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【J1:第32節 鹿島 vs 新潟 レポート】シーズン終盤戦で3連勝。天皇杯に向け、本気モードになってきた鹿島。新潟は痛い大敗。(06.11.23)

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11月23日(木) 2006 J1リーグ戦 第32節
鹿島 5 - 1 新潟 (15:00/カシマ/12,178人)
得点者:'35 田代有三(鹿島)、'38 アレックスミネイロ(鹿島)、'45 本間勲(新潟)、'62 新井場徹(鹿島)、'64 ファビオサントス(鹿島)、'66 オウンゴ−ル(鹿島)
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「選手たちはナビスコカップ決勝で敗れたことから気持ちの切り替えがきちんとできている。加えて、他チームの疲労が溜まっている中、鹿島の選手たちはコンディションがいい。ここへきて安定した力を出せるようになってきた」と鹿島アントラーズのパウロアウトゥオリ監督は前向きにコメントした。

 やや皮肉なことだが、11月3日のヤマザキナビスコカップ決勝で敗れてから、一気に調子を上げてきた鹿島。天皇杯4回戦・ホンダFC戦を皮切りに、ガンバ大阪、大宮アルディージャと立て続けに撃破し迎えた今日23日のアルビレックス新潟戦も快勝した。アレックス・ミネイロと田代有三の両ストライカーがそろい踏みし、新井場徹にファビオ・サントスがゴール。さらにオウンゴールも加わり、終わってみれば大量5得点の白星。残された唯一のタイトル・天皇杯獲得に向け、彼らはエンジン全開だ。

 2006年J1も残り3試合。勝ち点52で6位に位置する鹿島は23日、ホーム・カシマスタジアムに勝ち点42の8位・アルビレックス新潟を迎えた。この日の鹿嶋は今にも雨が降りそうな曇り空。気温は13度と予想ほどは下がらなかったが、鹿島灘から吹き付ける強風のため、体感温度は著しく低かった。

 そんなコンディションだが、連勝中の鹿島にとっては関係ない。この日は10月末からAFC・U−19アジアユース選手権でインドに遠征していた内田篤人がほぼ1ヶ月ぶりに先発に戻ってきた。その間、右サイドバックを担っていた新井場が本来の左サイドバックに回り、ファビオ・サントスが左MFに入った。右足首を痛めている岩政大樹は今回も欠場を余儀なくされた。また、2日前のU−21日韓戦に先発出場した増田誓志は控えに回り、ボランチには中後雅喜と野沢拓也が入る。そして2トップは現在絶好調のアレックス・ミネイロと田代だ。一方の新潟も鹿島と同じ4−4−2。増田同様、韓国戦に出場した千葉和彦はベンチスタートとなった。鹿島にとってはボランチ・シルビーニョ、左MFファビーニョ、FWエジミウソンのブラジル人トリオの動きに要注意だ。

 立ち上がりは新潟がいい入りを見せる。右の鈴木慎吾と松下年宏の連携、ファビーニョとエジミウソンの流動的なポジショニングでサイドから起点を作った。鈴木やエジミウソンが鋭い飛び出しを見せるなど、序盤は鹿島守備陣をひやっとする場面があった。しかし徐々にボールを支配。得意のパス回しから攻撃のリズムを作る。中盤の構成力は明らかに鹿島が上だった。

 そして33分、最初のビッグチャンスが訪れる。左からのクロスに飛び込んだ本山がゴール前で完全フリーになったのだ。「当てるだけで入ると思った」と本人もいうほどの決定機だったが、彼のヘッドはGK北野貴之に弾かれる。こぼれ球を拾った本山は再びシュートを放つが、北野がキャッチ。鹿島は千載一遇のチャンスを逃してしまう。

 これで新潟にリズムが行くかと思われたが、逆に本山の決定機が大量得点の呼び水となる。その2分後、左サイドに開いた本山からのクロスをアレックス・ミネイロが中央で流し、そこに飛び込んだ田代がダイビングヘッド。豪快に先制ゴールを奪った。この3分後には野沢のクロスに合わせた中央に動いたアレックス・ミネイロがフリーで右足シュート。2点目を挙げる。新潟守備陣にとってはほんの一瞬、作ってしまったゴール前の穴に飛び込まれた格好だ。鹿島らしい老獪な攻めで前半は2−0で折り返す。

 このまま終われない新潟・鈴木淳監督は後半からシルビーニョに代えて本間勲を起用。その彼が開始早々にいきなり1点を挙げる。キックオフと同時に前線に走りこんだ鈴木の動きに惑わされた鹿島守備陣が中途半端なクリアをしたボールを拾い、彼は思い切りミドルシュートを打ったのだ。この1点で新潟には「まだ行ける」というポジティブな空気が流れたはずだった。

 けれども、今の鹿島は常勝軍団と呼ばれた時代の勝負強さを発揮できるチーム。後半17分には左サイドを思いきり攻めあがった新井場が強烈なミドルシュートを決め、勝負を決める3点目をゲットした。本来のポジションに戻った彼は水を得た魚のようにイキイキしていた。その直後には右の内田からのクロスに呼応してファーサイドに走りこんだファビオ・サントスが4点目を奪う。さらに2分後にはオウンゴールまで飛び出し、鹿島は5−1で大量リードすることになった。

 鈴木監督はそれでも諦めず、アジアユースで活躍した河原和寿や田中亜土夢らフレッシュな選手たちを投入し、1点でも取ろうと必死にボールを追った。が、「今日の攻撃は単発ばかりで、工夫が足りなかった」と鈴木も反省するように、新潟は決め手を欠く。しまいにはエース・エジミウソンが2枚目の警告をもらって退場。ちょうど1年前、同じカシマで2−7で大敗した時の悪夢が蘇ってくるような苦い大敗を喫してしまった。

 鹿島は確実に勝ち点3を伸ばし、天皇杯に向けて自信を深めた。「ナビスコとリーグ戦を落とした分、必ず天皇杯を獲るという強い気持ちで戦っている」と新井場も言う。今の彼らはシーズン終盤の疲れを全く感じさせない。この調子で行けば、その悲願達成も十分可能だろう。対する新潟は順位を3つ落とし11位に後退してしまった。残り2試合、何とか踏みとどまりたいところだ。

以上

2006.11.22 Reported by 元川 悦子
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