●第86回天皇杯準決勝
12/29(金)13:00キックオフ/静岡
G大阪 vs 札幌
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ガンバ大阪にとっては2年ぶり5度目、コンサドーレ札幌にとってはクラブ史上初となる天皇杯準決勝の舞台。昨季のJ1覇者であり、今季も最終節まで優勝争いを繰り広げたG大阪と、今季のJ2リーグを20勝12分16敗の6位と、中位で終えた札幌との対戦となれば、G大阪の勝利を予想するファンも多いことだろうが、ここまで、千葉、新潟、甲府とJ1クラブを3つ撃破して準決勝まで上り詰めた札幌の勢いは、決して侮れない。それぞれが未だ立ったことのない『元日・国立』の椅子を懸け、持ちうる全ての力を注いだ戦いが期待される。G大阪はFW播戸竜二が、札幌はMF大塚真司とMF藤田征也の2選手が出場停止。それぞれ主力を欠く中で、どういった戦いを繰り広げるのかが楽しみだ。
「準決勝までくれば、相手がJ1だとかJ2だとか、格上、格下だというランキングで相手を見るのは危険。勝ち上がってきた勢いのある相手に対してどう対応していくか。決して簡単な試合にはならないだろう」とG大阪・西野監督も警戒を強めるように、この一戦に向けたG大阪には微塵も油断が感じられない。かつてJ2クラブに敗れたり、延長まで勝負を持ち込まれた経験を踏まえても、またトーナメント戦を戦う難しさを思っても、一発勝負の戦いに何が起きるか分からないと考えるからだ。
ただ、当然ながら、札幌に対して警戒を強めて試合に入ることと、相手を臆することは違う。それは監督以下、選手たちも理解しているところ。
「札幌には残っている4チームの中で1番と言っていいほどの勢いがある。その勢いが出るまでに、いかに自分たちのサッカーを示せるかがカギ。受けて立たず、自分たちが当たっていくくらいの気持ちで戦えれば、いい試合ができるはず。やりずらさは確かにあるが、今のチームにはいい雰囲気もあるし、いい戦いを出来るだけの準備もできている。準決勝だということを考えずに、目の前の札幌を倒すことだけに集中して戦いたい」と話すDF山口や、「油断は禁物だけど、自分たちのサッカーをやれば絶対に勝てる。普段通りのG大阪のサッカーをみせたい」と言い切ったMF遠藤の言葉からも、それが感じられる。あとはいかにその思いを結果へと結びつけるか。
天皇杯ではここまで、広島戦、横浜FM戦ともに先制される展開の中、結果的には逆転して勝利を手にしているG大阪だが、トーナメント戦ということを考えても、先制されるとどうしても戦いが難しくなるのが常。だからこそ、立ち上がりから集中して試合に入ること。引き気味にくることが予測される札幌の守備を打ち破って先制することで、優位な試合運びを実現したい。
ただし、例え先制に時間がかかっても「いかに我慢し、攻め急がずにやれるかが大事」だとMF家長。その言葉にあるように、リーグ戦終盤にみせた攻め急ぐあまりに攻守のバランスを崩すようなことがあっては、札幌のカウンター攻撃にさらされかねない。MF遠藤の復帰後、明らかにリズムが良くなっている攻撃力を信じ、しっかり人とボールを動かしながら、攻守のバランスを失わないサッカーでしっかりと勝利をつかみ取りたい。
対する札幌は、G大阪の攻撃力を考えても、またここまでのJ1クラブとの対戦において『守備の徹底』が勝利に繋がっていることを考えても、粘り強い守備からカウンターのサッカーを仕掛けてくることだろう。
「ここ3試合は、チーム全員が同じ絵を描いてプレーできている。攻撃というより守備で粘り強く出来ていることが勝因だろう」と話すのは柳下監督だが、実際、ここまでの3試合は、ある意味、点を奪った時間以外の殆どが相手の猛攻にさらされている感の強い中、そこをDF加賀健一やDF曽田雄志、DF和波智広らが中心となって組織的に守り抜くことで鉄壁を築いている。
また甲府戦後、DF加賀が「相手のスピードに徐々に慣れてきた」と話したように、1試合のみならず3試合続けてJ1クラブと対戦していることが、守備力の向上に繋がっているとも言えるだろう。その守備力がJ1屈指の攻撃力を誇るG大阪相手にも臆することなく示され、それによって相手を“じらす”ことができれば、カウンターでの勝機も伺える。となれば、J1経験も豊富なFW西谷正也も存分に存在感を発揮するだろう。
当日は、遠方ながら多くの両サポーターが静岡に駆けつけると聞く。そんな彼らが両者の大きな力になり、背中を押してくれることは間違いないだろう。その声援に応えるべく『勝利』をつかみ取るために、初の決勝進出を目指す両者によって、29日、静岡スタジアムエコパは熱く揺れる。
以上
2006.12.28 Reported by 高村美砂
J’s GOALニュース
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