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【J1:第34節 福岡 vs 甲府 レポート】手に入れたJ1・J2入れ替え戦への切符。狙い通りの展開で福岡がC大阪を抜いて16位へ(06.12.02)

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12月2日(土) 2006 J1リーグ戦 第34節
福岡 1 - 1 甲府 (14:04/博多球/14,703人)
得点者:'47 保坂一成(甲府)、'68 佐伯直哉(福岡)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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試合開始と同時に大きな声で歌い続けるサポーターの声が一段と大きくなる。その歌声を力に変えて、11人の選手たちが必死にボールを追い続ける。残留争いのライバルであるC大阪は、この時点で川崎Fに2点のビハインド。このまま終わればJ1・J2入れ替え戦への切符を手に入れられる。誰もが祈るような気持ちで、誰もが自分の手で権利を掴み取る気持ちで戦っていた。そしてロスタイムの3分間が経過。高々と上がる両手と大きく響くホイッスル。この瞬間、福岡は入れ替え戦への切符を手に入れた。

「終わったときに勝っていることが重要。最終的に1-0で終われればいい」。前日の練習後、川勝良一監督(福岡)は、そう話していた。甲府戦での狙いは相手を無失点で抑えること。そして少ないチャンスをものにすること。それは、福岡の本来のスタイルである「堅守速攻」を貫くことだった。入れ替え戦への出場権は残留争いのライバルであるC大阪の結果次第。アドバンテージは、福岡を勝点1リードするC大阪にある。しかし、最終戦に勝負を持ち込んだ選手たちの表情に迷いはない。

前線からのプレッシャーでパスコースを限定し、中盤に形成した守備ブロックで甲府のパスワークを寸断。DFラインの裏へ出される長いボールは、宮本亨が的確なカバーリングを見せて拾っていく。そして、奪ったボールをシンプルに前へ展開。布部のポストプレーから、飯尾一慶、薮田光教、久藤清一らが前に向かって飛び出していく。甲府は、そんな福岡の術中にはまる。「ボールが前に入らない。そして取られる、押し込まれる」(大木武監督・甲府)。甲府の放ったシュートはわずかに1本。前半は福岡の狙い通りの展開だった。

ところが、先制点を挙げたのは甲府だった。時間は47分。中盤のポジションチェンジを多用するパスワークから左サイドを突破。茂原岳人のクロスをバレーが頭で落とすと、そこにいたのは保坂一成。右足を振り抜いて福岡のゴールネットを揺らす。慎重に入りすぎたのか、福岡の守備組織が下がった隙を突いての得点だった。ここからリズムは甲府へ。3トップの動きすぎを修正し、そこへ当てて中盤が中へ割って入っていくことで、本来のリズムを取り戻したからだ。
しかし、福岡も粘りを見せる。自陣内に押し込まれる展開も最後の突破は許さず。押されているようでシュートだけは打たせない。この時点でC大阪が1−2でリードされていることは選手にも伝達済み。それが選手たちの気持ちを後押ししていたのかもしれない。そして57分、甲府・アライールが、この日2枚目のイエローカードを受けて退場処分になると、ここから試合の流れが福岡へと反転。68分、CKのこぼれ球が佐伯直哉の目の前に。迷わず振りぬく右足。クロスバーを直撃したボールが、大きくバウンドしてゴールへと吸い込まれた。

ここから福岡は我慢の時間帯。C大阪の試合経過を確認しながら、慎重に、慎重に試合を進める。この時点でC大阪は1点のビハインド。引き分け狙いに徹するには早すぎる。かといってリスクを背負うことは極力避けたい。様子を窺うようにして、自陣内に引いて甲府の攻撃を跳ね返していく。そんな福岡に対し、10人の甲府はボールを細かく回して、前へ、前へと仕掛ける。福岡にとってはいちばん難しい、いちばん苦しい時間帯。しかし、これを乗り越えてこその入れ替え戦出場。福岡は緩みなくボールを跳ね返し続ける。
77分、福岡は田中佑昌を投入。スピードと前へ出る力で甲府を押し戻した。攻め続けていた甲府の運動量も、この時間を境に大きく落ち、ここからは福岡が試合の主導権を奪い返す。84分、途中交代でベンチに残っていた布部がベンチを飛び出して、C大阪のビハインドが2点に広がったことを伝える。あとは落ち着いてゲームをコントロールすればいいだけだった。終わってみれば甲府のシュートは4本。バレーには1本だけしかシュートを許さなかった。狙い通りの展開と、狙い通りの試合結果。福岡は勝点1とともに、J1・J2入れ替え戦への出場権を得た。

アウェーでの最終戦を引き分けたことで、甲府は最終的に15位で初めてのJ1での戦いを終えた。「探検J1」のスローガンの下、多くのトップチームとの対戦で何を得られたのだろうか。「いい経験をした。それが良かったのか、悪かったのか、僕には分からない。しかし、選手たちは成長した。ただ、その成長がJ1で勝ちきれるところまで行かなかったということ。今後はそこが課題」(大木監督)。自分たちのスタイルを貫いた1年。それは貴重な経験をもたらした。
そして福岡の選手たちは一様にほっとして表情を見せた。しかし、誰も喜びを爆発させる選手はいない。「何も変わっていない。結果が出るまで頑張りたい」(千代反田充)。現在の福岡の目的はJ1残留を果たすこと。いまはまだ、残された1つの席を巡って戦うことを許されただけだ。残された椅子を手に入れる手段はただひとつ。こちらも、自分たちのスタイルを貫き通すことだ。今まで以上にプレッシャーがかかる2試合で、それができるか。ここからが本当の勝負始まりだ。


以上

2006.12.02 Reported by 中倉一志
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