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【第86回天皇杯:徳島 vs 宮崎産経大レポート】決定力の差が勝敗を決めた。8月以来の公式戦勝利で徳島が4回戦へ。(06.10.08)

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第86回天皇杯 全日本サッカー選手権大会 3回戦
徳島 4-1 宮崎産経大(831人/徳島)
得点者:3' 片岡功二(徳島)、15' 玉乃淳(徳島)、20' 牧本泰山(宮崎産経大)、55' 羽地登志晃(徳島)、71' 小林康剛(徳島)
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つくづく、サッカーとは点取り合戦だと思った試合であった。シュート数、徳島14に対し、宮崎産経大12。決定機の数もほぼ同数。内容的にも互角の展開ながら、結果は4-1と徳島の完勝。元広島のストライカーとしてステージ優勝も経験している宮崎産経大・笛監督が「(サッカーで)生活しているだけあって、決定力が違った」と振り返ったように、ゴール前での差は明らかだった。

ただ、宮崎産経大に勝つチャンスがなかったわけではない。1点差で迎えた後半の立ち上がりだった。風上に立つと、やや緩慢な動きが目立った徳島DF陣のウラを立て続けに突破。GKと1対1となる絶好機を迎えるなど、約10分間、怒涛の攻めをみせながら、ゴールを破ることはできなかった。「あそこで決めていれば流れは変わったのに」と田上主将が悔やんでもあとの祭り。逆に後半10分、羽地に一瞬のスキを突かれ、3点目を献上。勝敗の大勢は決まった。

徳島がプロらしさを見せたのは、風上に立ったキックオフ直後。3分、片岡がハーフェラインあたりから左サイドを強引にドリブルで持ち込み、そのまま豪快にシュート。さらに15分には小林のポストプレーから玉乃が、これまた豪快にネット揺らし2点を先制したことが、のちのち大きく響いた。それまでプロのスピードに馴れず、後手を踏んでいた宮崎産経大もその5分後に、FKから元京都の牧本が1点を返し、ようやく自分たちの実力を発揮し始めただけに、開始直後の2失点がやはり悔やまれる。

9月末に就任したばかりの徳島・東監督にとって公式戦2戦目にして初勝利。「どういう形であれ、得点を取って勝ちたかったので、勝てて正直ホッとした」というコメントも本音だろう。ただ、決して褒められる内容ではなかったことも事実。特にビルドアップする際、自陣のバイタルエリア付近で何でもないミスを多発。カウンターから危ない場面を何度も演出してしまっていた。これには、東監督も「攻めている時でも守備のことを考えて、ポジションを取らなければいけないのに休んでいる選手が多い」と反省しきり。

また、3バックから後半途中に4バックに変更したDFラインも細かいラインコントロールはほぼ皆無。相手FWに対して、数的優位もあまり作れないなど、組織的な守備はほとんど見られず。「今日は相手のミスで助かったが、Jチーム相手だとやられてしまう」と東監督が語るように、守備面を改善しなければ、J1勢と対戦する4回戦以降勝ち進むことは難しくなってくるだろう。

いずれにせよ、徳島にとって唯一の収穫は、8月19日、リーグ戦の湘南戦で勝って以来、10試合ぶりとなる公式戦白星か。4得点も今年初。J2リーグ戦最下位と、負けグセがつき始めているチームだけに、勝利が何よりの良薬になるだろう。浮上のキッカケとしたい。

以上

2006.10.08 Reported by 木下博之
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