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【J1:第10節 鹿島 vs 福岡 レポート】悪い内容でも勝ちきるのが真の強さ。鹿島が今季2度目の3連勝で暫定3位に。(06.04.29)

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4月29日(土) 2006 J1リーグ戦 第10節
鹿島 4 - 1 福岡 (15:00/カシマ/13,450人)
得点者:'11 城後寿(福岡)、'26 アレックスミネイロ(鹿島)、'34 アレックスミネイロ(鹿島)、'48 田代有三(鹿島)、'80 野沢拓也(鹿島)
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「今までは硬く相手に決定機を作らせない守備がよかったのに、今日は全然ダメだった。中盤も支配された」と試合後の鹿島アントラーズ・アウトゥオリ監督は報道陣の前でを思い切り不満を口にした。それでも結果は4−1。放ったシュートはたったの8本とアビスパ福岡の14本よりかなり下回ったが、それでも4点を奪って勝ち切れるところが「試合巧者」たる所以なのだろう。鹿島は今季2度目の3連勝を飾り、暫定3位に浮上。J1の頂点にまた一歩近づいた。

 ゴールデンウイーク初日の29日、鹿島は本拠地・カシマスタジアムに福岡を迎えた。現地はどんよりとした曇り空に見舞われたが、キックオフ時の気温が18.8度まで上昇。13,450人の観衆にとってはまずまずのサッカー観戦日和となった。

 26日のヤマザキナビスコカップ・大分トリニータで主力数人を温存したアウトゥオリ監督はこの日、満を持して最強布陣を送り出した。大分戦では出場停止だった大岩剛、ジンマシンが出て休養した内田篤人なども復帰。5年ぶりにJ1復帰した福岡を迎え撃った。その福岡もGK水谷雄一、最終ラインに金古聖司と千代反田充、ボランチにホベルトと城後寿、FWにグラウシオと田中佑昌など現状でもベストメンバーだ。ともに基本布陣は4ー4−2である。

 個人能力とJ1経験に勝る鹿島が序盤から主導権を握ると見られたこの試合。ところが福岡は高度に組織されたバランスいい守備を披露する。鹿島の小笠原満男、本山雅志ら代表クラスの選手たち相手でも物怖じせず2人、3人と囲んでボールを奪う。そこからの攻撃の組み立てもムダがなく、非常にスピーディーだった。

 そして11分、福岡は狙い通りの形から先制点を奪う。ホベルトが右サイドに飛び出したグラウシオに展開。彼がドリブルでDFをかわしいいタイミングでクロスを入れる。これを鹿島守備陣がクリアミスし、すかさず飛び込んだ城後が右足でゴール。スタジアムが一瞬、静まり返るほどの豪快な一発だった。

 ここまでは完全に福岡ペース。松田浩監督もしてやったりだったはずだ。しかも鹿島は左サイドの新井場徹が20分もたたないうちに負傷退場。鹿島には暗雲が漂った。

 だが、こうした悪状況に流されないのが、歴史と伝統を誇る強豪チームらしさ。前半26分に小笠原のFKから同点弾を奪う。GK水谷がはじいたボールをヘディングしたのはエースのアレックス・ミネイロ。彼のシュートは鹿島からレンタル移籍している金古の体に当たってゴールに突き刺さった。

 この8分後、鹿島は逆転に成功する。小笠原からパスを受けた途中出場の左サイド・石川竜也がタイミングよくボールを折り返す。このところ出場機会のなかった彼だが、クロス職人ともいえる技術の高さを示し、アレックス・ミネイロのゴールにつなげた。まさにムダのない攻撃で、鹿島は2−1で前半を折り返した。

 松田監督にしてみれば、信じられない展開だったに違いない。最高の出だしで先制点まで奪い、内容的にも明らかに鹿島を上回った。にもかからわず、自慢の堅守が崩れ、瞬く間に逆転されてしまったのだ。それでもこの時点ではまだ勝てると信じていた。「後半の早い段階で1点を返せばまだ行ける」と選手たちを力強く送り出したのだ。

 しかし、試合は指揮官の思惑とは全く違う方向へ行ってしまう。鹿島は立ち上がりの3分、勝負を決める3点目を奪う。小笠原のFKが福岡DFに当たり、その裏に抜けた田代にボールが渡った。ここ2試合連続得点の若きストライカーはGK水谷の位置をよく見て左足を振りぬく。「満男さんからいいボールが来たんで、自分は決めるだけでよかった」と本人も満面の笑みを浮かべるゴールで、鹿島はこの時点で早くも勝利を確実にした。

 今季J1リーグ戦を9試合を消化し『失点9』の福岡が早くも3失点。これは選手たちにも衝撃だったに違いない。それでも松田監督は最後まで諦めず、宮本亨を入れてアレックスを前線に上げたり、長身FW川島眞也を投入してパワープレーに出るなど、できる限りの攻撃カードは切った。が、福岡の課題である決定力不足は深刻で、打てども打てどもシュートが入らない…。

 逆に鹿島・アウトゥオリ監督は連戦を考慮し小笠原と本山を早めにベンチに下げる余裕を披露。さらに代わってピッチに立った野沢拓也が豪快なダメ押し点をゲット。このお膳立てしたのも石川だった。「交代選手が活躍するということはチームのレベルと質の高さ、実力を表している」と指揮官も強調する。鹿島にしてみれば、それだけ効率のいい勝利だった。

 常勝軍団といわれた時代の鹿島は、内容が悪くてもつねにしぶとく勝ち点3を取っていた。そんな頃のチームを彷彿させるようなこの日の勝ちっぷりだった。もちろん序盤の戦い方、守備の連携など問題はあるが、アレックス・ミネイロの得点力に磨きがかかり、田代や野沢らレギュラー定着を狙う選手たちも活躍した。この勝利はタイトル奪回に向け、大きな弾みになりそうだ。

 敗れた福岡にとっては『J1で勝つことの難しさ』を再認識させられる結果となった。「1点をリードしてから難しいことをやろうとしすぎた」と先制弾の城後も悔しそうに語る。それでも序盤のような組織力を90分間発揮し続けることができれば、今後の戦いは決して暗くない。この敗戦を何とか次に生かしたいものだ。

以上

2006.04.29 Reported by 元川悦子
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