7月16日（日） 2006 J2リーグ戦 第28節
東京Ｖ 4 - 2 徳島　（19:04／味スタ／5,473人）
得点者：'14 青葉幸洋（東京Ｖ）、'20 ジョルジーニョ（徳島）、'71 齋藤将基（東京Ｖ）、'76 齋藤将基（東京Ｖ）、'84 平本一樹（東京Ｖ）、'89 大場啓（徳島）
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前半、「（最下位のチームを相手に）なめてしまったんじゃないか」と東京V・ラモス監督。リズム良くパスを繋いでいく徳島に対し、東京Vは中盤でのパスが繋がらない。開始早々に徳島MF片岡にフリーでシュートを打たれるなど危ない場面もあり、苦しい展開になるかと思われた。

が、先制ゴールは東京Vに生まれる。
自陣深い位置でボールをカットした青葉が左サイドでドリブルを始めると、そのまま相手ゴール手前へ。FW齋藤に一旦預けてエリア内に入り込み、ワンツーで受け右足シュート。DFとは思えないゴール前での落ち着いたシュートを見せた青葉のゴールは今季2得点目であり、プロ2得点目。甲府時代は戦術上の理由もあり攻撃参加は控えていたが、「ラモス監督からは『行くな』とは言われていないですから」という積極的な姿勢がゴールに結びついた。

これで一気に流れを引き寄せたい東京Vだったが、この後も2トップにいい形でボールが入らずチャンスは少ないまま。
徳島はその後もジョルジーニョ、片岡らが思い切ってシュートを狙い、同点のチャンスをうかがう。そして同点弾は先制から6分後の20分。FW羽地の折り返しを受けたジョルジーニョが左足でループシュートを放つと、ボールはGK高木の指先をかすめながらゴールネットへと吸い込まれていった。
前半は結局、この1‐1での折り返し。「前半はやろうとしているこができた」と徳島・田中監督の話すように、落ち着いてパスを回していた徳島が前半は幾分リードしていた印象。ゼ　ルイスのデビュー戦で期待されていた東京Vだったが、その中盤から思ったような形を作りきることはできず、ラモス監督も途中でゼ　ルイスと菅原のポジションを入れ替えるなど試行錯誤の状態だった。
「前半を終えた時、勝ったと思いました」と徳島MF玉乃。「このまま落ち着いて回していけば、相手は絶対前に出てくる。そのチャンスを決めるつもりだった」。

しかし後半、その目論見通りにはいかない展開となる。
ラモス監督は、中盤のテコ入れとしてMF根占を外してMF喜名とMF大橋を投入。右足を打撲し、なかなか右サイドからチャンスメイクできなかったDF海本を下げ、左サイドバックに入っていた藤田を右サイドバックに、菅原を左サイドバックに回しシフトチェンジ。
この交替が功を奏し、また徳島が「暑さでロングボールを多用するようになってしまった（MF玉乃）」こともあり、徐々に東京Vペースになっていく。
さらに徳島には、守備の要を担っていたDF井手口が怪我で急遽交代というアクシデントも発生。「次の1点が大事だと思ってた（MF片岡）」徳島だが、少しずつリズムが崩れるなか、54分の羽地のシュートもバーに嫌われビッグチャンスも逃してしまった。

が、主導権は握りつつあったものの、東京Vもまた65分にはマルクスのFKがクロスバーにはじかれるなど、決めきることができないまま時間が過ぎていった。
ようやく71分、マルクスとパス交換しながら右サイドを積極的に上がってきた藤田が、エリアで待つ齋藤にラストパス。齋藤はDFに囲まれながらもきっちりとゴールに押し込み、貴重な追加点をあげ再びリードを奪うことに成功した。
「2失点目で、もう無理なんじゃないか、という雰囲気になった」と、徳島MF片岡。他の選手達の試合後のコメントも「失点して下を向く、いつもの悪い癖が出てしまった」というものばかり。東京Vの追加点は、連敗中の徳島の選手たちの心理状況に大きくダメージを与えるに充分なものだった。
勢いに乗る東京Vの3点目はまたもFW齋藤。2点目からわずか5分後の76分、平本とのワンツーでゴール前を崩した「イメージ通りの形（齋藤）」でゴールをゲット。
さらにダメ押しの4点目は84分、GK高木のロングフィードをMFマルクスが頭で繋ぎ、平本がヘディングシュート、最後は左足で押し込んでというシンプルな形。これでスコアを4‐1とし、勝利を決定づけた。
この後ロスタイムにセットプレーから徳島MF大場が得点し、最後は意地を見せたが、直後に試合終了のホイッスル。

ともに勝ち点3を渇望していた両チームだが、結果は東京Vが4‐2で今季味の素スタジアムでの初勝利をあげ2連勝。徳島は悪い流れを断ち切れず、これで4連敗となった。


以上

2006.07.17 Reported by 高木聖佳