11月11日(土) 2006 J2リーグ戦 第48節
札幌 1 - 1 愛媛 (14:04/札幌ド/13,493人)
得点者:'58 加賀健一(札幌)、'62 田中俊也(愛媛)
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前半は札幌が主導権を握り、後半は愛媛が押し込む。「前半はどうなることかと思った」と愛媛・望月監督が言えば、「後半の25分過ぎから10分間、なんとか耐えられた」と札幌・柳下監督が振り返る。放ったシュートは互いに14本ずつ。そうしたことを考えれば、1−1のスコアでの引き分けは極めてフェアな結果だと言っていい。
「引き分けられてラッキーだった」と望月監督は言うが、決してそんなことはない。たしかに立ち上がりはテクニックのある西谷、キープ力のあるフッキに持ち込まれて札幌に主導権を与えていた。だけれど、後半に愛媛が見せたサッカーは明らかに札幌を圧倒していた。「フィジカル的にもメンタル的にも、しんどい状況」と柳下監督が言うように、3日前に天皇杯4回戦の千葉戦を敵地で戦ったばかりの札幌が後半に運動量を落としたこともあるが、それを差し引いたとしても愛媛はアグレッシブなパスサッカーを見せた。攻守の絶対的なキーマンである守備的MF高萩を出場停止で欠きながらも、素早い動き出しで相手のマークを引きつけ、そうして生まれたスペースを使ってテンポ良いパスワークで札幌を翻弄してみせたのだ。58分にセットプレーから先制点を奪われるも、直後の62分に田中が同点ゴールを決めてリズムを逃がさなかった。
注視すべきは、愛媛の蹴るクロスボールだ。決して精度が高いわけではないが、ボールの位置やタイミングをズラしたり、カーブをかけて蹴ることで札幌守備陣のブロックをうまくかいくぐって数多くのクロスを中央へ送り続けた。精度は高くないため決定的なチャンスにはならないが、それでも、クロスが何本も入ってくる状況では札幌はなかなかラインを高く保つことができない。そうした要素もまた、後半に愛媛がペースを掴む要因となった。
ゲーム全体を総括すれば、テクニカルな好ゲームだったと言える。前半は札幌、後半は愛媛と主導権の移り変わりこそ大まかだったが、その中で両チームがしっかりと狙いを持って相手の守備を崩そうとするサッカーを見せた。札幌も愛媛も目指しているのはしっかりとボールを動かすサッカー。こうした部分は見る人の好みにもよるのだが、双方の志向がしっかり表現されていたことを考えれば、充分に評価できる試合内容だろう。警告が出された場面も1度だけだった。
柳下監督も、望月監督も互いに相手を「いいチームだ」と褒め称えた。どちらにも同じくらい勝つチャンスがあっただけに、応援するサポーターにとっては悔しい試合だったかもしれない。だが、J2で7位のチームと9位のチームが、攻撃意図の感じられるテクニカルなゲームを演じたのである。それも札幌が砂川、大塚という経験豊富な選手を、愛媛が高萩という主軸を欠く状況でだ。そうしたことを踏まえれば、来季以降に向けて前向きな気持ちになれる試合だったと感じてしまう。
以上
2006.11.11 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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