5月23日（水）ヤマザキナビスコカップ 横浜FC vs Ｆ東京（19:00KICK OFF/三ツ沢）
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３月２１日にはじまったナビスコカップも、この日のゲームで予選リーグが終了。決勝トーナメントに進出できる、Ａ〜Ｄの各予選グループ１位と、各グループ２位の中の上位２チーム（以下、２位通過とする）が、決定することになる。

現在、Ｃグループ首位の座を、まったく同じ勝点・得失点差・総得点で大分と分けあっているのが横浜ＦＣ（順位表はこちら）。たとえこの１戦に勝利したとしても、大分が勝った場合、Ｃグループ２位となってしまうことも大いに考えられる。勝点が同じ場合、得失点差・総得点に続いて、当該チーム間の対戦成績（横浜ＦＣの２敗）で最終順位が決まるためだ。とはいえ、勝って勝点の合計を12とすれば、２位通過はほぼ確定することだろう。

引き分けでも勝点10で、大分が負ければ１位通過、そうでなくともＣグループ２位が確定するが、試合前の時点でＡ、Ｂ、Ｄグループに７以上の勝点を得ているチームが多数あることを考えると、２位通過の可能性はあまり大きくないとみるべきか。

Ｆ東京は、引き分けでは３位で予選敗退が決まるので、とにかく勝利をつかんで、後は運を天に任せるしかない。以下、勝ちを前提として話を進めると、
（1）大分が負ければＣグループ１位で決勝トーナメント進出が決定。
（2）大分が引き分けなら、横浜ＦＣに３点差以上（総得点の関係で４点差が必要になる可能性もある）をつけて勝てば、大分を「得失点差」または「総得点」で上回り、予選１位通過。
（3）大分が勝った場合はＣグループ２位になるので、他グループの２位チームの動向にも目を光らせる必要が生じる。ただ、勝点10での２位通過が厳しいのは、横浜ＦＣが引き分けた場合と同じ。

ということになるだろう。

さて、ここ数年、新戦力の発見として位置づけられている感の強いナビスコカップだが、新たな戦術を試す場というのも、その見どころの一つといえるだろう。ただ、新しい戦術といっても、今まで全くやったことのないことをやるというのではなく、それまでに築いたスタイルをベースに、別のオプションをつけ加えるという手法をとるのが一般的だ。

そうした視点でこの試合を見るとき、横浜ＦＣならば、東京Ｖから移籍加入したばかりのＦＷ平本に注目しないわけにはいかないだろう。19日の大宮戦ではいきなり途中出場を果たした。大きなチャンスこそなかったものの、中央で前を向いてボールを受けると１人を抜き去り、さらに追いすがるマーカー２人を引きずるようなドリブル突破を見せるなど、その実力の片鱗を披露した。

ただ生粋のストライカーである平本に、守備面で多くを期待するのは酷というものだろう。ＦＷにディフェンスが求められる部分も大きい横浜ＦＣのスタイルの中で、彼をどのように生かしていくのか、このＦ東京戦だけで判断するのは難しいが、高木監督の思惑や方向性は見られるかもしれない。

一方、なかなか結果が出ない状況が続いていたＦ東京は、リーグ戦第11節で、新たに採用したルーカス、ワンチョペ、リチェーリの外国籍選手による３アタックが爆発し千葉に快勝。続く横浜ＦＭ戦も、後半に猛攻を見せ連勝を飾った。しかし、こうした外国籍選手の個の力を全面に押し出したサッカーは、すぐに研究され通用しなくなってしまうことが多い。破壊力ある３人に、いかに日本人選手を有機的に絡め、引き出しを増やしていくか、原監督の腕の見せどころである。

以上のように、どちらのチームにしても発展途上の状態にあり、成長するためにより多くの試合経験を積みたいところ。そうした意味でも、予選リーグを突破し、決勝トーナメントを戦うことには大きな意義がある。生き残りをかけたこの１戦、水曜ナイターといえども必見だ。

以上

2007.05.22 Reported by 二本木昭
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■注目プレイヤー： 平本　一樹選手（横浜FC）
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