7月29日(土) 2006 J2リーグ戦 第31節
山形 1 - 1 神戸 (19:04/山形県/5,781人)
得点者:'30 河本裕之(神戸)、'89 レアンドロ(山形)
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「勝ち点1」が、両チームに鈍い波紋を投げかけていた。
監督会見の席上、神戸・バクスター監督は、「非常に状況を受け止めるのが難しい」と、後半ロスタイムに追いつかれ、勝ち点2が逃げていった現実の重みを計りかねていた。土壇場で追いついた山形・樋口監督も、もちろん手放しでは喜べない。前半はほぼ完璧に抑え込まれたとは言え、この試合には勝ち点3を得るために臨んだことに加え、後半に巻き返して勝ち越すチャンスがあったにも関わらず、それを果たせなかった悔しさもあったのだろう。「結果としての勝ち点1をどう受け止めていいか、少し考えています」と心境を話した。
立ち上がりから、神戸が完璧に近い形でゲームをコントロールする。
前節で負傷した三浦が抜けた左には栗原が張り、中盤はトップ下を置かない逆三角形で臨んだ。ホルヴィ、田中が前線に飛び出すことができる高い位置は、山形の永井、渡辺のボランチにがっちりとプレスを掛けやすい位置でもある。全選手が連動したプレッシングと山形のイージーなパスミスなどで完全にペースを握った神戸は、セットプレーから山形ゴールを何度か脅かしていたが、前半30分、FKから河本のヘディングシュートで、均衡が破られた。
MF財前を怪我で、DF内山を累積警告で欠く山形は、ここ数試合がそうであるように、前半の主導権をまたも握り損ねる。相手のプレスにパスコースを限定され、何度はじき返されてもスペースを埋められている前線にロングボールを入れる展開に引きずり込まれた。移籍後初出場となった前田も闇雲に攻め上がれるわけにもいかず、まずは目の前の朴の仕事を制限することに専念せざるを得ない。前半のシュート数は、神戸の8に対して1。2トップに限れば、シュートどころかボールタッチさえも満足に許されなかった。
そうした両者の好不調は、サイドチェンジのパス1本にもよく表れていた。
前半22分、右SB北本から飛んできた大きなサイドチェンジのボールを、逆サイドの左SB坪内は足元で収めず、ダイレクトで前方へと蹴り出している。
視線の先には、DFラインの裏を狙おうかという栗原がいた。このとき、坪内はフリー。大胆な発想ができるゲーム展開と、相手のアプローチがまったくない状況が、思い切りのいいプレーを生み出した。
一方、山形のサイドチェンジはその15分後。渡辺が左サイドから大きく横へ飛ばしたボールは、高橋と臼井の間へ。攻か守かの意思統一、判断力の精度、2人の間の連携など、さまざまな不安とともに、譲り合うような形でボールはタッチを割っている。
後半、山形の反撃は選手交代から始まった。右SHの高橋を佐々木に交代。突破力を活かして右サイドから仕掛けたあと、前線に氏原を投入。ラインが押し下げられ、運動量も落ちかけていた神戸には、前半には見られなかったスペースが生じていたが、山形は球際の強さを増すことでセカンドボールを拾い、スペースでつなぎながらサイドへ展開していく。前半は1本だけだったシュートが5本、6本と打ち込まれていき、後半37分の林投入で、中盤を削り3トップに。その8分後のロスタイムに、林が1対1を突破して右サイドから上げたクロスが、永井の折り返し、さらにレアンドロの同点ゴールにつながった。
神戸は首位・柏を追い、昇格圏を確実なものにするために、7位・山形は上位との差を詰めるために、欲しかったのは勝ち点3だった。しかし、試合が終わった今、失ったものを取り戻すフィールドは過去ではなく、これから行なわれる残された試合のなかにしかない。「なんとかこの1をいい方向にもっていけるようにしたい」(樋口監督)。そう前向きにとらえて戦い続けることが、たったひとつの道だ。
以上
2006.07.30 Reported by 佐藤 円
J’s GOALニュース
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