●5月9日（火）16：00/長居
なでしこジャパン vs アメリカ女子代表
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「世界のトップと戦えるチーム作り」を掲げてきたなでしこジャパン。まさにその世界のトップであるアメリカ代表との国際親善試合が、5月9日火曜日（16時キックオフ）、大阪長居スタジアムで開催される。（男子代表のキリンカップ・ブルガリア戦の前に行われる）
今回のアメリカとの親善試合は、中1日のスケジュールで2試合が組まれており、7日に熊本県民総合運動公園陸上競技場で行われた第1戦（13時キックオフ）では、開始早々になでしこジャパンが先制したものの、アメリカのＦＷアビー・ワンバックにハットトリックを決められ１−３で敗れた。

なでしこジャパンとアメリカ代表の過去の戦績は、17戦で３分14敗（７日の試合を含む）と、未だ勝利がない状況。アメリカ女子代表はFIFAランキング２位、1999年の女子ワールドカップ、そして2004年開催のアテネオリンピックでも優勝しており、女子サッカー界においては、世界の頂点にいるチームのひとつだ。そのアテネオリンピック後、チームの中心選手だったミア・ハム選手などが引退し、新しいチームへと生まれ変わっていることもあり、今回の遠征メンバーには若手の選手が多く含まれている。しかし、新しいチームとはいえ、その実力は第１戦を見ても証明されるように、アテネオリンピックでも日本を相手にゴールを決めたFWのアビー・ワンバック、そしてボランチのシャノン・ボックスなど、主軸となる選手の力は絶大だ。第１戦でもハットトリックを決めた、アビー・ワンバックは、長居での第２戦が第１戦に比べて、より「アウェイの地」であることを覚悟してこの試合に臨むと、その意気込みを語る。

一方のなでしこジャパンもアテネオリンピック後、上田前監督から大橋監督に指揮官が変わり「世界で戦えるチームづくり」を掲げ強化を進めてきた。今年の７月にはAFCアジアカップ2006がオーストラリアで開催され、この大会が2007年に開催さえる女子ワールドカップのアジア予選も兼ねている。出場枠は開催国の中国を除いて2.5と激戦になることは間違いなく、ワールドカップ出場権をかけて「いよいよ本番直前」という状況にある。今回の親善試合はその本番前、最後の国際試合でもあり、とても重要な位置づけにある。悔し涙を流したアテネオリンピックの準々決勝、そこで破れた相手アメリカ代表との親善試合で手ごたえをしっかりつかんで本番に臨みたい。

第１戦での激しいあたりで体中を痛め「すごく痛いです…」と８日の練習後には苦笑いを浮かべる選手も多い。しかし、気持ちは「リベンジ」「修正」と前向きだ。「第２戦ではアテネでの悔しさと、第１戦の悔しさを、この試合にぶつけたい」と澤。
第１戦で出た課題を修正して結果を出したいポイントとしては、守備では、キャプテンの磯崎が「スペースを使われるのを怖がって引き気味になったところを、思い切りあげてもう少し相手ＦＷとの駆け引きをしたい」と挙げ、攻撃面では「バイタルエリアが空くので、もっとそこをうまく使って攻撃をしたい」と澤、「ツートップでうまくＤＦの裏を使って、出来たスペースに中盤がまた使うという感じで、もう少しツートップでうまく動ければ、アメリカが相手でももっとやれると思う」と永里がそれぞれ語る。そして「ワンバックのような選手を止めるには策が必要（大橋監督）」と、いかに彼女に前を向かせないのか、ここにも注目していたい。何より、第１戦で感じた課題をどう克服出来るかがこの第２戦の重要なポイントとなるだろう。

「ここまでこのチームでやってきて大橋さんのやりたいサッカーを選手たちもわかっていきているし、アジア予選前の最後の国際試合なのでしっかり自分たちのサッカーをやりたい」と澤、そして「予選前の最後の試合、きっちり勝たんとあかん！」と大橋監督が力強い表情を見せた。

５月９日午後４時、世界トップのアメリカを相手に、果敢にチャレンジするなでしこジャパンのプレーに期待したい。


以上

2006.05.08 Reported by 日々野真理