6月2日(土) 2007 J2リーグ戦 第19節
山形 1 - 1 草津 (13:04/NDスタ/4,733人)
得点者:'66 松浦宏治(草津)、'89 林晃平(山形)
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0−0の前半45分は、守備が際立っていたわけではない。互いに攻撃に問題を抱えたまま過ぎていった時間だった。
山形は集中したゲームの入り方ができていた。食いついてくる草津の選手をパスをつないでかわし、左サイドの財前にボールを集める。草津が序盤からロングボールを多用してくればセカンドボールに対応し、草津が今度はつなぎ始めた15分を過ぎには、高い位置から連動したプレスをかけた。しかし、20分の佐々木の右クロスに北村が詰めきれず、29分に財前のクロスにフリーで合わせた横山のシュートが枠を外れるなど、決定機を逃せば試合は苦しくなる。
攻撃の歯車の歪みは、その少し前の時間帯から露わになり始めていた。足元でキープするボールを狙われカウンターを受ける。1対1の対応で簡単に倒されボールをさらわれる。ノープレッシャーでボールを裏へ出した瞬間、受け手となるべき選手が足を止めている。やはりプレッシャーのないDFラインでのパス回しで、コントロールできずにもたつく……。「守備でゲームをつくる」は、樋口監督が今シーズン、幾度と無く口にしている戦術の核心部分だが、この試合に関しては、攻撃の不出来が守備のリズムまで狂わせることになる。
出場停止の小原に加え、前節の試合中の負傷でキャプテン宮沢とFW豊田を、今週の練習中の怪我で臼井をそれぞれ欠く苦しいメンバー構成も理由としてあるだろうし、キックオフ時に26.9度まで達していた暑さが、多少なりとも思考力を奪ったとしても不思議はない。が、それを差し引いても、自ら手足を縛るのにも似た拙攻だった。
攻撃で言えば、草津のほうがそれなりに明確な意図を提示していた。先発FWの一角に、最近6試合連続してスーパーサブ起用だった松浦を据えた狙いはもちろん、山形最終ラインの裏。序盤からロングボールを多用してチャンスをうかがった。
草津はDFラインでボールを回す時間を使い、両SBが中盤まで大胆に前進。さらに、山形のDFライン付近には、松浦以外にも氏原、両SHの高田、鳥居塚の4人が、ポジションチェンジで山形のギャップをつくりながら、その隙を縫ってロングボールが飛ぶ仕組みになっていた。しかし如何せん、ボールの飛距離が長ければ、山形にも準備と対応の時間が十分に与えられる。さらに、その精度にも問題があった。タイミングの合わない縦パスの連続は、まるで相手キーパーにパスを出しているのかのように見えた。最大のチャンスは前半38分、チカのロングフィードを松浦がやわらかいトラップで足元に落としたシーン。しかし、ペナルティーエリア内で振り抜いた左足のシュートは、わずかに枠の右側を通過していった。
後半も出だしは山形が主導権を握って進んだが、前半よりも勇敢さを加味したポゼッションで、草津が次第にリズムをつくる。縦パスの発射台を少しずつ前に。その分だけ、裏で合わせるタイミングのズレも徐々に小さくなっていき、照準がピタリと合うのも時間の問題かと思われた後半21分のこと。味方からのパスを背走し追いついたレオナルドが、外のコースを消しに来た松浦を見てヒールで中に切り返す。しかし、松浦がしたたかに狙っていたのはその切り返しのほうだった。ボールを前にはじき出し、キーパーが飛び出したのを確認。落ち着き払った先制のループシュートは、静かにゴールマウスに吸い込まれた。
ホームで無様な負けは許されない。1点を追う山形も猛烈に反撃する。
後半31分には、秋葉勝が左でキープしたあとのマイナスクロスを木藤がフリーでミドルシュートに変えたが、グラウンダーをGK本田がしっかりキャッチ。33分、山形はCB渡辺とボランチ木藤のポジションを変えると、“本職”に戻った渡辺のチェイシング効果で中盤を制圧し、攻撃の勢いを取り戻す。36分、横山のスルーパスの場面では、途中出場の林が空けたスペースに石川が走り込みクロスにつなげるなど、攻撃でも徐々に押し込むケースが目立ち始めた。40分にはついにレオナルドが前線に上がりさらにその圧力を強めると、ロスタイムの針が3分を回る直前、石川の左クロスに林が足から飛び込み、貴重な同点ゴールを挙げた。
草津は暫定9位と変わらず。ただ、J2で初めて体験する連勝のよろこびを後半ロスタイムに奪われるショッキングな幕切れとなった。2試合前の京都戦でも後半ロスタイムに被弾し、敗戦を喫したばかり。不運を嘆くことはできる。しかし、「自分がラインに入ればよかった」(氏原)、「1点取ってからもっと簡単に時間を使えたはずなのに、自分たちがフリーなのにミスしてタッチラインを割っちゃったり」(秋葉忠宏)など、失点につながった要因は存在する。それをひとつずつ潰していくことでしか、チームの成長と、まだ見ぬ連勝を手にする方法はない。
同じ勝ち点で並んでいた京都が敗れたため、山形は暫定3位を保っている。しかし、順位のことや、スタジアムの名称が正式に「NDスタ」になった4月以来、ホームで負けなしを持続していることを喜ぶ以前に、今後の急降下を危惧しなければならないほどの内容だった。前節の敗戦から学んだものは何だったのか。それを活かせなければどうなってしまうのか。この試合は、その見本だ。「最後追いついたこの勝ち点1、これは非常に価値のあるものになるということを、今後の戦いで証明していきたい」(樋口監督)。それはきっと茨の道だが、勇気をもって進んでいくほかない道でもある。
以上
2007.06.02 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第19節 山形 vs 草津 レポート】後半ロスタイムの同点弾。山形は連敗を阻止し、草津はまたも連勝を逃す!(07.06.02)
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