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【J2:第25節 仙台 vs C大阪 レポート】押し込むものの決定打を打てなかった仙台を救った関口の積極性。それがもたらしたPKに、仙台は救われ、C大阪は泣いた。(07.07.01)

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7月1日(日) 2007 J2リーグ戦 第25節
仙台 1 - 0 C大阪 (13:04/ユアスタ/15,450人)
得点者:'85 ロペス(仙台)

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 ボールポゼッションの割合で言えば試合全体を通じて、仙台がC大阪を上回っていた。
 にも関わらず、C大阪の方が1本多い14−15というシュート数が示す通り、仙台の側が落ち着いて試合を見てられる内容だったかといえば決してそうではない。むしろ金のポストプレーと古橋の高いテクニックを武器に、シンプルにシュートチャンスを作り出してくるC大阪に脅かされる場面も何本もあった。

 前半の45分間などは、まさにこの流れを象徴するような展開だった。立ち上がりからボールを支配する上に、守備の出足も良く高い位置からボールを何度も奪えていたし、奪ってからすぐに相手の両サイドを狙う意図も強く感じられた。そしてサイドを封じられても、ひたすらゴール前でパスをつなぎ、C大阪を押し込み続ける。この部分までなら、仙台に開幕当初の魅惑のサッカーが戻ってきたように思えた。

 しかし「この部分までなら」である。相手を押し込むまではいいのだが、そこからのアイデアと精度、そして積極性にこの日の仙台は欠けていた。前節終了後にも望月監督が課題に挙げていた、2トップの動き出しに差をつけるという部分は今節もあまり見られず。それだけが理由ではないにしろ、ロペスを中心に後方の選手から放たれるスルーパスが2トップを捉えたのは、中島がペナルティーエリア内で倒れたもののファールはもらえなかった14分の場面のみ。

 とあらばサイドを崩してチャンスを作りたい仙台だったが、この日総じて守備の軽さが目立ったゼ カルロスを突破した中島からのセンタリングを、こちらもペナルティーエリアに走りこみながら受けGKとの1対1まで迫った梁のシュートはバーの上、スルーパスを受けて左サイドから飛び込んできた田ノ上のシュートもGKに阻まれるなど1点が遠い。

 そうこうしているうちに、古橋が左サイドの裏を取り始めた30分過ぎあたりから、押し込まれるなりに落ち着きが出てきたC大阪。シンプルな形でチャンスを作り始めて、そこから得た立て続けのCKで仙台を脅かし続けると、40分には特大の決定機が巡ってくる。仙台の守備陣が足を止めた瞬間、ゴール右へ飛び出した古橋へ完璧なスルーパスが通り、GKとの1対1を迎えたのだ。ところがこの場面では、小針の神がかり的なファインセーブに遭い、勢いを失ったボールはゴールのわずか右へ逸れていく。この一本が決まっていれば、ゲームの行方はその後の結末と大きく異なる方向へ進んでいたに違いない。
(ただ文章の流れに関係なく、先にC大阪のこの試合の総括を記すと、いくらシンプルにチャンスが作れるといっても、特にゼ カルロスのサイドに言えるが、SBの裏のスペース、そしてDFラインに吸収されがちな両ボランチの前など、危険なゾーンをケアする約束事がもう少し無いと、チーム全体が後ろに不安を抱えたままのサッカーになってしまう気がする)

 後半に入っても流れが大きく変わることはなかった。むしろ菅井、田ノ上の両翼(SBの選手にこの表現を使うのは不思議な気がするが)が前半よりもゴールに迫ってきたことを考えれば、攻撃へのマインドはさらに強くなっていた。ところがC大阪の守備を瓦解させるためには、前半と同じものがあと一歩足りない仙台。何本も放り込んだセンタリングも、ロペスが狙うミドルも、ネットを揺らすことにはつながらない。引き分けでも悔やまれる内容を演じながら、残り20分を過ぎた辺りからはC大阪も勝負を決める1点を積極的に取りにきているため、実際には敗戦の危機すら迫っていたといえる。

 しかし、そんな仙台を救ったのは、たった1プレーでの「仕掛ける勇気」だった。

 62分からの登場という、途中交代としては比較的長い時間を与えられた関口。「とにかく仕掛けてこい」というベンチの指示そのままに1対1などを積極的に挑み、チームとしてシュートまで持ち込むイメージをなかなか持てないでいた中、ゴールへの最短距離を頭に描きながらのプレーを続けていた男に完璧な舞台設定が与えられたのが、終了間際の85分である。

 この時間もC大阪をゴール前に押し込んでいた仙台。正面で持ったロペスが、ペナルティーエリアの右45度角付近にいた関口へ振る。エリアに入っていた関口の前には、前半から守備に脆さのあったゼ カルロス。状況が1対1であることを判断した関口は、迷うことなく仕掛けた。キックフェイントを入れた後に、中へ切れ込んでシュート…描いたイメージそのままに視界が開けた関口を、ゼ カルロスが倒してしまう。

 途端に、仙台のPKを告げる笛の音。抱いたイメージどおりの結末ではなかったが、関口が、この日仙台のどの選手よりも持っていたと言ってよい積極性で、行き詰まりかけていた仙台の攻撃を救った瞬間である。このPKをロペスがしっかり決めて、試合は1−0で仙台の勝利。ポゼッションという「組織」の部分で優位に立っていた仙台に勝点3をもたらしたのは、結局のところ、ロペスが試合後に「足りなかった最後の部分」と評した積極性。関口という「個」が持っていた積極性だった。

以上
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