8月19日(土) 2006 J1リーグ戦 第18節
新潟 2 - 1 川崎F (19:04/新潟ス/38,611人)
得点者:'27 鈴木慎吾(新潟)、'44 鈴木慎吾(新潟)、'72 黒津勝(川崎F)
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新潟が連敗を4で止めた。第19節浦和戦(7月19日)以来1カ月ぶりの白星を、2対1の接戦の末にもぎ取った。鈴木慎吾が前半27分、中央付近のフリーキックを直接決めて先制。44分にはミドルシュートでこの日2得点目をマークした。後半、DF三田光が退場し、一人少ない状況で防戦にまわらざるを得なかったが、落ち着いた守備で川崎Fの反撃を1点に抑えた。
川崎Fは後半27分に途中出場のFW黒津勝のゴールで1点差としたが、ここまで。新潟のタイトなマークの前に決定打が出ず、前半の2失点が響いた。
力は使い果たした。疲労感は心地よかった。「苦しかったけど、勝てたことが大きいです」。鈴木慎吾は満足そうに話した。
先制点はあっけなく決まった。中央付近からのフリーキック。緩やかな弧を描いたボールにエジミウソンが合わせに行くが、結局スルー。バウンドした後、海本慶治が押し込みもうとするが、ここもスルー。ボールはそのままマウスに吸い込まれた。GKの死角を突きながらのゴールは「直接入れたいと思って狙った」と言う計算通りの1点だった。
追加点も会心の一本だった。ドリブルで持ち込んだエジミウソンが左に流れたところで、中央に走り込んだ鈴木にパス。「トラップせずに、ダイレクトで狙った。GKも反応しづらいと思った」。ネットに突き刺す豪快なシュートは一瞬の判断で生まれた。
鈴木の得点は第12節清水戦(5月6日)以来。この試合でも2得点を決めていた。今季のリーグ戦で、鈴木が得点した試合は4戦全勝。不敗神話ができつつある。4連敗中、新潟の得点はわずかに1。鈴木も決定機を逃す場面が少なくなかった。それでも「消極的になるのが一番悪い。チャンスがあったらどんどん狙う」と下を向くことはなかった。普段のシュート練習ではしっかりボールを見る、集中するといった基本的な動作の確認を行ってきた。その成果がチームにとって大きな白星につながった。
もっとも、勝ち星を奪えたのは、その2点を全員で守りきったから。後半21分、三田が2枚目のイエローで退場して10人に。その6分後に、追撃の1点を許した。ただ、集中力は一段と増していた。布陣を4バックから3バックに変え、川崎Fの2トップをマーク。ゴール前に釘付けになる状況になっても、焦らずにきっちりとクリア。「相手が投入してきたのはFW系の選手。セカンドボールはそれほど拾われないので、弾き返すことだった」。DF梅山修が言うように、全員が冷静にゴールを守った。
その強固さの前に、川崎Fはもう1点を奪うことができなかった。後半27分、中村憲剛からパスを受けた黒津がシュートを決めたが、その後はマウスをこじ開けることができない。前半からしつこくマンマークで食い下がる新潟の守備陣に、我那覇和樹、ジュニーニョの2トップは仕事をさせてもらえなかった。守備でも前節の横浜FM戦と同様に、マークがあいまいになったところで先制点を奪われた。「リスタートからの失点が多い」と関塚隆監督。攻守に後手を踏んだ形を最後まで立て直せなかった。
連戦の初戦を白星で飾った新潟。ただ、チーム状況は楽ではない。DF中野洋司が試合中に故障し、途中退場した。スタメン予定だったMF松下年宏も練習時の故障の回復が思わしくなく、試合直前にベンチ登録から外れた。司令塔のシルビーニョは左足の故障で全治3週間。次節はDF三田が出場停止になる。精神的にも肉体的にも8月は正念場になる。川崎Fは首位争いから一歩後退した。ただ、修正点ははっきりしただけに、ホームで戦う次節で内容と結果が伴えば、十分に巻き返しができる。
以上
2006.08.20 Reported by斎藤 慎一郎
J’s GOALニュース
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