8月19日(土) 2006 J1リーグ戦 第18節
福岡 4 - 5 京都 (19:00/博多球/10,387人)
得点者:'7 アンドレ(京都)、'29 飯尾一慶(福岡)、'41 久藤清一(福岡)、'44 パウリーニョ(京都)、'45 薮田光教(福岡)、'47 パウリーニョ(京都)、'58 中払大介(京都)、'80 城後寿(福岡)、'83 加藤大志(京都)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
----------
すさまじい打ち合いだった。生まれたゴールは両チーム合わせて9。取っては取り返し、そして突き放せばまた追いつかれる。J1残留争いを繰り広げる両チームの直接対決は戦前の予想以上に激しい試合になった。置かれている立場を考えれば、互いに内容よりも結果が欲しい試合。ゴールに向かう強い気持ちが表われた一戦だった。そんな戦いを制したのは京都。その結果、京都は16位へ上昇。そして敗れた福岡は自動降格圏内に当たる17位へと後退した。
始まりは7分。斉藤大介のサイドチェンジを受けた加藤大志が右サイドを突破。そこからのクロスボールにアンドレが頭で合わせた。「早い失点で、また少し落ち着きがなくなった」(川勝良一監督・福岡)福岡は29分。飯尾のドリブルシュートで息を吹き返す。更に続く41分。ホベルトからのラストパスを受けた久藤清一が左足を一閃。大きくゴールネットを揺らす。勢いは福岡か。そう思われたロスタイム。パウリーニョの直接FKがゴールへと吸い込まれた。一歩も引かない両チーム。スタジアムは興奮に包まれたままハーフタイムを迎えた。
打ち合いは更に続く。5つ目のゴールを決めたのは福岡。中村北斗のクロスボールをファーサイドでフリーになっていた薮田光教が右足インサイドであわせる。後半開始のホイッスルが鳴ってから36秒後のことだった。京都も更に前に出る。その2分後、パウリーニョのシュートがDFに当たってゴールへ吸い込まれる。58分、今度は京都の逆転ゴール。2列目から裏へ飛び込んだ中払大介がゴールネットを揺らす。そして福岡の同点ゴールは80分。CKから千代反田充が中央へ折り返したボールを城後寿が豪快にオーバーヘッドシュートを叩き込んだ。
激しく、そして果てしなく続く打ち合いにスタジアムは興奮の坩堝。10,387人の大半を占める福岡サポーターは、ホームでの勝利を強く願い、声援を送り、そして信じていた。しかし83分、決勝ゴールを奪ったのは京都だった。決めたのは加藤大志。右サイドからドリブルで中へ切れ込むと、左足を振りぬいてゴールを捉えた。勝たなければならない福岡は、この後最終ラインを3枚にして総攻撃を仕掛けたが、これは実らず。4分間のロスタイムを経て試合終了を告げるホイッスルが鳴った。
互いに内容よりも結果が求められた一戦。「アビスパもサンガも点を取りに行くという部分で、非常に高い意識でやったということが、この5−4というスコアに表れたんじゃないか」(柱谷幸一監督・京都)。その言葉通り、90分間に渡ってアグレッシブで、互いの気迫が溢れる試合だった。しかし、その反面、冷静に振り返れば互いの問題点が改めて浮き彫りになった試合でもあった。
何よりも欲しい勝ち点3を手に入れた京都だが、チームが抱えている問題は失点がリーグ最下位(43失点)の守備。「一瞬の隙というか、アラートじゃない部分で失点した部分は多かったんじゃないか」と柱谷監督は振り返ったが、これこそがチームが低迷する原因。この試合でも多くの試合がそうであるように、後半の立ち上がり、そして終了間際に失点を喫した。裏天王山と呼ばれる直接対決を制したという結果は大きいが、素直に勝利を喜べる状況ではないだろう。
一方、リスクを背負ってゴールをもぎ取りに行くサッカーを目指す福岡だが、それもある程度の守備力があってこその戦術。前節の大分戦に続き、中盤の守備が全く機能せず、混乱状態とも言えるまま戦いを続けては勝ち点3を手に入れるのは難しい。1対1の強さは守備の基本ではあるが、現状では個の強さを求める守備は機能しているとは言い難い。アグレッシブさは感じられるが、同時に慌しさも感じさせてしまっている。シーズン途中での監督交代は組織力を生かした上での戦術の見直しだったはずだが・・・。
残り試合は16。両チームとも数字の上ではまだ上昇のチャンスはある。しかし、それが厳しく、険しい道であることに変わりない。
以上
2006.08.20 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第18節 福岡 vs 京都 レポート】互いの攻める姿勢が生んだ9ゴール。しかし、抱える問題は解消せず。(06.08.20)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













