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【J2:第34節 徳島 vs 湘南 レポート】苦手の『後半』に統率された見事な戦いを見せた徳島。好調だった湘南を抑え、10試合ぶりの勝利。(06.08.20)

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8月19日(土) 2006 J2リーグ戦 第34節
徳島 2 - 1 湘南 (19:04/鳴門/2,174人)
得点者:'32 フラビオ(湘南)、'44 羽地登志晃(徳島)、'56 羽地登志晃(徳島)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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これまで幾度となく痛い目にあってきた苦手の『後半』。そこでの戦いが明らかに課題であると言われ続けながら、なかなかそれを克服することが出来なかった…。しかし今節、徳島はその苦手の『後半』にチームが統率された見事な戦いを披露。そして、それによって10試合ぶりとなるうれしい勝利をホームでもぎ取った。

ようやく手にした22節以来の勝利。キャプテン片岡も「勝利からずいぶんと遠ざかっていたのでとにかく勝てて嬉しい」と語り、その喜びを隠し切れない様子であった。
とは言え、この一戦、徳島にとって決していい状況で進んだわけではない。前半、先に主導権を掴んで押し気味の展開と思われた矢先、DF天羽とGK高橋の連携ミスから湘南に先制点を献上。自ら追いかける苦しい立場へと立ってしまった。さらには、この失点でそれまで良かったリズムまでもが崩れかける。ボランチの挽地・アンドレを中心にしっかりと回せていたパスは次第につながらなくなり、徐々にチームの歯車が狂い始めているように感じられた。その時の重苦しい雰囲気は、ミスから敗戦を招くという悪いパターンに今節も陥ってしまうのかと前半のうちから思われるほどであった。

が、前半ロスタイムに得た2本のCKが試合の流れを大きく変える。まず右からの1本目、これは湘南にクリアされるも、このプレーで高さのある湘南DF尾亦が負傷し一時退場。すると、続く左からの2本目を今度は空中戦を制した羽地がドンピシャのヘディングで捉え、悪い流れにあった徳島が願ってもない時間帯で同点に追いついた。

そして迎えた後半。前記の通り、徳島はチームが統率された見事な戦いを繰り広げる。前半終了間際の同点ゴールで得た勢いそのままに、守備では湘南に徹底したプレスをかけ、攻撃ではシンプルながら風上を利用したロングボールで繰り返し果敢な速攻を仕掛けた。すると56分にはその積極性が実を結び、ついに逆転ゴールを奪う。DF石田が最後方から送った長いボールを、左サイドのジョルジーニョが中央ヘディングで流すと、湘南のディフェンスライン裏でそれを受けGKと1対1になった羽地が冷静に得意の左足でゴールへと流し込んだ。

こうして非常に価値ある逆転ゴールを奪った徳島。結果的にはこのゴールが勝負を決める決勝点となったわけだが、しかし徳島のこの試合におけるより大きな勝因はむしろこのゴールの後に見せた戦い方であった。

リードを守りたいという気持ちは強くともディフェンスラインを下げることはせず、全員が高い位置でのボール奪取を統一意識として持ち、それを最後まで実践。湘南に自由な場所と時間を与えない厳しいプレスを根気強くかけ続けた。事実、センターライン前後で徳島がボールを奪うシーンは何度も見られ、また湘南が全く苦し紛れのパスを送る場面もたびたび。それは徳島のチームとしての戦い方がハッキリしていた証拠と言えよう。

対して敗れた湘南は、前々節、前節で大勝した面影がほとんど見られない厳しい内容ともなってしまった。攻撃の中心であるアジエルが時おり鋭いドリブルで徳島ディフェンスを混乱に陥れるものの、MF佐藤らがほとんどそれに絡めず、またチーム全体としてもチグハグさが目立ったことは否めない。「徳島の戦う姿勢に対して我々が自分たちのサッカーを展開できなかったことに尽きる」と菅野監督は試合後に語ったが、波に乗りかけても乗り切れないチームを今後いかに修正してくるか注目される。

このように対照的な出来となった今節の両チーム。しかしながら、この一戦をどれだけ自らの糧にできるか、すぐ目の前に迫った次節の戦いではともにそれが大いに問われる。特に徳島は、ようやくの勝利を単発のものとしないよう、課題を克服して挙げたこの勝利によって変貌を遂げなければならない。

以上

2006.08.20 Reported by 松下英樹
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