8月19日(土) 2006 J2リーグ戦 第34節
水戸 0 - 1 柏 (19:04/笠松/9,482人)
得点者:'49 ディエゴ(柏)
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「いい内容と言われるけど、勝てないと意味がない」(眞行寺)。この言葉が水戸の現状を最もよく言い表している。今季ワーストの5連敗を喫することとなったが、内容は間違いなく向上しているだけに、水戸にとってこの上なく歯がゆさが残る連敗となっているのだ。
この日も試合を支配したのは水戸だった。前線と最終ラインをコンパクトにした守備で柏に自由を与えず。さらに、河野がディエゴをマンマークで封じると柏は攻め手を失い、完全な水戸のペースとなっていった。中盤でのプレスで面白いようにボールを奪う水戸。次々と縦に速い攻撃を見せ、11分にはマルキーニョからのスルーパスで眞行寺がチャンスを作り、20分には椎原が左サイドに飛び出して決定機を作り出していった。水戸が柏より上回っていたのは運動量。一人一人がボールを奪った瞬間にスペースへ飛び出す水戸に対し、柏は動きに連動性を見出せず。それでは水戸の堅固な守備を崩すことはできなかった。「前半はパーフェクト」と時崎が言うように運動量で勝る水戸が主導権を握り、45分を終えることとなった。
だが、柏には水戸にはない『個』の力が存在した。フランサだ。かつて欧州チャンピオンズリーグでも活躍した背番号『10』は後半開始から投入されると、「J2のレベルを超えている」と時崎が言うように、ワールドクラスの技術を随所に披露。前線でタメを作り、攻め上がりを誘発するフランサのケアのため、水戸のディフェンスラインは下がってしまい、その空いた中盤を柏が制圧し、ペースを握りはじめた。そして、フランサの存在により、自由を得たディエゴは49分、中盤でボールを受けるとフランサとのコンビで抜け出し、右足でシュート。ゴール右隅に突き刺し、先制ゴールを挙げた。
待望の先制点を挙げ、その後、勢いに乗ると思われた柏だったが、「1点取ったら、ガンガン行けるかなと思ったけど、行けなかった」と柏・高勝竜コーチが言うように再び運動量は落ちていき、運動量で勝る水戸にペースをつかまれる。1点を追う水戸は西野、塩沢を投入し、さらに河野を前線に上げ、パワープレーで柏ゴールを襲ったものの、あと一歩及ばず。敗戦を喫することとなってしまった。
「悪いところが出た試合」と石崎監督が言うように、柏は勝利したものの、決してほめられるべき内容ではなかった。「引いて守る相手を打開することができない」「とにかく走っていないから、スペースもつくれない」と試合後、高コーチは厳しい言葉を羅列。課題は山積みのようだ。選手たちも険しい表情でスタジアムを後にして行った。悪い流れでも『個』で打開できるブラジル人トリオが存在することはなんとも心強いが、「ブラジル人はブラジル人しか見ていないし、日本人もブラジル人しか見てなかった」と対戦相手の河野が感じたように、攻撃面での3人への過度の依存は問題だ。『昇格』に向け、終盤戦を勝ち切るためにも周囲の日本人選手のさらなる奮起が必要である。とにかく1人1人の運動量を増やさない限り、激戦は乗り越えられないだろう。
そして、今季ワーストの5連敗を喫した水戸。冒頭の眞行寺の言葉通り、内容と結果が噛み合わない試合が続いている。しかし、「先取点を取れないのがウチの現状」と前田監督が嘆くように、前半にいい形を再三つくりながらも、ゴールを挙げられなかったのが敗因となった。目立ったのはシュートを打たない『消極性』。前述の11分、20分のチャンスも眞行寺、椎原ともにシュートを打てるタイミングがあったものの、中央のアンデルソンに折り返し、シュートチャンスを逸した。「もっと積極的に打ってよかった」と眞行寺が反省するように、『積極性』が水戸には足らなかった。『個』の力で勝る柏は1本のチャンスを確実に決めてきただけに、水戸は手数で勝負しなければならない。いい攻撃は繰り出しているが、以前ほどの迫力は失われている。とにかく、『ゴール』『ゴール』『ゴール』。その先に『結果』は待っているはず。5連敗というものの、決して下を向く必要はない。歩んでいる道も決して間違っていない。だが、もう一度、プレーの優先順位を考え直したい。まずは『ゴール』だ。
以上
2006.08.20 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第34節 水戸 vs 柏 レポート】不安の残る内容ながらもフランサの活躍で勝利した柏。水戸はチャンスを生かせず5連敗。『ゴール』への消極性を解消したい。(06.08.20)
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