6月10日(日) 2007 J2リーグ戦 第20節
湘南 2 - 0 水戸 (13:03/平塚/3,417人)
得点者:'44 アジエル(湘南)、'78 アジエル(湘南)
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アクションサッカーへの転換を図る前田秀樹監督は、チームの現状を戦国時代に例えた。
「相手が40人の鉄砲隊だとしたら、うちは20人が鉄砲、20人が竹槍のチーム。昨季までは自分たちの城を竹槍でも守れるように壁を高くして防御を重視した。でもサッカーは城の奪い合い。敵の城を奪うためには、竹槍で白兵戦に持ち込まねばならない。くわえて、うちはいま手裏剣を作っている。つまり全員が豊富に動くサッカー。その意味では前節も、また前回の湘南戦でも出来ていた。ただ白兵戦ではいまのところ精度が足りず刺し違えているが……」
こうした指揮官の感触に沿うかのような前半だった。水戸は開始10分までのあいだに2度、両サイドの高い位置までボールを運んだが、クロスはいずれも湘南GK金永基の両手にすっぽりと収まっている。10分には敵陣内のスローインから岩舘侑哉がヘッドでゴール前へ流し、塩沢勝吾が詰めるも合わず、その数分後に撃った岩舘のシュートもクリーンヒットしない。30分近くには塩沢が左サイドで奪いフィニッシュまで持ち込むがあと一歩で阻まれ、さらにこぼれ球に詰めた岩館のヘッドも金が決死のパンチングでかろうじてコーナーキックに逃れている。
細部の精度を欠いたのは、なにもアウェイチームばかりではない。「思うようにシュートやクロスで終わることができなかった」と坂本紘司が振り返ったように、湘南も水戸と同様、組み立ての際に自らボールを失っていた。雨が上がったばかりのピッチはスタンドの体感温度以上に蒸し暑く、今日の気候条件もまた大なり小なり両者のパフォーマンスに水を差したことだろう。
だが反面、前半に見受けられたミスは、意味のある失敗だったことも付記しておかねばなるまい。「ポゼッションを目指し、チャレンジしたうえで起きたミスなのでOKだと思う。ゆっくりとだが攻撃の組み立てはよくなっている」つねに厳しい目を自分たちに向け続ける加藤望はそう説いた。そしてこれは湘南のみならず、おなじく水戸にも当てはまることといえるだろう。失敗を恐れて挑戦は成しえない。すなわち高みを目指す両者にとって、不可欠なプロセスといえるわけだ。
一進一退の均衡が崩れたのは前半終了間際だった。44分、水戸にとって残念な笛が響き、初田真也がこの日2枚目のイエローでピッチを後にする。水戸ゴール前で得たチャンスに、加藤の鋭いフリーキックは阻まれたものの、ふたたび加藤のコーナーキックを復帰したばかりのジャーンが頭で合わせ、こぼれ球をアジエルが押し込んだのだった。
ひとり少ない水戸は、前回の湘南戦で見舞われたケガから復帰した平松大志を後半から投入、岩館を1トップに据えカウンターを狙う。60分近くには小椋祥平と村松潤、鈴木良和らが1タッチで小気味よいパスワークを見せるが、ここでも最後のクロスが合わない。62分に鈴木孝明を入れてからは最終ラインを3枚に減らし、3-4-2の形で反撃を目論んだ。
一方の湘南も敵に生まれたスペースを逃さなかった。前半同様、アジエルを中心に組み立てつつ、とくに水戸が最終ラインを1枚削ってからはサイドバックを含めた両サイドからの展開を活発にした。こちらも70分過ぎには加藤と坂本、田村雄三、途中出場の永里源気らが1タッチで繋ぎ、加藤のシュートまで持ち込んでいる。そして相手のセットプレーを凌いで迎えた78分、金のゴールキックから追加点は導かれた。途中出場の梅田直哉がヘッドで流すと、受けた石原直樹が粘り、そのボールをスピードに乗ってかっさらったアジエルが鮮やかなミドルを見舞ったのである。10人で善戦していたとはいえ、水戸にとってはとどめとなる一撃だった。
今節の結果を受け、湘南は勝点30を稼ぎ4位に浮上した。菅野監督は選手を讃える一方、「内容や質に課題は出てきている」と勝利にも引き締めることを忘れない。ただ指揮官の指摘する課題は、進歩の階段を上り、視界がこれまでよりも高くなったゆえに見えてきた景色と捉えてよかろう。5連敗を喫した水戸もまた、前田監督の言葉どおり、いまは「『水戸オリジナル』という財産をつくっている苦労しなければならないとき」である。群雄割拠の熾烈なリーグにおいて、勝ち残るために必要な糧を両チームともに蓄えつつあることは間違いない。
以上
2007.06.10 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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