7月29日(土) 2006 J2リーグ戦 第31節
水戸 1 - 2 東京V (19:04/笠松/5,648人)
得点者:'36 アンデルソン(水戸)、'44 ゼルイス(東京V)、'83 富澤清太郎(東京V)
−ダイジェスト映像は【こちら】
----------
1対1で迎えた83分、左サイドでボールを受けようとした水戸・高橋。だが、そこで痛恨のミスを犯す。「ボールを待ってしまった」(高橋)のだ。東京V・海本が止まった高橋の前でインターセプトすると、勢いに乗ってすぐさまクロスを入れ、齋藤がヘディングシュート。GK本間がなんとかかき出したが、そこからのCKで東京Vが決勝点を挙げた。一つのミス、一つの意識の甘さが勝敗を分けることとなった。「ちょっとでも隙をみせるとやられる」(大和田)。90分間、ほぼ試合を支配し続けた水戸だったが、その内容で勝利できていれば大きな自信につながっていただけに、授業料にしては少々高くつくこととなってしまった。
だが、そこまでの水戸のサッカーは見事だった。トップ下の椎原を起点にサイドをうまく使い、東京Vのお株を奪うようなパスサッカーで試合を支配した。特に右サイドの桑原と倉本のコンビネーションが良く、同サイドから幾度となくチャンスをつくった。そして、ボールを支配することで両サイドを高い位置に保つことができるようになり、東京Vの両サイドバックからの組み立てを防ぐことに成功。完全なる水戸のペースで試合は進んだ。
先制点も右サイドから。桑原、倉本のコンビで右サイドを崩し、中央のアンデルソンへ。ボールを受けたアンデルソンが巧みな技術で東京Vディフェンス2人をかわし、シュート。「組織」と「個」の融合で先制点を挙げた。
前半終了間際の44分、左サイドからのCK。東京V・マルクスが蹴ったボールをニアでゼ・ルイスが合わせ、東京Vが一つのチャンスで同点に追いつき、後半にかけて息を吹き返すかと思われたが、「後半もウチのペースだった」と前田監督が言うように、水戸のペースは変わらず。アンデルソンを中心にチャンスを作り出していく。
防戦一方の東京V。そこでラモス監督が勇敢な決断を下す。「アンデルソンに自由を与えず、マークをするため」(ラモス監督)センターバック2人を替えたのだ。するとそれが功を奏す。不慣れなボランチからセンターバックに入った富澤が高い身体能力で、J初出場となった飯田も高さを生かした守備でなんとかアンデルソンを抑えられるようになり、水戸に押されながらもぎりぎりのところで失点を防ぎ続けることができるようになったのだ。
チャンスをつくっても決めきれない水戸に対し、東京Vは83分にCKから得点。わずかなチャンスをモノにして勝ち点3を得ることになった。「勝つことは難しい。勝ててよかった」とラモス監督が胸を撫で下ろしたように今の東京Vがほしいものは内容よりも勝ち点3。それを積み重ねられたことが最大の収穫と言っていいだろう。この日もセットプレー時には前線に1人残しただけで、残りの10人がペナルティエリアに入って守備をするなど、現実的なサッカーを見せた。劣勢を強いられながらも東京Vの勝負への強い執念が水戸を下すこととなったのである。
一方、試合を支配しながらも勝利を逃した水戸。だが、「ウチのチームは確実によくなっった」と前田監督が胸を張るように、試合内容は着実に進歩を見せている。特に椎原、桑原、倉本ら選手の成長は著しい。この日もパス回しで東京Vを圧倒。結果だけがついてこない格好となった。第3クールに入る前、鬼塚忠久強化部長はこう語っていたことが思い出される。「これからウチはつなぐサッカーをする。それをすると負けることが増えるかもしれない。でも、それを乗り越えていかないといけない」と。まさにその時期が来ているのである。「内容」をいかに「結果」に結びつけられるか。その壁は大きい。それを乗り越えることができるか。「水戸が昇格するためにはこの内容を続けていかないといけない」(前田監督)。水戸の新たな挑戦がはじまった。
以上
2006.07.30 Reported by 佐藤 拓也
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第31節 水戸 vs 東京V レポート】敗れたものの内容面で大きな向上を見せた水戸。東京Vは何より欲しい勝ち点3を手に入れ、5位をキープ。(06.07.30)













