8月6日（日）J2 第32節 鳥栖 vs 草津（19:00KICK OFF/鳥栖）
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現在33名の選手が在籍している鳥栖。怪我で離脱している選手を除けば、全員が試合に出場している。文字通りの総力戦である。加えて、第29節以降は、出場停止の選手を数名ずつ出している。

鳥栖は今節も3名の選手が出場できない。
攻撃の起点となる尹晶煥、危険の芽を摘み続けた村主、左サイドのスペシャリスト高地とここまでチームを引っ張ってきた選手たちである。しかし、今の鳥栖には悲壮感は無い。『チーム全員で戦う』(鳥栖/松本監督)と総力戦を強調する。

前節、上位を走る仙台相手に最小得点で勝ち点３を得た。仙台の攻撃の起点を潰し続け、決定的なチャンスを与えることをしなかった。退場者を出して数的な不利な状況に追い込まれても、残った選手が互いにカバーしあい、最後まで集中を切らさなかった。『全員が殊勲賞』(鳥栖/松本監督)と最大限の評価を与えた内容だった。エースストライカーの新居は前線からボールをひたすら追い続けた。ボランチの高橋は相手にスペースを与えず攻守のバランスを取り続けた。加藤と長谷川は身体を張ってシュートコースを消し続けた。シュナイダー潤之介は最後尾からチームを鼓舞し続けた。そして、この結果は勝ち点以上にチームに勇気と自信を与えてくれた。

対する草津は順位こそ下位に低迷しているが、前節は首位柏を苦しめた。柏の猛攻に耐えながらも80分近くまではリードしていた。鳥居塚がボランチからDFまでをこなし、柏の中盤の自由を奪い続けた。途中から入った田中は、攻撃の起点を気迫のマンマークで押さえ込んだ。第22節(愛媛戦)以降の勝利に、あと一歩のところまで健闘した。

今節の鳥栖は、左サイドDFに復調著しい立石が戻ってくるかもしれない。昨季、志願して出場した古巣との対戦で痛めた怪我だったが、練習では元気な姿を見せている。中盤は、前節決勝点をあげた山口がコントロールすることだろう。ベテランの読みでポゼッション高く、草津ゴールにボールを運ぶに違いない。そして、後ろから高橋がバランスを取る。時折見せる攻撃参加は、今や鳥栖の武器の一つになりつつある。
前線では、絶好調の新居が縦横無尽に走り回る。ボールを受ける動きだけではなく、要求する動きにも連携が取れだした。草津はマンマークに近い守備で押さえにかかってくると予想されるが、新居の天性のポジショニングと瞬間的なスピードに苦しめられるに違いない。

草津も島田を中心に縦への攻撃で鳥栖のゴールを狙ってくる。奪ったボールを素早く前線へ送るサッカーは、草津の得意とするところ。状況によっては、太田を入れたパワープレーで襲い掛かる。セットプレーにひ弱さを見せる鳥栖には、CKなどを大事にしていきたい。

両者とも好調と言って良い。ポゼションの鳥栖とカウンターの草津の戦いともいえる。持ち味をフルに出した好ゲームが期待できる。今節の鳥栖のナイトゲームも熱くなりそうだ。

サッカーの試合では、90分間の内どちらかが攻撃側になり、他方は守備に回る。得意の形で攻撃するのか、相手の弱点を突いて攻撃するのか・・・。強護に守るのか、相手の良さを消して守るのか・・・。
チーム戦術を楽しみながら観戦できる試合でもある。

以上

2006.08.04 Reported by サカクラゲン