5月6日(日) 2007 J2リーグ戦 第14節
鳥栖 1 - 0 C大阪 (16:03/鳥栖/4,928人)
得点者:'88 廣瀬浩二(鳥栖)
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劇的な鳥栖の勝利は、終了間際のこの試合唯一の得点によるものだった。ホームの鳥栖が今季の4勝目をあげ、終始攻めの形を見せていたアウェーのC大阪は残り2分に涙を飲んだ。
最初にこの試合の好機を迎えたのは、アウェーのC大阪。C大阪は、J2リーグ史上最年少ゴールを決めた柿谷とゴールの匂いがするところには常に顔を出す古橋を2トップに据えて鳥栖ゴールに迫った。左サイドMFには攻撃的な19歳の中山が、右サイドMFにはキレのあるドリブルを持ち味とする酒本が入り、中央からのコントロールを濱田が担った。古橋は、積極的にボールに絡むが、なかなかシュートまで持っていくことはできなかった。左サイドで中山がボールに絡むと逆サイドから酒本が中に走りこんで積極的にゴールを狙った。左右のDF羽田と丹羽も積極的に前のスペースに飛び込んでは、攻撃に参加した。しかし、鳥栖のゴールは遠かった。
前半14分には、C大阪らしい決定的なチャンスがあった。左サイドから羽田がゴール前に弧を描いたセンタリングを送ると、右サイドから走り込んだ酒本がヘディングシュートを地面に叩きつけた。ヘディングシュートの模範となるシュートだったが、鳥栖GK赤星の冷静な対応にゴールネットを揺らすことはできなかった。このシュートが決まれば、今節の結果は違ったものになっていたはず。このチャンスを逃したことが、最後まで響くこととなってしまった。
先に動いたのはC大阪。後半開始から攻撃の起点となっていた中山と濱田に代えて、MFにアレーとFWに金を入れてきた。後半開始から、高さある金に合わせるパワープレーを絡めてきたのである。柿谷を左サイドに張らせることにより、高さに加え、ワイドな攻撃を仕掛ける作戦を都並監督は選んできた。しかし、この日の鳥栖のゴールは遠かった。飯尾が身体を張り、内間がボールを跳ね返し、吉田が危険の芽を摘んだ。鳥栖の選手全員が、連携を持って決定的な仕事をC大阪にさせなかったからだ。
後半開始からの15分を耐えた結果、岸野監督(鳥栖)が「勝負にでた」のが59分。岸野監督が選んだ作戦は、尹を中盤に入れてワンタッチで局面を打破することだった。68分には、運動量のある廣瀬を右サイドに配置した。83分には、足元に強いアンデルソンをFWに入れた。この3人の交代が、終了間際に決勝点を生むこととなる。
「メッチャ嬉しい」と岸野監督は、自信に似つかわしくない言葉を使い喜びを表現した。「喜び方を忘れてしまって、思わず使った」と後で照れていたが、素直な感想だったのだろう。
そのメッチャ嬉しい得点は、終了間際の88分に鳥栖が奪ったボールから生まれた。ロビングボールをFWレオナルドがアンデルソンに落とした。アンデルソンが、ワンタッチで尹にはたく間に右サイドから廣瀬がスピードを生かしてゴール前に走りこんできていた。そこを見逃さず尹はグラウンダーのセンタリングを廣瀬に送った。廣瀬は何もあわてることなく、冷静に左足でネットを揺らした。「必ず来ると信じていたから、準備もできていた」と廣瀬が試合後に笑顔で教えてくれた。
岸野監督にしてみれば、交代で送り込んだ全選手が決勝点に絡むことは至上の喜びであったに違いない。「メッチャ嬉しい」の言葉でその喜び具合を知ることができる。
得意の形で攻め続けたC大阪。耐えながらも好機を狙い勝負に出た鳥栖。お互いの持ち味である「全員攻撃・全員守備」を実践した両チーム。ボールと選手が同時に動く好ゲームの鳥栖スタジアムは、雨の中でも寒さを感じさせない熱い試合となった。
勝負は得点の多さで決まる。相手より多ければ、勝点3を得る。しかし、得点の多さだけではなく、失点が相手より少なくても同じ結果を得ることができる。この日の鳥栖は、得点も見事だったが、失点を防いだことの方が嬉しいのではないだろうか。スタジアムに訪れた全ての鳥栖ファンが、おそらくそう感じているのではないだろうか…。
以上
2007.05.06 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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