6月27日(水) 2007 J2リーグ戦 第24節
愛媛 0 - 0 福岡 (19:04/愛媛陸/2,107人)
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愛媛がもぎとった勝点1、福岡が無駄にした勝点2というべきか。両者にとって意味の違うスコアレスドローに終わった90分となったが、「60分までは両チームにゴールのチャンスがたくさんあった」とリトバルスキー監督が試合後に語ったように、どちらのチームにも勝点3を奪うチャンスはあった。
まず、この試合で主導権を握ったのは福岡。開始3分、ボランチ久藤が右サイドのMF田中へとサイドチェンジに成功すると、田中のクロスにはMF久永が飛び込みヘディングシュート。これはバーの上を越えてしまったが、福岡は田中、久永の両サイドを起点に試合を優位に運ぶ。
これに対して、DFラインからロングボールを入れて福岡を押し込もうとした愛媛。「くさびが入ると食いついてきたので、落とした後や裏を突くことでチャンスが作れた」とFW田中が振り返ったように、時間の経過とともに愛媛にもチャンスが訪れる。39分にはDF森脇のサイドチェンジを皮切りに田中、宮原が繋いで最後はFW内村がシュート。これがGK神山のファインセーブに阻まれると、その直後は逆に福岡がカウンターからMFアレックス、FW釘崎と繋いでフィニッシュ。釘崎のシュートはゴールの右へとそれてしまったが、前半は両チームともシュート6本を放ち、互いにゴールの臭いを感じさせた。
しかし終わってみれば、後半に入ってもチャンスをモノにできなかった愛媛と福岡。リトバルスキー監督が「ウチの得点力はまだまだ物足りない」と嘆いたが、福岡は57分に山形辰がミドルを、67分には久藤のクロスに反応した田中がシュート放ったものの、ともにGK川北のファインセーブに阻まれた。さらにFWに林を投入してからは「ロングボールを使われて、セカンドボールを拾われた」と愛媛のDF金守が反省したように福岡がさらにチャンスを広げていった。それでも福岡にとっては遠かった今日のゴール。75分にはGKとDFラインの間に入った林がヘディングシュートを放ち、さらにロスタイムにはMF山形恭のパスから再び林が決定的なチャンスを迎えたが、結局愛媛のゴールネットを揺らすことはできなかった。
一方の愛媛も望月監督が「攻撃が雑だったことが残念」と試合後の会見で繰り返したように、MF江後、赤井の両サイドを使いながらもクロスの精度を欠き、フィニッシュで終わることができなかった。結局後半はシュート3本に終わり、63分にFKから宮原、星野と繋いでFW田中が放ったシュート以外に見せ場を作ることはできなかった。
ただ、連戦の疲労からかどちらのチームにも行き詰った状況を打開する選手が現れなかったことを考慮すれば、スコアレスドローはある意味で妥当な結果。FWリンコンを欠いた福岡はその穴を埋めることをできず、3失点が続いていた愛媛は時に自陣深くにラインを下げてリスクを負うことを避けた結果がスコアレスドローを導いたといえる。
それでも愛媛にとっては試合後に選手が「ゼロに抑えたこと」や「粘り強く勝点1を取れたこと」を評価したように、前向きにとらえられるスコアレスドローといってもよさそうだ。リーグ最少得点の攻撃陣にも宮原が加わったことで新しいリズムが生まれ始めた。そして何より「大人しい」と言われ続けたこのチームに「主張できる選手」が加わったことでもたらされた刺激により、チームに新しい風が吹き込んできた。
梅雨空の続く天候と同じく、今の愛媛のじめじめとした空気を吹き飛ばすことができるか。時の経過とともに、下位に沈むチームの頭上にかかる灰色の雲を吹き飛ばしてくれることを期待したい。
以上
2007.06.28 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
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