8月23日（水）J2 第35節 草津 vs 徳島（19:00KICK OFF/群馬陸）
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上位クラブが激しいサバイバルレースを繰り広げる中、下位クラブの順位争いも、にわかに活気付いてきた。前節の結果、11位・愛媛（勝点30）、12位・草津（同27）、最下位・徳島（同24）の下位３クラブの勝点差は、それぞれ「３」へと急接近。第26節以降、下位グループの順位変動はなかったが、今節の結果＆得失点次第では入れ替えの可能性も生じてきた。

　そんな状況で行われるのが、「Ｊ２裏天王山」とも言うべき、草津対徳島の直接対決だ。ホーム・草津は徳島を叩いて11位・愛媛を視野に入れたいところ。一方の徳島は一気に差を詰めて、隙あらば、最下位脱出を図りたいはず。互いの目論見が交錯する今節の対決は激戦が必死だ。

　前節、東京Ｖ戦をドローに持ち込んだ草津・植木監督は会見後、味スタの通路に張られた徳島対湘南の試合結果を見て、思わず声を上げた。「湘南が負けてるよ」。もちろん、草津と徳島の勝点差を頭に入れての発言だったことは間違いない。その言葉の裏からは、植木監督が今節の相手・徳島を十分に意識していることがハッキリと感じられた。

　草津は今節の徳島戦を皮切りに、湘南、水戸、愛媛、山形との中・下位クラブとの５連戦となる。ここでの結果が今季の成績に直結するのは確実で、まさに今シーズンの「山場」となる。「これまで上位チームとやってきて、そこそこの結果が引き出せた。ただ、上に行くには同じくらいの位置にいるチームを倒すことが必要となる。ここで連勝して順位を上げなければならない」と植木監督。また、先週の練習後には「この５試合を集大成にしたい。ここで勝てなかったら、来季の戦力を大幅に変えなければならないだろう」とも話しており、選手にとっては来季に向けての大きな試練となる。

　過去５試合１勝４分と５試合連続負けなしの草津は今節、ＤＦのリーダー的存在・齋藤が前節のレッドカードで出場停止。両ＣＢは、田中、尾本の22歳コンビとなる可能性が高い。草津はまず守備を落ち着かせた上で攻撃を組み立てていくことになる。司令塔・島田は「最近は先に点を取られても、チームとして粘り強く戦えるようになってきた。徳島戦はこれまでの相手とは違い、ボールを持てるだろうし、ゴール前でのプレーも増えるはず。全体の動き出しを早くしてゴールを狙いたい」と気持ちを込める。

　前節、約２カ月ぶりに勝利を挙げた徳島は連勝を懸けて草津のホームに乗り込んでくる。草津に対して今季２戦２勝というデータも好材料だ。前節の戦いでは、２得点を挙げた羽地と、左ＭＦ・片岡の積極的な動きが目立った。また、７月末から合流したボランチ・アンドレの展開力もチームの新しい力となっている。これまで最下位に低迷してきた徳島にとって今節は最下位脱出の足がかりとしたいゲーム。草津同様に、モチベーションは高いはずだ。

　草津は、勝てば徳島に引導を渡せる重要なゲーム。だが、敗れると昨季、もがき続けた最下位というドロ沼に片足を入れることになる。第35節、草津は今シーズンを乗り切る上で大きな岐路を迎えた。草津が生き残る道はただ一つ、勝利しかない。

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2006.08.22 Reported by 伊藤 寿学