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【J2:第52節 横浜FC vs 愛媛 レポート】横浜FCのJ2最終戦。開幕戦での敗戦の借りを愛媛に返し、優秀の美を飾る。(06.12.02)

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12月2日(土) 2006 J2リーグ戦 第52節
横浜FC 2 - 0 愛媛 (14:04/三ツ沢/11,472人)
得点者:'69 鄭容臺(横浜FC)、'77 アレモン(横浜FC)
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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そこには多くの男たちの様々な涙があった。今日の三ツ沢での一戦は、城の現役最後のゲームでもあり、J2・横浜FCのチャンピオンとして最後の一戦。そして何より、このメンバーで戦う最後の試合でもある。試合後にピッチで行われたセレモニーでは、多くのスタンドのファンはもちろん、そのピッチに立つ選手の目からも涙が溢れているのが印象的だった。

最後に迎える相手は愛媛FC。今季、わずか7回しか負けていない試合のうち、記憶にも鮮明なあの開幕戦での敗戦。その相手は愛媛だった。城も「うちは愛媛に負けて、あそこで足達さんが解任になって…。あの借りをしっかりと返したい。チャンピオンチームらしい試合を…」と話していた。
入場の際、来場者に配られた青い風船。選手入場と同時にこのブルーの風船が空高く舞い上がり、横浜FCのJ2ラストゲームの開始を演出。また、横浜FCの選手たちは全員「9」のユニフォームを着て入場するなど、城の現役最後の試合に向けた彼らの熱い想いを感じずにはいられなかった。

そんな中、試合がキックオフ。横浜FCは多くの見せ場を作りながらも、愛媛の体を張った守りの前に、なかなかゴールを割ることが出来ない。「くさびのボールが入ってビルドアップが出来れば良かったが、真ん中がかたくてなかなかボールが入らなかった(石丸)」という愛媛も、攻撃でのチャンスをなかなか作ることが出来ず、また時折吹く強い風にボールが大きく流される場面も多かった。前半途中には三浦知が相手選手との接触で足を痛め、アレモンと交代したものの、前半はお互い無得点のまま試合を折り返す。

後半に入り、愛媛は豊富な運動量でチャンスを増やしていくも、後半24分、横浜FCに待望の先制点が生まれた。左から崔のFKにゴール前で見事に合わせたのは鄭。鄭の左足で合わせたボールが見事にゴールネットに突き刺さり先制点となった。鄭は「(あのシーンは)自分でもあまり記憶にないというか、空間が止まっていた。自分の足じゃなかった…っていう表現が一番いいかもしれない。打って当たって見たら入っていた。練習でもなかなか出来ないですからね」と、ゴールシーンを振り返った。

その後、滝澤に代わって、久々にアウグストがピッチに登場すると、「チームのバランスとかそういうことを考えて、自分は下がって中盤でプレーすることを考えた」という城。現役最後のラストゲーム。もちろん自らのゴールで現役生活を締めくくりたい気持ちもあっただろう。だが、「それもチームのためというか、今までやってきたことと変わらず、まっとうしなくてはならない」と話し、最後まで城らしく「for the team」を貫いた。そして城のそんなプレーから追加点が生まれる。ゴール前に走るアレモンへ絶妙なクロス。それにしっかり反応したアレモンが見事にゴールネットを揺らし、このまま2−0で愛媛FCを下し、有終の美を飾りシーズンを終えた。

試合終了後はJ2優勝の表彰式、そしてシーズン終了のセレモニーが行われ、多くのファンが最後まで見守った。城は13年間へのプロ生活に充実感を感じながらも、セレモニーでは様々な想いがいっきにこみ上げてきたのか、家族と共に大粒の涙を流し、その涙に、目を赤くする報道陣も少なくなかった。

グラウンドを一周する際、ファンから労いの言葉をかけられると、それを噛み締めるように挨拶をしながらスタジアムを回った。ホームのゴール裏で「サポーターが選ぶ年間MVP賞」に表彰された城は、お立ち台に上り、心からの喜びを爆発させた。城がマイクを持って「ヨー・コー・ハマ!」とコールの声を掛けると、ゴール裏のサポーターのボルテージは最高潮。この城の掛け声にあわせるかのように、ヨコハマコールが鳴り響き、しばらくそれがやむことはなかった。

城は最後に「13年間の思いもあったし、横浜FCという、僕が崖っぷちにいた時に拾ってくれたクラブに対して、そしてサポーターに対しての恩返しが出来たと思うし、そういう気持ちで、今日は全てを出そう…と、そしてチームのために、チームの一員としてやろうと、それを考えてプレーしていたので、こういう形で勝って最後を迎えられて幸せだなと思います。サポーターがいなかったら、今はない。今日は本当に楽しんでサッカーが出来ました。 本当に有難うございました」と頭をさげ、スタジアムに別れを告げた。

この日はJ2最後の、そして城の最後の試合でもあったが、この人にとっても横浜FCでの最後の試合だった。後半34分に内田に代わってピッチに登場した北村。この交代の直後、チャンスを作った北村に対しての判定に、ベンチで戦況を見守っていた高木監督が「目の前にあったボトルを蹴ってしまった(高木監督)」ことにより、審判からの退席処分が出されることとなってしまった。高木監督は「やってしまった行為は自分でわかっているし、悪いというのは分かっている」と振り返ったが、こう続けた。「あれがキタ(北村)じゃなかったら、そこまで抗議はしていなかったと思う」と。

先月の徳島戦(11月23日)の前日、「とにかくチームのために、その時々のチームの状況を見て、時には守りに追われることもあるかもしれないが、とにかくチームが勝てるように頑張りたい」と話してくれた北村の言葉が印象的だった。途中出場が多かった今シーズン、以前は「やはり短い時間でも得点を決めていかなくては」と話していた北村。FWであれば誰しも点を取りたいと思うのは当然のことだろう。しかし「途中からの出場なのであれば、途中からどうチームに貢献できるかを考えて…」と話す北村の中には、「for the team」の精神がより深く根付いたのかな…と感じる瞬間でもあった。

高木監督は「キタだけではないが、今日の試合に関わっている中で言えば、キタは特別な選手だった。思い切ってやってこい…と、キタに決めさせたいという気持ちで出したので、最後花を持たせてやりたかった。」と語った。

北村のみならず、他にも何人かの選手が今季限りでチームを去ることが決まっている。高木監督はここまで共に戦ってきたメンバーとの別れを心の底から惜しみながら「この仲間でやれるのが最後かと思うと、寂しいな…と思うところが正直ある。リーグを戦いきったというのもあるが、欲なのかもしれないが、もっともっとこの選手たちで試合が出来ればな…と。僕は本当にいい選手に巡り会えました」と、一抹の寂しさを表情に浮かべながらスタジアムを後にした。

様々な想いがピッチに交錯しながらも迎えた最終節。それが終わってしまった今、やはり寂しさを感じずにはいられない。ただ、最高の形でこのシーズンが終えられたことは、チームが一丸となって戦ったことでの賜物であり、そこにサポーターの大きな支えがあったことの証でもあるだろう。

最高の締めくくりとなった2006シーズン。J1昇格、そしてJ2優勝をもたらしてくれたチームに、そしてサポーターに、心からのありがとうの感謝を述べたい。そして この勇姿は、一生忘れない。

以上

2006.12.02 Reported by 浅野有香
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