4月29日(土) 2006 J2リーグ戦 第12節
仙台 4 - 1 水戸 (14:04/ユアスタ/15,511人)
得点者:'18 吉本岳史(水戸)、'44 チアゴネーヴィス(仙台)、'44 千葉直樹(仙台)、'68 菅井直樹(仙台)、'74 ボルジェス(仙台)
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どんなに押し込まれようとも、相手のシュートコースに必ず選手が立ちはだかり、際どいシュートを体に当てる。仙台の連続無失点のベースには、こうした守備陣全体による地道で粘り強い球際のディフェンスがあった。
だが、守備の選手が強制的に、ボールから10ヤード離されるルールがサッカーにはある。それがフリーキック。これまで球際のディフェンスを続けてきた仙台の無失点記録は、見事な直接FKによって破られた。前半18分。ゴール正面30メートル弱で水戸のFK。吉本が放ったボールは壁の右上を抜け、GK高桑に一歩も動くことを許さないまま、ゴール右隅を射抜いた。
このゴールが、ゲームを予想外の方向へ動かした。もともとこの試合、仙台は「堅い水戸の守備をどう崩して先制点を上げるか」、一方の水戸は「いかに仙台の攻撃に耐え、カウンターやセットプレーなど一発のチャンスをものにするか」が試合の鍵だった。だが、仙台相手の特別対策として、水戸が敷いた「3-4-2-1」のシフトが思ったよりも機能、仙台が攻撃の形を見せられないうちに、前述のゴールが水戸に決まった。言わば両チームにとって、この得点は予想外だったのだ。そして皮肉にも、このゴールによって災いがもたらされたのは、結果的に水戸の方だった。
今季初めて、試合前半での失点となった仙台は、その後も変わらず攻めあぐね、中盤浅い位置でボールを失って、水戸のカウンターを呼び込むこともあった。しかし水戸は水戸で、早い時間の得点に当初のゲームプランを忘れつつあった。高い位置に3バックのDFラインを敷きつつも、前線から権東、椎原の2シャドーがしっかりと守備に戻り、仙台の中盤をコンパクトに挟み込む形でボールを奪うことで、仙台をじらそうと試みていたはずの水戸が、仙台の内容の悪さもあってもたらされた自分たちの攻勢をコントロールできなくなる。後方から見ていた吉本が「イケイケすぎた」と語ったように、2シャドーは前へ行きすぎで戻れず、布陣はいつしか間延びに。対する仙台が徐々に落ち着きを取り戻し、水戸陣地深くまでボールを運べるようになっても、水戸の守備の修正はならなかった。
こうして迎えた44分。ロペスの左サイドの突破を起点に、仙台が左右から水戸ゴールを襲う。水戸の守備陣がゴール前からクリアしきれず、ペナルティアーク付近に高く舞い上がったボールに、後方から詰めてきた千葉がジャンピングボレーで左足を合わせると、ボールはバーを叩き真下のピッチに跳ね返った後、ゴールマウスに吸い込まれていった。スーパーゴールに沸くユアスタ。
この時点では試合はまだ振り出しに戻っただけ。ハーフタイムに仕切り直せば水戸にもまだ策はあったのだが、勢いに乗った仙台は失点でざわつく水戸から容赦なく、この試合を笑顔で終えるチャンスを奪っていく。手元の時計にして前半の46分、ボルジェスとのワンツーで、チアゴ ネーヴィスが左45度からペナルティエリアに侵入、GK武田との1対1にも慌てず、冷静にゴール右隅に流し込んだ。
ここまでしっかりブラジル人トリオ、特にロペスとチアゴ ネーヴィスの2人のトップ下から目を離さなかった水戸だが、厳しい言い方をすれば、この前半ロスタイムに集中を切らしたことで、ここまでの努力を全てフイにしてしまった。ビハインドを負い、煮詰めてきた守備の形を捨てざるを得なくなった水戸は、仙台に大敗した東京V、山形と同じ道をたどることになる。
仙台は68分に、ロペスの1本のパスで裏を取った菅井が今季2点目となるゴール。74分にはチアゴ ネーヴィスが、自身のゴールのお返しとばかりにボルジェスへスルーパス、ダメ押しとなるチームの4点目がボルジェスによってもたらされた。連続無失点記録こそ6で途絶えてしまい、7試合というタイ記録に並ぶことはできなかったが、期待したサポーターにお詫びとばかりに4ゴールを挙げた仙台が、一気の逆転劇で水戸を退けた。
水戸は今日のシステムこそ特殊なものだろうが、まず守備から入るというチームコンセプトはしばらく変わらないだろう。ならばなおさら、今日のような集中力の途切れた時間を作ってはいけない。どんな相手からもセットプレーなどで得点できる武器があるのは、仙台相手にゴールを決められたことで証明できただけに、この忍耐の強さを求められる戦い方を続けるならば、課題はメンタル。
一方の仙台は、先制点を取ることが必勝パターンと思われていただけに、逆転勝ちという結果がチームに与える勇気は大きいだろう。
第1クールを締めくくる次節、仙台はJ2参加後から5戦5敗、「鬼門中の鬼門」である厚別競技場での札幌戦である。柏が次節休みのため、勝てば第1クール終了時での首位が確定するこの試合。「先制されたら負ける」という今季の流れは消した仙台は、この「厚別のジンクス」も打ち破れるだろうか。
以上
2006.04.29 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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