5月23日（水）ヤマザキナビスコカップ 神戸 vs Ｇ大阪（19:00KICK OFF/ホムスタ）
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既にグループリーグ敗退が決定している神戸と、上位2チームを勝点2差で追う3位につけ、この一戦に予選突破のわずかな可能性を残しているG大阪の対戦。可能性ゼロの神戸にとっては、「チームエンブレムの誇りにかけても、しっかりプライドを持って戦わなければいけないし、磐田戦に勝ったリーグ戦の流れも大事にしなければいけない（松田監督）」としながらも、バックアップ層の充実なども視野にとらえて戦える試合になるだろうが、G大阪はそうはいかない。「勝つことが最低条件ですから、勝つしかない（MF遠藤）」し、予選リーグ順位表を見ても分かるように、他力ながら可能性に賭け『1位通過』を目指すのなら得点も多い方がいい。そのメンタル的なプレッシャーがどうかかってくるのかも試合の明暗を分けることになりそうだ。

神戸はリーグ戦前節、磐田に対してリーグ戦初勝利。しかもアウェイで一度は追いつかれての逆転勝利とあって、雰囲気はいい。ただG大阪戦だけを見るなら、過去2試合（ナビスコカップ3月25日、リーグ戦5月3日）の引き分けも決して内容的に良かったとは言い難い。特に5月3日に行われたリーグ戦では開始からわずか8分でG大阪のFWマグノアウベスが退場になり、数的優位に立ちながら後半は一方的に攻め込まれ同点で終えた苦い経験もある。
実際、今回もG大阪が常にゴールを意識した攻撃サッカーを展開してくることは必至であり、そうなった際にいかに守り切るか、そしてその中でゴールを奪えるか、がポイントだ。MF田中が「攻めてくる相手に対していかに組織で守り、できるだけ高い位置で奪って少ない時間、タッチ数で攻めるか、といううちのウリの部分を出せるか。また、逆にそうしたカウンター攻撃が出来なくなった時にどうするのか。そのへんの意識統一をしていければ、自ずと攻撃の形は出来ていくと思う。あとはそこでしっかりゴールを決めることが大事」だと話すように。
中でもそのMF田中が警戒を強めるのがG大阪の2トップ。FWマグノアウベスとFWバレーの存在だ。他のチームに比べて「スピードもあるし、ボールを持つ位置も怖い」2トップだからこそ、「DFとボランチの間で受けてからが速いので、1対1では負ける確率が高くなる。うちとしては常に1対2というような数的優位な形を作った中でボールを奪うことを考えなければいけない」とMF田中。もちろんそれ以前に「彼らをゴールに近づけさせないこと」が最重要課題となるだけに、前線からの激しいチェックは立ち上がりから集中して行う必要があるだろう。

対するG大阪はもちろん、点を取りに行かなければいけない。ただ「リスクを冒してでも取りに行く必要もあるけど、先に先制を許すときつくなる。そのへんは攻守のバランスをしっかり意識しながらフィニッシュの形を作り出さなければいけない」とMF遠藤は言う。実際、攻撃力を誇るG大阪であっても、完全に引かれた中で相手の守備をこじ開けるのは至難の技。これまでも先制を許したことで後はひたすら守られた、といった試合も少なくはないはずだ。しかも今ゲームはアウェイでの試合だと考えればなおさら。だからこそ、攻め急がず、攻守にバランスよく戦う中で相手を揺さぶり、ゴールをこじ開けることが必要だろう。特にMF橋本が「ゲームを作るのは近藤、大久保、ボッティだが、実際に点を取っているのはレアンドロ。うちの試合ですごくいいプレーをしているイメージはないが、点を取っている選手というのはやはり怖い」と警戒するFWレアンドロは、前節の磐田戦でも2ゴールを挙げるなど上向きの状況にある。そこにボールが入らないよう全員が守備意識を高く持った中で、相手ゴールに襲い掛かりたい。

昨年までの『大阪ダービー』は、J1リーグの名物になりつつあったが、C大阪がJ2リーグに在する今、『関西ダービー』はそれに代わる注目カードでもある。先のリーグ戦のような盛り上がりと、その盛り上がりの礎となる白熱した戦いを期待したい。


以上

2007.05.22 Reported by 高村美砂
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