第86回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦
神戸 2-4 YKK AP(富山)
得点者:'20 牛鼻健(YKK AP)、'25 北野翔(神戸)、'38 岸田裕樹(YKK AP)、'62 平瀬智行(神戸)、'85 長谷川満(YKK AP)、'87 牛鼻健(YKK AP)
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富山の地で行われた天皇杯3回戦『ヴィッセル神戸vsYKKAP』。リーグ戦とほぼ同様のメンバーで挑んだYKKに対し、神戸は大幅にメンバーを入れ替えて臨む。4-3-3の布陣は、GK徳重、4バックを右から丹羽、小林、柳川、有村が預かり、中盤は右から中村、遠藤、ガブリエル。3トップは右から北野、平瀬、レアンドロといった配置。その名前を見ての通り、普段J2リーグでは殆ど出場チャンスの少ない選手が先発を飾り、格下とされるJFLのYKKにどう対峙するかに注目が集まった。特にこの天皇杯は毎年『波乱」が起きる大会。過去にも、J2チームがJ1チームから、JFLチームがJ2チームから、そして時には、大学生がJ1チームから大金星を得るのを見てきただけに、そうした波乱が起きないかが、心配だった。
だが、その不安は的中してしまう。立ち上がりからしっかりと前線からの圧力をかけ、ボールを奪ってからの速い展開でゴールに詰め寄るYKKに神戸は翻弄されてしまう。しかも20分、YKKのMF牛鼻にスーパーゴールを決められ先制されてからは、より、それが顕著に。その5分後の25分には神戸FW北野のゴールが突き刺さり同点に追いつくが、今ひとつ、いつものようにパスを繋いで前線に詰め寄る攻撃力を示せず。リズムを見いだしきれない。そんな中で、相変わらずピッチ上の11人がチーム戦術を徹底しながら、かつ個々の持ち味を発揮して、集中したパフォーマンスを示し続けるYKKは、38分にも元神戸のFW岸田がFW長谷川の左からのグランダーのパスを押し込んで追加点。再び神戸を突き放し、前半を1−2で終える。
1点を追いかける展開の中、神戸はハーフタイムでいくつかの確認を行って試合を迎える。松田監督の言葉を借りるなら「もっとアグレッシブにいこうということ。うちの3トップに対して相手も前半同様の3バックできた場合、前の3人がもう少し広がって中を薄くして、そこに2列目の選手が飛び込んでいくこと。相手が守備を固めてきたらサイドバックを利用してサイドを攻撃の起点にして攻めること」。加えてルーズになっていたセットプレーのマークの確認を行って、逆転を目論んだ神戸だったが、そうした約束事は、残念ながら殆どピッチ上で見られない。むしろ、YKKがリズムを失う時間が増え、全体が下がり気味になって5バック気味の守備を敷いてきた中でも、それを揺さぶって攻撃の形を作るというよりは、前線をめがけて苦し紛れのロングボールを放り込むばかり。62分にはFW平瀬のゴールで同点に追いつくものの、「バスの出し手と受け手がどこか噛み合っていなかった」と最後尾を預かったGK徳重が振り返ったように、どこかチグハグな攻撃が続く。
これに対しYKKは前半ほどの勢いは見られなくなったものの、虎視眈々とカウンターからのチャンスを伺い続ける中85分、FW長谷川が追加点。更に消沈した神戸を尻目に86分にもMF牛鼻が神戸の息の根を止める追加点を奪い2−4。立て続けの追加点で一気に試合を決め、4回戦への切符をものにした。
試合後「選手たちはしっかりと気持ちを見せ、相手に対峙してくれた。選手たちに感謝している」とYKK楚輪監督。その言葉にもあるようにリズムを掴んだ時間帯も、そうでない時間帯も、終始、YKKの選手たちの気迫がピッチから伝わってくる一戦。それに対し神戸はメンバーを落としたとはいえ、あまりにも伝わってくるものが感じられない戦いぶりだった。
以上
2006.10.08 Reported by 高村美砂
J’s GOALニュース
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