11月26日(日) 2006 J1リーグ戦 第33節
広島 2 - 1 新潟 (14:02/広島ビ/11,214人)
得点者:'14 駒野友一(広島)、'64 矢野貴章(新潟)、'89 佐藤寿人(広島)
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「どうして、寿人は左サイドにばかり張っているんだろう」
試合中、ずっと不思議に思っていた。佐藤寿人と言えば、常にゴールに向かって最短距離を見つめ続ける典型的なストライカー。ペトロヴィッチ監督からも「ゴールを決めるのが寿人の仕事」と言われているゴールハンターだ。
当然、いつもの彼なら中央に張って、サイドからのクロスを呼び込んでいく。しかし、この日の佐藤寿は、左サイドに開いて服部公太とのコンビでチャンスをつくることを考えていた。それは、いつもは前線でボールをため、起点をつくってくれるウェズレイがいないことが、大きく影響していた。
彼のかわりに出場していた前田俊介は、アイディアにあふれるプレーとドリブルが武器。しかし、ポストプレーは得意ではなく、周りをうまく使ってチャンスをつくることにも、まだ長けていない。そこで佐藤寿は、サイドに開いてそこで起点をつくることを考えた。佐藤寿にしても、ウェズレイのようにボールを受けてキープする仕事は得意ではない。だから、プレッシャーの少ないサイドでボールを受け、そこでチャンスをつくることで前田俊介の高い得点力を活かそうと考えたのだ。
「自分が点をとって勝つ」
ストライカーとはそう考えがちであり、逆にそういう思想のないストライカーなど、つまらない。しかし、点をとるのはストライカー一人ではできないもの。組み立てのパスを出したり、相手のマークを引きつけたりなど、目立たない献身的な仕事をする選手がいるからこそ、ゴールという「奇跡」は生まれるのだ。
「誰が点をとっても1点は1点。僕がとっても誰がとっても、勝てば嬉しいものですよ」
得点王争いの渦中にある佐藤寿(33節終了時点で4位)は、個人のゴール数に対する質問を受けるたびにこう答えた。もちろん「生粋のストライカー」佐藤寿にとって、誰よりもゴールに対する渇望は強い。だが、それよりも彼は、勝利に対する欲望が勝る。かつて仙台でJ2降格を経験し、J1昇格を目指して闘いながら想いを果たせなかった彼にとっては「チームの勝利なくして得点の喜びなし」。今季、広島が低迷している時に孤軍奮闘して得点を量産している時も、佐藤寿に得点に対する笑顔はなかったのだ。
だから、今日の試合で彼が「チャンスメーカー」の役割を果たそうとしたのは、あくまでチームのため。ウェズレイがいない中でどうすれば勝てるか、そこを考えた上での選択だった。そしてその選択は、先制点となって実を結ぶ。
左サイドでボールをキープし、前田俊介と服部公太との3人の関係をつくり、そこから服部の突破を引き出した。服部のクロスに対し、右サイドの駒野友一が中に飛び込む。ペトロヴィッチ監督がずっと練習してきた形で得点を奪ったのだが、そのお膳立てをしたのは、エースの佐藤寿だったのだ。
その後、新潟の猛攻にさらされ広島は同点に追いつかれる。が、77分に前田から大木勉に交代したことで、佐藤寿の「ストライカー」の本能に火がついた。万能FWの大木が足下でボールを受け、そこでタメをつくることで広島の攻撃がスムーズになる。そのため、それまで「チャンスをつくる側」に回っていた佐藤寿が、本来の「チャンスを決める側」になることを決意できたのだ。
ロスタイム、駒野友一の素晴らしいクロスが、GKとDFの間に入る。そこにトップ下の桑田慎一朗が飛びこむ。ニアに入るつもりだった佐藤寿は、この桑田の動きを見て「抜け出たところだ」と走るコースを変えた。さすがの嗅覚。ボールは、彼の読みどおり、桑田とDFが絡んだその横からこぼれてきたのである。
佐藤寿人、今季18得点目のゴール。昨年の記録に、あと1試合を残して並んだのだ。しかもこのゴールは、左足の甲の骨がはがれた状態をおして、チームのために走り回った結果生まれたもの。こんな彼を「広島のエース」と呼ばずして、誰を呼ぶ。
新潟は、ボール支配率も攻撃の回数も、明らかに広島を上回った。しかし、攻撃のアイディアを欠き、押し込みながらも決定的なチャンスをつくれない。唯一の得点はカウンターから生まれたが、その後は広島の強固なブロックを崩せぬまま、最後は佐藤寿人の献身の前に屈した。この結果、広島は5連勝を達成し9位に浮上、賞金圏内の7位に望みをつないだ。一方の新潟は12位に後退し、目標の7位到達は不可能になった。「ポゼッションもできたし、アグレッシブにやれた」と語る鈴木監督だが、その「いい攻撃」を得点や勝利に結びつけるためには、もう一つの積み上げが必要となるだろう。
以上
2006.11.26 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第33節 広島 vs 新潟 レポート】エースとしてチームのために何をするべきか。佐藤寿人の献身が、広島の5連勝を導く。(06.11.26)
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