8月26日(土)J1 第20節 鹿島 vs 広島(18:30KICK OFF/カシマ)
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前節のヴァンフォーレ甲府戦で痛い敗戦を喫し、首位・ガンバ大阪との勝ち点差を9まで広げられてしまった鹿島アントラーズ。ここで勝ち点を積み重ねなければ、悲願のタイトルはますます遠くなる。とはいえ彼らには、7月13日の第13節・川崎フロンターレ戦後、似たような崖っぷちに立たされながら、その後の3連勝でトップに迫った経験がある。その再現さえ見せれば、まだまだ諦める必要はないのだ。明日26日の対戦相手・サンフレッチェ広島は目下3連敗中。チームは迷走を続けている。ここで彼らをキッチリ叩いて、再浮上のきっかけを作りたい。
第18節終了時点の成績をおさらいすると、鹿島が10勝6敗3分の勝ち点33で5位、広島は4勝11敗4分の勝ち点16で15位。どちらもここへきて順位を落としている。
鹿島の8月はジュビロ磐田戦でのドローから始まった。これは終了間際に追いつき、負け試合を拾う形。これにはパウロアウトゥオリ監督も安堵したことだろうが、その後が悪かった。浦和レッズには2−0でリードしながら終盤に追いつかれてドロー。そして前節の甲府戦は岩政大樹が決死の同点弾を叩き込んだが、浦和戦同様に後半終了寸前に2点目を奪われ、万事休す。格下と見られた相手にまさかの取りこぼしをしてしまった。
G大阪、浦和、川崎Fら上位陣は順当に勝ち点を伸ばし、気づいてみれば5位。好調の4位・清水エスパルスに勝点差2をつけられ、大分トリニータやジェフ千葉、大宮アルディージャにも追走されている。この状況からいち早く抜け出さなければ、昨年と同じような苦渋を味わうことになる。
今節は前節出場停止だった内田篤人が戻ってくる。代役だった増田誓志も悪くなかったが、最終ラインとの連携面などを考えると、急造・右サイドはやはり厳しい部分もあった。復帰する18歳の若い力をチームのエネルギーにしたいところ。そして逆にファビオ・サントスが出場停止になるが、このポジションには本山雅志がいる。ファビオ・サントスの加入によってスーパーサブの役割を担っていた彼だが、もちろん先発で出たいというのが本音。このチャンスをつかみたいと本人も燃えているはずだ。
そしてもう1つの注目点は、イタリア、セリエA・メッシーナへの移籍が本決まりになりそうな小笠原満男のパフォーマンスだ。ドイツワールドカップで思うような結果を残せず、さらなる飛躍を期していた彼にとって、海外挑戦は以前からの野望。明日の広島戦はそんな彼のJリーグラストゲームになると見られる。常勝軍団を長い間リードしてきた男ゆえに、チームの苦境を救い、周囲を納得させるだけの存在感と結果が求められる。
今の鹿島が真っ先にやらなければならないのは守備の安定化である。8月に入ってからというもの、3試合で7失点とあまりに失点が多いからだ。「ここ最近、失点が続いている。ロスタイムにやられることも多すぎる。後ろがゼロに抑えれば負けることはない」と曽ケ端準も気持ちを新たにする。とにかく相手の得点力を封じるところから、ディフェンス再建が始まるといっていい。
実際、広島にはJ1屈指の2トップ・佐藤寿人とウェズレイがいる。2人でチームの総得点25点中19点を叩き出していることでも、その実力が分かる。しかしここ最近の彼らへの警戒は強まるばかりで、ゴールラッシュの勢いもやや止まりつつある。佐藤自身、「自分たちFWだけしか取れない状況はよくない。もっとチーム全体からゴールできるようにならないとダメ」と苦言を呈することもあったほどだ。その成果か、前節のG大阪戦では李漢宰と柏木陽介がゴールを決めた。
このように攻撃面は明るい材料もあるが、チーム最大の問題は鹿島同様に守備だ。ペトロヴィッチ監督はここ2試合、戸田和幸のリベロに新外国籍選手のダハツと本来ボランチの森崎和幸の3バックを起用。彼らの安定感がまだ今ひとつだ。G大阪戦では出場停止明けの中里宏司と負傷から戻った青山敏弘をボランチに据えたが、このポジションも頻繁にメンバーが入れ替わっている。ケガの駒野友一の穴も痛い。こうしたマイナス要素はあるものの、いち早く連携面を確立させ、失点を防ぐこと。それが鹿島から勝ち点を奪うポイントになるはずだ。このままずるずる行くと、その先には悪夢のJ1残留争いが待っている。今こそ何とか踏みとどまりたい。
明日のスタメンは、鹿島がGK曽ケ端、DF内田、岩政、大岩剛、新井場徹、ボランチ・青木剛、フェルナンド、2列目・小笠原、本山、FWアレックス・ミネイロ、柳沢の4−4−2か。広島は予想が難しいが、GK下田崇、DF森崎和、戸田、ダハツ、右サイド・李、左サイド・服部公太、ボランチ・中里、青山、攻撃的MF森崎浩司、FW佐藤、ウェズレイの3−5−2が有力だ。
26日の鹿嶋地方の天候はくもり、気温は25度前後になる模様。湿度も高く、選手たちにはやや動きにくいコンディションになるだろうが、気持ちのこもった熱心をぜひ見せて欲しい。
以上
2006.08.25 Reported by 元川 悦子
J’s GOALニュース
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