5月23日（水）ヤマザキナビスコカップ 清水 vs 大宮（19:00KICK OFF/日本平）
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清水、大宮とも、他会場の結果しだいではあるが予選突破の可能性を残したヤマザキナビスコカップ予選の最終戦。とくにホームの清水にとっては、大量得点による勝利が必要なゲームだけに、リーグ戦ではありえないような捨て身のアグレッシブなゲームを見ることができそうだ。

まず、両チームの予選突破の可能性からみていくと、Bグループ2位の大宮（勝点8）は、1位の横浜FM（勝点8）と得失点差で3点分のビハインド。したがって、大宮が勝って横浜FMが引き分け以下、あるいは大宮が引き分けでも横浜FMが負ければ、1位通過が決まる。また、横浜FMが1点差で勝った場合は、清水に4点差以上で勝てば、1位になることができる。さらに、清水に勝って勝点を11にすれば、他グループの結果しだいでは2位で予選突破する可能性も残されている。
それに対して清水（勝点5）のほうは、Bグループで1位になるしか予選突破の道はない。そのためには、まず自分たちが大宮に勝ち、横浜FMが柏に敗れて（それによって勝点8で並ぶ）、さらに得失点差6点分の差をひっくり返さなければならない。たとえば、大宮に4-0で勝って、横浜FMが0-2で敗れれば、勝点・得失点差で並び、総得点で1点上回ることになるので、1位通過となる（3-0と0-3ではダメ）。それが最低限の条件となるわけだ。
（※予選リーグ●順位の決定方法： http://www.j-league.or.jp/yncup/profile.html ）

というわけで、清水としては4-0以上で勝つことがノルマとなる厳しいチャレンジ。しかし、このチームには過去にも似たような状況から大勝して予選突破を決めたという経験がある。96年のナビスコカップ予選、最終戦で千葉（当時は市原）に3点差以上で勝たなければ予選突破が微妙になるという状況から、見事に4-0で勝利して1位通過を決めたのだ。そして、その勢いをかって準決勝を勝ち上がり、決勝でもPK戦の末に東京V（当時はV川崎）を下して、チームの初タイトルを獲得した。
今のチームでその優勝を経験しているのは、長谷川監督と伊東だけだが、わずかでも可能性があるかぎり、あきらめずに戦い抜くことの大切さを若い選手たちに伝えているはずだ。当時は他会場の結果は関係なかったので、今回のほうがより難しい状況であることは間違いないが、「ぜひ奇跡を起こしたい」（青山）と選手たちもある意味この試合を楽しみにしている。
チーム状況としても、土曜日の甲府戦は「チームとして戦えていなかった」（長谷川監督）結果としてスコアレスドローに終わったが、流れとしてはけっして悪くない。長谷川監督はさっそく月曜のミーティングで厳しく選手全員を引き締め直し、5月に入って上向きになってきたチームの調子を、この試合でさらに高めていこうと準備を進めている。もちろんメンバー的にも、多少の変更があったとしても、何人かを温存するということはなさそうだ。

対する大宮も、予選突破に熱い意欲を燃やしているし、今年に入って清水に2敗しているだけに（リーグ戦3/31、ナビスコカップ5/9。どちらも1-2）、アウェーとはいえ3連敗は絶対にしたくないという意識も強いはず。ただ、キックオフ直後から大量点（4点以上）を狙っていくという戦い方よりも、むしろ何が何でも早く点が欲しい清水のスキやミスをついて、カウンターからゴールを狙うという戦い方のほうが現実的だろう。そして先制点を奪うことができれば、さらに焦って前がかりになる清水から追加点を奪いやすくなる。
その意味では、DFの主軸であるレアンドロと波戸が出場停止の中で、立ち上がりからの清水の猛攻に、守備陣がどれだけ耐えられるかというのが最大のポイントとなるだろう。もちろん、こちらもメンバーを落としてくる可能性は低い。

逆に清水の側から言えば、カウンターに対する備えをしっかりと行ないながら、最初から激しく攻めていくという絶妙なバランス感覚が必要になるゲーム。清水、大宮ともに、大事なゲームでの勝負強さが試されるという意味でも、大いに注目したい一戦だ。


以上

2007.05.22 Reported by 前島芳雄
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