7月29日(土) 2006 J1リーグ戦 第16節
G大阪 2 - 2 福岡 (19:04/万博/14,621人)
得点者:'5 播戸竜二(G大阪)、'61 山口智(G大阪)、'72 飯尾一慶(福岡)、'86 中村北斗(福岡)
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2−2のドローという結果から、勝ち点1を分け合ったとはいえ、その『1』には大きな違いがあったと言えるだろう。それは試合後の記者会見の席場に表れた両監督の表情が物語っていた。
高揚を抑えきれないかのような表情で、矢継ぎ早に試合を振り返った福岡・川勝監督と、席に着くと同時に大きな深呼吸をし、少しうなりながら考えた後に、言葉を絞り出したG大阪・西野監督。表情だけではない。「選手たちは最後までキレずによくやってくれた。2−0から2−2にもっていけた・・・しかも、3人の交代枠を使い果たした後、DF金古が痛んでピッチを去らざるを得なかった状況の中で、2点目を取りに行って結果に繋げてくれた」と満足そうに話した川勝監督に対し、西野監督は「前節と同様、1点を取ったあと、加点できなかった事で苦しい展開になった。明神をどこかのタイミングで使いたいと思っていて投入したが、結果的には播戸を外したことで裏に飛び出す力が少なくなったと思う」と課題を口にした。
前半5分という早い時間帯に、今季リーグ戦では2度目の先発となるFW播戸が先制したものの、その後が続かないG大阪。攻め手に欠いた訳ではなく、福岡DFの裏を狙ったり中央からドリブルとパスで崩したり攻撃の形を作り出す。しかしながら、前節同様、最後の『決め手』がゴールに刺さらない。逆に福岡は前半の半ばから失いつつあったリズムを、前半終盤にやや取り戻していく。というより、G大阪のラインが下がりつつあったことにも助けられ、少しずつ自分達のリズムを見いだしていったという感じか。あれだけ決定的なチャンスを作られながら、0−1で凌いだあたりにも、堅守を誇る福岡の持ち味が出たとも言えるだろう。
だが、その堅守も61分。G大阪のセットプレーからのDF山口のヘディング弾によって崩される。G大阪にとっては待望の追加点。決してリズムを取り戻していた訳ではなかったが、その中でもなんとか相手を突き放せたことで試合は決まったかのように見えた。71分にFW播戸に代えてMF明神を投入するまでは、だ。
「今日は明神をどこかのタイミングで使いたいと思っていたこともあって投入した。自分の中では完全にゲームをコントロールできたと思って更に安定した戦いをと思っていた」明神投入の理由を西野監督はそう説明したが、この投入がG大阪のリズムをより悪くしたのは明らかだった。全体的に下がりすぎていた感がある中、更に守備的な選手を投入することで常に『攻め』によってリズムを見いだすG大阪の『らしさ』は陰を潜め、逆に、福岡は俄然勢いを増す。
そんな中、72分、左サイドからMF薮田、DFアレックスと繋いで最後はFW飯尾が豪快な一打を浴びせ1点差に詰め寄ると、80分を過ぎて3人の交代枠を使いきった後DF金古が負傷退場するアクシデントに見舞われながらも「あのまま帰るつもりはなかった。3-4-2にして点を取りに行こうという意識だった」という川勝監督の狙いが的中。一人少ない中、86分には右サイドからのFW飯尾のクロスを中央でG大阪G藤ケ谷がDFとかぶる形で前にこぼし、それを「負けていた状況だったので前でプレーすることだけを心掛けていた」DF中村が右足で決め、土壇場で同点に追いつく。
これで、2-2。終盤、まさかの同点激に呆然とするG大阪の選手を尻目に、最後まで攻撃への意欲を示した福岡。「1点目のあと、2〜3点目を取る姿勢がようやくゲームの中で出て来た」とは試合後の、川勝監督の言葉だが、チームとしての『意図』が最後まで伺えた福岡に対し、G大阪はチーム全体が攻守に意思統一を欠き、自滅していったかのように見えた一戦だった。
以上
2006.07.30 Reported by 高村美砂
J’s GOALニュース
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