左サイドには塩川岳人が起用された。ホームで迎え撃つF東京は、2トップの一角にプロ初先発となる赤嶺真吾、右サイドバックにはケガの徳永悠平に代わって伊野波雅彦が配置された。平日の試合とあって観客数は1万1690人に留まったが、両ゴール裏に陣取ったサポーターから不振のチームを鼓舞する熱い歌声が響くなか、キックオフのホイッスルが吹かれた。
試合開始と同時に、その違いはすぐに見て取れた。高めの位置からの激しいプレス、ボールを奪ってからの縦に速い攻撃、ここ数試合の立ち上がりには見られなかった勢いを感じさせるサッカーで、F東京が試合の流れを一気に奪う。中盤で今野泰幸が猟犬のごとくボールホルダーに襲いかかり、宮沢正史、梶山陽平は前線へと頻繁に顔を出し攻撃に絡んでいく。その前線では競り合いに強い赤嶺がポストとして起点となると、サイドからの攻撃を引き出し、右サイドバックの伊野波が高精度のキック、タイミングのよい上下動を見せる。F東京ではこの伊野波が攻守に躍動。今野、梶山とのトライアングルで右サイドを制圧し、伸びのあるボールでのサイドチェンジはF東京の攻撃のリズムに変化をもたらした。
ところが、F東京はその右サイドから失点を喫してしまうのだから、サッカーは分からない。21分、DFラインでのゆったりとしたボール回しから、横浜FMが突如テンポアップ。4人が絡んだダイレクトでのパス回しでF東京の右サイドを切り裂くと、最後は逆サイドの田中隼磨が押し込んだ。
「横浜FMにとって前半唯一のチャンス」(ガーロ監督)で先制点を奪われたF東京だったが、その後も攻撃の手を緩めない。そして、反撃への狼煙は後半開始早々に上がった。相手GKの目測を惑わす伊野波からの絶妙なクロスを、ファーに流れた梶山がダイビングヘッドで押し込み同点に追い付くことに成功。しかし64分、カウンターから横浜FMの松田に50メートルの独走ドリブルを許し、ガーロ監督脱帽のループシュートで冷や水を浴びてしまう。F東京は直後にサササルセードをピッチに送り込み、小澤竜己も投入して最後までゴールを目指したが、チャンスを活かせず追撃は叶わなかった。
主力を欠きながらも、堅牢な守備をベースに勝ち点3奪取のミッションを達成した横浜FM。得失点差により浦和に次ぐ2位となっているが、グループ首位通過に岡田監督も確かな手応えを感じたことだろう。なかでも、「今はあいつがチームを引っ張ってくれている」と監督に言わしめるキャプテン松田の奮闘はすばらしく、試合後の「横浜FMはまだ終わってないし、諦めるつもりはない」というコメントはサポーターの心に響いたに違いない。
一方、4連敗という事実は決して変わらないものの、この日F東京が見せたここ最近の試合からの変化は非常に興味深いものだった。選手たちが試合後のコメントで語った「声を出すこと」がチームの意識を高く保ったのか、各選手が集中を切らさずピッチを駆け回り、さらに攻守の役割がはっきりしてきたことで、ポジションチェンジなどもスムーズに行なわれる結果に。前後半での振れ幅も確実に小さくなっており、いわゆる“攻撃的サッカー”の片鱗が顔を覗かせてきていると言えるだろう。
「繋いで崩すサッカーに変えようとしているので、浸透するまで時間がかかる」とはガーロ監督の言葉だが、就任から3カ月、なるほど確かにF東京のサッカーは昨季のものから着実に変貌を遂げつつあるようだ。徳永復帰後の伊野波の起用法など、今後に向けて気になる点はあるものの、F東京の覚醒は思ったよりも近いかもしれない。
以上
2006.4.27 Reported by 平松順二(ISM)
J’s GOALニュース
一覧へ【ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 横浜FM レポート】横浜FMのしたたかさに敗れるも、変質の兆しを見せ始めたF東京サッカー。(06.04.27)
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