11月11日(土) 2006 J1リーグ戦 第30節
清水 1 - 1 大宮 (15:04/日本平/9,079人)
得点者:'23 マルキーニョス(清水)、'58 小林大悟(大宮)
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「どちらも同じような戦術を志向するチーム」(三浦監督)というオレンジ軍団同士の対戦は、お互いに持ち味を発揮した末に1-1のドロー。内容的にも締まりのある好ゲームだったが、終了後は両チームとも勝てなかった悔しさが強く残った。
小雨が降り続く日本平に対峙した清水と大宮は、中盤もほぼ同じ形の4-4-2で、どちらも組織的な守備をベースに戦うチーム。立ち上がりこそ、少し清水のミスが目立って大宮が押し気味になったが、その後はどちらも持ち味の安定した守りを見せて簡単にチャンスを与えない。だからといって両チームとも守備的なサッカーをしたわけではなく、サイド攻撃を中心に攻めの姿勢を見せたが、コンパクトで容易にスペースを与えない両チームの守備力が、それを上回った。
そんな拮抗した展開の中、突破口を開いたのは非常に精度の高い攻撃だった。23分、右サイドに開いたボランチの伊東が、一瞬前線のマルキーニョスと目を合わせてアーリークロス。きれいなカーブを描いてニアサイドのGKとDFの間に入ったボールにマルキーニョスが頭から飛びこみ、ゴールネットを揺らした。まさにピンポイント爆撃と言えるような攻撃で、清水がワンチャンスから先制点を奪った。
ただ、大宮もこれで慌てることはなく、冷静に自分たちのサッカーを続けたため、試合展開はその後も変わらない。37分には、大宮の久永がゴール前に抜け出したところで倒され、あわやPKかという場面もあったが、前半は1-0のまま終了。ハーフタイムのコメントで両監督とも「悪くない」という言葉を使ったように、どちらもチームのバランスが良く、集中力の高いサッカーを見せた。
後半に入ると、1点ビハインドの大宮が立ち上がりから攻勢をかけ、清水の守備を押しこんでいく。一方、清水のほうは枝村が前半で左足首を痛め、後半は様子を見ながらのスタートとなったが、すぐにプレーが難しい状態になってしまう。それもあってセカンドボールがなかなか拾えず、大宮に主導権を渡す展開になった。
長谷川監督は急きょ枝村に代えて同期の岩下をボランチに入れ(6分)、三浦監督はこの流れを見て、長身FW若林を左SBの冨田に代えて11分に投入。久永を左SBに下げて、トップの小林大を中盤の右に回し、若林を前線に入れてより攻撃的な形にシフトチェンジした。
その直後のセットプレーのこぼれ球を、若林がペナルティエリア右端で拾ったところで岩下が後ろから倒してしまい、主審はPKを宣告。これを小林大が決めて(13分)、大宮が同点に追いつくことに成功した。
さらに、その直後の14分にはマルキーニョスが裏に飛び出して倒れたところでシミュレーションをとられ、この試合2枚目のイエローカードを受けて退場。清水が10人で残り30分以上を戦うことになった。これで完全に大宮が優位に立ち、激しく攻勢をかける。27分にはスピード系の切り札・橋本を投入し、サイドからのクロスが何度も清水のゴール前に入った。
しかし、ゴール前では清水の守備陣が集中力の高い守りを見せ、34分(アリソンのヘッド)と36分(橋本のシュート)の決定機では、守護神・西部がスーパーセーブでチームを救う。36分には、アリソンに代わって森田が入り、大宮の前線は2人とも188cmのツインタワーに。だが、ここにクロスが入っても、清水のセンターバック高木和と青山が抜群の強さを発揮して決定的なシュートを打たせない。
大宮はサイド攻撃という持ち味を発揮したが、清水もゴール前の強さという持ち味でそれを跳ね返す。このところ調子を落としていた青山も、吹っ切れたように集中したプレーを見せ、彼らしさを取り戻した。
もちろん1人少ない清水も、今季リーグ戦初出場の太田を投入するなどしてホームで勝ち点3を取りにいったが、大宮の守りも乱れを見せない。結果的には、後半のシュート数は大宮が10本、清水が1本と大きな差が出たが、お互いに最後まで勝利をあきらめずに気持ちの入ったプレーを見せ、ロスタイムでも激しく攻め合った末に1-1のままタイムアップ。どちらも勝ち点3がどうしても欲しかったが、その思いは実らなかった。
それでも大宮のほうは、16位・福岡との勝ち点差が10に開き、あとひとつ勝てば残留が確定する。サッカーの内容も良くなり、残り4試合でどれだけ順位を上げられるかという楽しみが見えてきた。
一方、ここ5試合勝利のない清水は、守備面で良い手応えはあったものの、わずかに残っていた優勝の可能性が消滅。枝村のケガで台所事情の心配が増し、5位・磐田、6位・鹿島との勝ち点差は2に接近。残り4試合が、今年の真価を問われる戦いになる。
以上
2006.11.11 Reported by 前島 芳雄
J’s GOALニュース
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