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【J2:第19節 仙台 vs 湘南 レポート】J2レベルを超える可能性を双方に見せた序盤の戦い。その中で2ゴールを奪った仙台が逆転勝ち。(07.06.02)

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6月2日(土) 2007 J2リーグ戦 第19節
仙台 2 - 1 湘南 (16:04/ユアスタ/12,734人)
得点者:'1 原竜太(湘南)、'14 中島裕希(仙台)、'29 関口訓充(仙台)

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 試合序盤から仙台、湘南の両チームによって目の前に広がったのは、速く、美しく、洗練された、J2の枠を超越した戦い。敗れはしたものの「前半はJ1レベルの戦いを演じた」と、湘南・菅野監督は自分たちのチームに胸を張る。
 仙台の2点目が決まった以降は、両チームそれぞれ課題が浮き出ることになったが、それまでの戦いは本当に、見るものを唸らせる高いレベルのものだった。

 ゲームの入り方は予想外のものだった。開始1分、湘南・金のゴールキックが思いのほか伸び、バウンドして仙台の最終ラインの後ろへ。「相手の2トップに対して、こっちはCB2枚だけで対応してしまった。あれはこちらのミス」と千葉が振り返るが、高い位置のDFラインに対し湘南は原が一発で裏を取る。追ってきた千葉を吹き飛ばし、飛び出しが遅れたシュナイダーをあざ笑うかのような原のループシュートが、いきなりネットを揺らす。まだ試合開始早々、チームだけでなくサポーターもまた「様子見」のような状態だったユアスタは、一瞬何が起こったのかよくわからないという雰囲気に包まれた。

 しかし今思えばこのゴールが、序盤早々からの好ゲームを呼び込む目覚ましとなった。1点のビハインドを早めに返したい仙台は、直後から人数をかけた積極的な攻撃を仕掛ける。そんな仙台に対し、リードの時間が早すぎたこともあるが、湘南はDFラインを下げて自陣深くに引くのではなく、しっかりと高いラインを維持し、前線からの激しいプレッシングで迎え撃った。一方で仙台も、1分の失点で裏を取られた不安を払拭し、千葉が中心となって高いDFラインを再構築。よってゲームは、見る者にとって、戦前に予想していた最高の展開―両チームがコンパクトな範囲の中で、前から積極的に仕掛けていく―となっていく。好守の切り換えの速い、極めてスリリングなゲームに、観客は序盤から大いに酔った。

 そんな中で、素晴らしいゴールが生まれる。14分、田ノ上とスイッチする形で左サイドでボールを受けた中島が、弧を描くようなドリブルでペナルティーエリア左角の位置で前を向くと、迷わず右足を振りぬく。するとボールは強烈な弾道で、対角であるゴール右上隅に突き刺さった。J1レベルの高度なサッカーの中、J1でもなかなかお目にかかれないクラスのファインゴールで仙台が同点に。
 さらに続いて、勝ち越しのゴールを決めたのも仙台。中島のゴールが個の能力が組織の守りを無にしたスーパーゴールならば、決勝点となった2点目は、仙台のチームとしての明確な方針が、湘南守備陣を切り裂いたゴールだった。自陣浅い位置でボールを受けたロペス、プレスがかかっていない状況にも関わらず湘南のDFラインが高いこと、そしてこの日トップに入っていた関口が、湘南のCBの間に生まれたギャップに、試合前に託された役割どおり飛び込んでいること、その両方が見えていた。長い距離のスルーパスが裏に抜け出した関口を捉える。田村を引きずりながら入ってきた関口が、飛び出しが若干遅れた金の鼻先でわずかにボールに触れると、角度が変わったボールはスローモーションのように、ゆっくりと無人のネットに吸い込まれていった。仙台にとっては、この1週間トレーニングで狙い続けていた通りのゴールである。

 完璧に裏を取られた湘南。この体験に「裏の怖さ」(菅野監督)を植えつけられたDFラインは、前半終了まで序盤のような指針を失ってしまう。それに対し仙台は、好調の中島が開き始めたサイドを容赦なく突き続け、さらに湘南の混乱を誘うなど、ハーフタイムまでワンサイドに近い流れを得ることに。それにしても「恐怖」を植えつけたのが、萬代の代表招集による欠場を受けてスタメン入りし、この機会を逃すまいと、持ち味のドリブルではなく、ひたすら「走り続ける」ことでの貢献を選んだ関口だったのいうのは、なんとも味わい深い事実だ。

 一方後半は、仙台の戦いぶりに若干の課題が見えた。リードしているとはいえ、早めの守勢に入ってしまうのは、握っているペースをみすみす相手に渡してしまいかねない危険性もある。しかし1点のリードを得て入った後半、仙台の戦いぶりは、どちらがリードを持っているのかわからないほどのリスクを持ったものだった。菅井、田ノ上の両SBは執拗に高い位置を取り、確かに攻撃面での貢献も見せていたが、それ以上に空いたスペースを湘南のカウンターに使われるという場面を何度も招いた。ビハインドを追っているチームの方がカウンターを機能させるという光景は、あまり健全な状態ではないと思われる。
 とはいえそこは、千葉と渡辺のCB、そしてシュナイダーの好守が跳ね返して事なきを得る。3分のロスタイムを含んだ試合終了までの5分ほど、前日が誕生日であったロペスの粘り強いボールキープなどで、憎たらしいほど安全に時間を使った仙台が、奇しくも開幕戦と同じスコアで湘南に勝利した。

 2失点後の湘南、後半の仙台と、安定したパフォーマンスを目指す上でそれぞれに課題があったのも事実。しかしそれを差し引いても、序盤からの両チームのパフォーマンスには、J2を長年見続けている者として、大きな「夢」を見出してしまう。勝敗や内容よりも、今日はそのことにおいて、双方を讃えたい。

以上
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