5月9日(水) 2007 ヤマザキナビスコカップ
甲府 0 - 0 新潟 (19:02/小瀬/7,641人)
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歴史が始まったばかりの日本のプロサッカーにおいて、ダービーマッチは企画先行だった。
しかし、内容が追い付き始めているダービーマッチも増えつつある。甲府と新潟の対戦は「川中島の合戦」をキーワードにしてダービー化されているが、このキーワードがなくても「絶対に負けたくない」という感情が湧き出してくる対戦に成長してきた。
武田信玄と上杉謙信の戦いを、現代の「因」に結び付けられるほどの繋がりは山梨県と新潟県にはない。しかし、サッカーが感情を刺激して、両者を結びつける。残念ながら2試合合計(J1第10節とナビスコ第5節)で17枚のイエローカードが出され、2枚がレッドに変われば、フェアプレーを求めるサポーターでもこれが「縁」になり、本当の意味での「因縁」になる。お互いが自分たちのスタイルでぶつかり合うから「縁」になるのだが、サポーターにとってみれば自分たちの応援するチームの存在とスタイルこそ「正義」。サッカーという武器で「決着をつけよう」ということに発展して、ダービーは盛り上がっていくのだ。
立ち上がりこそロングボールで新潟の前線からのプレスを避けた甲府は、すぐにポゼッションのリズムを作る。新潟はボールの奪いどころを絞りきれずに、いいようにボールをまわされるだけだった。ただ、甲府はポゼッションができても、シュートチャンスまで繋げることがなかなか出来ない。ゴール前では当然相手DFの密度とプレッシャーが高くなるが、それを打開するという楽しみは残してしまった。バレーのような強烈な「個」がいない以上、プレーの精度と連携をより高いレベルに引き上げるしかないが、この楽しみが結果という喜びに変わるにはもう少し時間が必要なのかもしれない。
フィニッシュできない甲府に対して、開始10分もすれば新潟はボールの奪いどころを絞り込んで、徐々に守備が組織的になってくる。11分には深井正樹とエジミウソンのコンビネーションで1対1の場面を作るなど、カウンターとロングボールでチャンスを作るスタイルを発揮する。このシュートは甲府のGK・鶴田達也に防がれたが、このあとは暫く新潟の時間となる。
ただ、6日の対戦に比べると新潟の攻撃は恐さがなかった。新潟の時間になった理由のひとつに、甲府が攻撃を急ぎすぎて「組織」ではなく「個」の負担で成り立つサッカーをしてしまった時間があったからで、この時間にボールを失う回数は増えたが主導権は失っていなかった。
後半も甲府は、ワンタッチパス、タメを使うツータッチパス、3人目の動きなどをオートマチックに繰り出して攻撃を組み立てる。甲府のパス回しの素晴らしさは対戦相手も認めるレベルだろう。試合後、寺川能人は「ポゼッションしたら勝てるという訳じゃない」と言った。確かに勝利にはいろいろなスタイルがあるし、甲府は新潟に勝てていない。だが、回されたほうが面白くないことだけは、そのときの仏頂顔に感じることが出来た。
新潟は選手を入れ替えることで打開を図るが、3人目に矢野貴章を投入したところで、マルシオが2枚目のイエローを貰って退場。「最後に畳み掛けたかった」(鈴木淳監督)というゲームプランは1分間も実現しなかった。結局は、シュート(12対7)、直接FK(21対13)、間接FK(6対2)、CK(9対3)とチャンスの数で新潟を圧倒しながらも甲府は、どちらが強いのか「決着」をつけることが出来なかった。ただ、公式記録を裏返せば、新潟は甲府の攻撃を激しいプレーで止めざるを得なかったということになる。
J1という舞台での甲府と新潟の対戦は今節で5回目。「決着」という意味では新潟が圧倒しているが、現代の「川中島の合戦」は5回では終わらない(武田と上杉の戦いは5回)。6回目(第23節・8月29日・甲府ホーム)以降も感情の高まりは記憶となって両者に特別なモチベーションを与えてくれるだろう。
以上
2007.05.10 Reported by 松尾潤
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■注目プレイヤー: 鶴田 達也選手(甲府)
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