■第85回全国高校サッカー選手権大会
平成18年12月30日(土)〜平成19年1月8日(月・祝)
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2002年。日韓ワールドカップが開催され、日本中がジャパンブルー一色に染まった1年の締めくくりに開幕した81回大会。注目は、79回大会から続く国見の3連覇をどこが阻止するのか、だった。
この時の国見は、中村北斗、平山相太、兵藤慎剛ら超高校級の選手がそろい、まさに王者の風格。そこに死角は見えないかと思われた。成人の日の決勝戦、国見の相手は市立船橋。布啓一郎監督(現・日本サッカー協会技術部)の勇退が決まっていた市立船橋は、大久保裕樹、増嶋竜也、カレン・ロバートと、国見に劣らぬメンバーを擁していた。両者を一目見ようと、国立は5万人を超す大観衆。国見が怒涛のプレスで市立船橋ゴールを脅かせば、市立船橋は大久保らDF陣が大きな声を出し、ゴールにカギをかけた。互いに一歩も譲らない激しい攻防に、大きな歓声、悲鳴、どよめきに包まれていく。そして後半20分。市立船橋・小川佳純が国見DFのクリアボールをダイレクトシュート。約30メートルの距離を一直線にボールは進む。一瞬の静寂。そして、そのスーパーゴールは王者・国見を沈黙させる一撃となった。
国見の猛攻に耐え、最後まで集中を切らさずに守りぬいた市立船橋の戦いは、布監督のラストマッチにふさわしいゲームだった。これまで市立船橋を背負ってきた名将が、最後の国立に舞う。
青で始まり、青で終わった2002年。ワールドカップ自国開催を経て日本代表も日本サッカーも一つの節目を迎えた年。王者が敗れ、一時代を築いた布監督が去り、高校サッカーもまた、生まれ変わることを期待させる。そんな大会だった。
以上
2006.12.13 Reported by 青柳舞子













