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【第86回天皇杯:東京V vs 栃木レポート】東京V、JFL・栃木に敗戦。天皇杯3回戦で早くも姿を消す。(06.10.08)

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第86回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦
東京V 0-1 栃木(3,023人/味スタ)
得点者:60' 吉田賢太郎(栃木)
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東京VがJFL・栃木に0−1で敗れ、早くも天皇杯から姿を消した。毎年繰り返される天皇杯での「番狂わせ」。それが、この試合でも起こった。

入場者数は3,023人と空席が目立つものの、それを感じさせないような熱気がスタジアムを覆っていた。いつものように懸命に応援コールを送る東京Vサポーターの存在はもちろん、それに対峙する栃木サポーターの声。ゴール裏のみならず、メインスタンド、バックスタンド側にも黄色いユニフォームを着込んだサポーターの姿が目立つ。
「天皇杯の組み合わせが決まってから、この試合が本当に楽しみでした」。栃木・MF堀田の言葉は、チーム、サポーター全員の気持ち。J2チームの中でも名門と呼ばれる東京Vを下して4回戦進出、という確固たる目標を胸に、この試合に挑んできた。

当然、東京Vも勝ちにいった。「天皇杯でJ1チームとやりたい。そこで勝つことが来年に繋がる」というラモス監督の思いが、リーグ戦とほぼ変わらぬ先発メンバーに如実に表れている。更に昨日は「一発勝負の恐さ」についても、自分の経験談を交えながら選手に自覚させたそうだ。しかし試合後、ラモス監督は自嘲気味に「前半で負けが決まった」と振り返ることになる。

「正直、ショックで悲しかった」とラモス監督が言う前半。この日、栃木はいつもの3バックではなく、4バックを採用した。「格上チームを相手に、まずはしっかりスペースを埋めていくのが狙いでした」と栃木・高橋監督。両SBは殆ど上がることは無く、ラインも低く保つ。「4人で攻めて、7人で守ろうという意識(高橋監督)」を徹底してきたそうだが、4人の選手が守備を免除されたわけではなく、前線からのプレスはしっかりと効いていた。

一方、東京Vは「1人1人がボールを持ちすぎた」とDF萩村。「自分たちが格上だという意識があったのかもしれない。1タッチ2タッチで攻めていかず、崩しきってからシュートを打とう、という感じだった」。時間をかけている間に、激しくプレスをかけにくる栃木に再三中盤でボールを奪われる。そして奪った後は素早くスペースに放り込む栃木に、東京Vが慌てる、という展開。「守って、早い攻め」というコンセプトを明確に打ち出す栃木のサッカーに、まさに東京Vが「はまっていった(MF根占)」のだ。

とはいえ、栃木にもチャンスはそう多くあったわけではない。栃木が放ったシュートは5本、東京Vは4本。前半は結局、0−0で折り返すことになる。

ハーフタイム、ラモス監督は「ボランチがサイドに開いて両サイドを使っていこう」と指示。実際サイドが使えるようになった後半は、立ち上がりからマルクスやシウバもシュートを放ち、東京Vがゴール前に攻め込む時間は確実に増えていた。が、60分、変わらず早い攻めを見せる栃木が、ついに悲願の先制点を手にし試合は動く。CKのチャンスに、MF山田が入れたボールDF山崎の頭を経由して、FW吉田へ。これを吉田が頭で押し込み、ゴールを奪った。

『前半をゼロで抑えて、後半にセットプレーから得点』。栃木にとってはプラン通りの試合展開。東京Vにとっては残り30分、1点を返すには充分な時間だが、我慢を重ねてようやく流れを掴みかけた時の失点のダメージは大きかった。

その後、思い切って仕掛けていくFW平本が入ったことで、チャンスは増えた。前がかりになることで、カウンターからの追加点を虎視眈々と狙う栃木にも機会が生じるリスクはあったが、それでも「1−1にする為に攻めて0−3になってもそれは仕方がないこと」と、ラモス監督は最後まで攻め続けた。

東京Vの勢いに押され、最後の10分間ほどは栃木も防戦一方の状態。だが、40分には萩村のシュートが、試合終了間際にはマルクスのシュートがポスト直撃と運にも見放された東京Vは結局ノーゴール。
待ちに待った試合終了の笛が鳴った瞬間、全員が立ち上がって試合を見守っていた栃木ベンチの中、そしてピッチでは至るところで歓喜の抱擁が繰り返された。

以上

2006.10.08 Reported by 高木聖佳
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