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【J2:第23節 山形 vs 鳥栖 レポート】山形、鳥栖ともに足りないものがある。サプライズの応酬は、勝ち点1を分け合う「痛み分け」。(06.06.22)

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6月21日(水) 2006 J2リーグ戦 第23節
山形 1 - 1 鳥栖 (19:04/山形県/2,858人)
得点者:'56 新居辰基(鳥栖)、'79 レオナルド(山形)
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ピッチの上に、いくつかのサプライズが散らばっていた。

キックオフを待つセンタースポットで林と向き合っていたのは、本来はMFの佐々木だった。過去の紅白戦で数度、公式戦でも途中出場という形で一度試している「FW佐々木」を、レアンドロが累積警告で出場停止となったこの試合で試してきたのだ。「シュート力、仕掛けるプレーができるので、チャレンジしてみたい」(山形・樋口監督)。

ところが、異変は対する鳥栖陣内でも起きていた。センターサークルの左右にスタンバイしていたのは、新居と、MF登録の山城。しかし、この狙いは俊足2トップの構成という以上に、「相手の右サイドの攻撃、ここで先手を取るために、山口を左にもっていけば、攻撃の時間が長くなるだろう」(鳥栖・松本監督)という戦略があった。ところがこの山口、キックオフから29分後に鈴木孝明と交代、ピッチから退いたのが次のサプライズ。右もも裏の負傷をおしての強行出場だったのだ。「『やれるか?』と聞いたが『やれる』ということだったので起用したが、ほとんど右足でボールを蹴れなかった」(松本監督)。

ただし、この交代は戦術的にも鳥栖に有利にはたらく。
ロングボールに対応できるターゲットの登場は、DFラインにほとんどプレッシャーがなく、自由にロングフィードが繰り出せる鳥栖には好都合。さらに、鈴木のマークを主にレオナルドが担当し、右SB木村が新居へのケアの意識でやや中央に絞る形になったことで、サイドにスペースが空いた。前半36分、DFラインのロングフィードから、本来の左SHに戻っていた山城がサイドを一気に突破したプレーは、それを象徴していた。

一方、山形の佐々木はプレーではサプライズを起こせずにいた。山形はビルドアップで攻め込むたびに、しっかりとゾーンをつくる鳥栖の守備の網に掛かっていたが、鳥栖のプレスの厳しさが増すとともにその位置が深くなっていき、気が付けば、多くの時間でポゼッションを許していた。ボールを奪う位置も徐々に鳥栖ゴールから遠ざかり、2トップがボールとともに前を向く機会を与えられなかったのだ。今節、鳥栖は金裕晋を欠いていたが、DFラインの中央に起用されたのが本職がボランチの村主であり、その村主が松本監督の期待どおりの働きで応えたのは、鳥栖にとってうれしいサプライズでもあった。

両チームは無得点のまま後半に入る。山形は秋葉に代えて永井を投入し、DFラインにもプレスをかけ始める。間延びした鳥栖のスペースで山形が拾ったセカンドボールを預けられた永井は、チーム全体を操るようにパスを繰り出していた。しかし、一瞬の隙を突き、先制したのは鳥栖。後半11分、中盤から裏を狙う尹のパスを新居が胸でトラップ。小原との競り合いでいったんは転倒したものの、起きあがると奪い返し、はずみで逆に転倒した小原を置き去りにしてゴール左隅に蹴り込んだ。ここまで丁々発止の駆け引きで新居をギリギリの線で抑え込んできた小原にとっては、一発の怖さを思い知らされる痛恨の失点となった。

しかし、ここから山形の攻撃が加速し、ゲームを支配し始める。失点後に投入された阿部祐大朗がボールに絡んでタメをつくり、財前が中央からスルーパスを連発する。幾度かの決定機を経た末の後半34分の右CK、新居に代えて投入された衛藤がゴール前にたどり着く前に財前がキックイン。山なりのボールは、ファーポスト際に頭から突っ込んだレオナルドの同点弾となった。その後も山形がボールを支配するなか、鳥栖も終了間際に2度決定機をつくるが決めきれず、そのままドローとなった。

山形、鳥栖と同じ勝ち点26で並んでいた札幌、水戸が勝利したことで、この引き分けは両チームにとってまさに「痛み分け」ということになった。相手ペースのなか、懸命のディフェンスを一瞬の隙で崩された山形と、先制しながら勝ちきることができなかった鳥栖。しっかりと勝ち点3を取るために、両チームにはまだまだ足りないものがある。そしてそれは、次の1試合に全力を尽くせる者だけが見つけることができる。

以上

2006.06.22 Reported by 佐藤円
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