9月23日(土) 2006 J2リーグ戦 第41節
水戸 0 - 1 愛媛 (14:04/笠松/2,369人)
得点者:'41 関根永悟(愛媛)
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ここ数試合、チームとして連動性を見せられなかった水戸だが、序盤から前線の岩舘が激しいチェイシングをかけ、それに連動するように、チーム全体がコンパクトな組織を形成し、愛媛の攻撃を遮断。攻撃でも岩舘とアンデルソンが縦の関係を築き、やや下がり目の位置でアンデルソンがボールを受けることで得意のドリブルのスペースをつくることができるようになり、愛媛陣内で何度も鋭い突破を見せてチャンスをつくり、前半は水戸の一方的な展開となった。
11分には愛媛DFのパスミスを奪った岩舘がミドルシュート。20分にも中央で椎原、アンデルソン、岩舘が細かくつなぎ、最後は岩舘がシュート。そして、37分にも椎原から左サイドの眞行寺に展開され、そこからの折り返しをアンデルソンが合わせるなど決定機の山をつくったものの、いかんせんシュートが枠に飛ばず。チャンスを逃し続けて勝てるほど、勝負は甘くなかった。41分、愛媛がDFラインから前線にロングボールを入れる。そのボールを河野がヘディングで跳ね返そうとした時、GK武田が中途半端な飛び出しを見せ、ゴールマウスはがら空きに。河野のヘディングのこぼれ球を関根が落ち着いて無人のゴールに流し込み、これまでチャンスをつくれなかった愛媛が水戸のミスを突いて先制点を挙げた。
それまで「70%くらいやろうとしたことができた」(前田監督)水戸だったが、そこから課題が噴出する。「勝っているのに無理して出て行く必要はない」(望月監督)ということで全員が自陣に引いて守備に専念する愛媛に対し、「引いた相手を崩す手がない」(吉本)水戸はこれまでの自分たちをまるで鏡で見るような状況に陥り、集中力を欠いたミスが続出し出す。ここでこそ、第3クールで培った『自分たちで展開するサッカー』の見せ所だったが、引いた愛媛を前に沈黙が続いた。
そして、選手交代で流れを変えたかったものの、これまで的確な勝負の勘を見せていた前田監督の采配もこの日は『らしさ』を欠いた。58分にFW岡本投入で活路を見出そうとするが、引いた愛媛DFに対し、唯一鋭いドリブルで脅威となっていたアンデルソンを左サイドに回してしまうとチャンスすら作れなくなる。「全体的にどうやって攻めるのかが理解できてなかった」(大和田)ため、投入された岡本もピッチの中を右往左往。まるで交代の効果は表れなかった。さらに終盤、大和田を前線に上げ、パワープレーに出るものの、ボールは大和田まで届かず。「やろうとしたことの統一がなかった」と岩舘が振り返るように、前田監督が手を加えれば加えるほど、チームは混乱に陥って行った。「(水戸が)3トップにしてきて楽になった」(高萩)愛媛は水戸が自滅していくのを待つだけだった。
「チームがバラバラなんですよ。みんな言いたいことを言い出して1つになれていない。うまくいっている時は気持ちよくやれるのに、勝てないとネガティブなことを言い合ってしまう。自分たちでムードを壊している部分があります。全員が一つになれていない。もっとコミュニケーションが大事。みんなの気持ちを一つにして戦っていきたい」という大和田のコメントを聞くまでもなく、この日の試合を見た人なら閉塞したチームの状況を感じられたはずだ。流れの良かった前半は伸び伸びプレーしたものの、失点を喫してからはミスの連続。集中力の欠如は顕著だった。だが、悪い流れの時こそ、チームが1つにならないといけないのではないか。それができないチームはまさに危機的状況にあると言っていいだろう。
「僕や時崎が先頭に立ってチームを引っ張っていきたい」とキャプテン吉本が気丈に語ったが、彼らだけにまかせていいものだろうか。水戸駅前を歩けば、サポーターたちが商店街を1軒1軒歩いて配ったポスターがたくさん見られる。そこには22〜25歳の選手たちの姿があり、そして『俺たちに任せろ!』と強気な言葉が書いてある。今こそ、09年の昇格を目指すチームの中心となるべき彼らが今こそチームを引っ張らなければならないのである。誰かを頼るわけではなく、そして周囲を鼓舞しながら、立ち上がってほしい。中3日で迫る柏戦、昇格争いをする柏に対し、水戸は失うものは何もないはず。この苦境を乗り越えてこそ、真の強さを手に入れることができるはずだ。下を向いている暇などない。
水戸の自滅により、勝点3を手に入れた愛媛。90分通してほとんどチャンスはつくれなかったが、押し込まれる展開の中で「バランスを崩さず、無失点で勝てたのはチームの成長」だと高萩は胸を張る。今季の目標だった10勝をマークし、さらには「将来の愛媛のエースになってほしい」と望月監督が期待を込める16歳の強化指定選手・川又をテストするなど、有意義な試合となった。勝ち点差は5。10位水戸も視界に捉えた。
以上
2006.09.23 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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