5月27日（土）J2 第18節 柏 vs 札幌（14:00KICK OFF/柏）
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「昔は（Ｊ２には）休める相手がいたけれど今はない」と柏・石崎監督が第１クールから口にしているように、首位をキープし続けている柏（勝点３５／１１勝２分３負）でも１戦たりとも油断は許されない今季のＪ２リーグ。

前節の愛媛戦（5/20＠愛媛）でも、ＭＦリカルジーニョの決定弾で辛うじて勝点３を獲得したものの、「愛媛に流れを持っていかれた時間帯もあり試合内容は決して良いものとは言えなかった」と指揮官は冷静に反省する。

苦しみながら得た勝利（６試合連続無敗）の喜びも早々に、火曜日から今節に向けての準備を進めている。第１クールでの６連勝後の３連敗という柏の苦い経験が、チームにも選手にもいい糧となってＪ２リーグ第２クールの１戦１戦への集中力を高めている。
『休める』相手はないからこそ、過密日程の戦いの中でメンタルとフィジカル両面でのチームの休み方のバランスが勝点を獲得する上でのカギとなっていくのかもしれない。

そんな柏がホームに迎えるのが、現在１０位の札幌（勝点１８／５勝３分７負）。ちょうど柏が３連敗を脱した試合が第１１節（４/２２＠函館）の札幌戦だった。ＦＷ李忠成、ＭＦ鈴木（将）というフレッシュな選手を起用して逆転勝ちを収めたのは記憶に新しい。「内容的にはものすごく苦しんだし、かなり押し込まれた印象がある。うちはケガ人や出場停止でメンバーが異なる中、選手たちの気持ちが前面に出た試合だった」と水曜日の練習後に柏・石崎監督は振り返る。選手達にも下位チームとの対戦に向けても気の緩みという『休み』は与えない。いかにモチベーションを９０分間持続させるか。そしてここ数試合の課題としてあげている「攻守の切り替え、攻撃のタイミングとバランス」の徹底を意識させる。

今節は累積警告で相手の攻撃の起点を潰しチームの精神的中心でもあるMF山根が出場停止となる。
しかし、一時は１０数人いたケガ人も完全別メニュー調整メンバーは６人と減り、選手が戻ってきた。また、前節初スタメンを飾ったDF石川や、コートジボワールのリーグ得点王・ドゥンビアの加入という明るいニュースも加わり、柏のメンバー構成にも注目が集まる。

柏としては、最終ラインのＤＦと守備的ＭＦで組織的な守備を徹底し、そこから前線にボールを送りたいところ。ボールポゼッションを高めて攻撃する札幌に対し、柏がどんな布陣で崩しにかかるのかが最大のポイントとなるだろう。

一方の札幌は、前節（鳥栖戦）最後まで粘りドローで終えたものの、第2クールに入ってから勝利がない。「ここ最近はいい試合をしながらも結果が出ない。何としても勝ちたい試合だったので残念。柏戦に向けてしっかり準備したい（札幌・MF関）」と語るように、７試合勝ちに恵まれていない現状の中、勝利を逃した悔しさ、そして上を向き粘り勝つ気合を感じる。第１７節を対戦なしで過ごした為、日数的には余裕の出来た札幌だが、『休み』による緩みは柏同様『Ｊ１復帰』を目指すチームには見当たらないだろう。

「相手に合わせてプレイ方法を変えるという事をトレーニングでやっている。それは変えずに続けていく」と語る札幌・柳下監督。チーム最多得点（4点）を挙げているＦＷフッキを出場停止で欠くという痛手を踏まえた中で、中９日でのトレーニングの成果も問われる一戦である。

以上

2006.05.26 Reported by 脇本カオル