8月11日（土）J1 第19節 清水 vs 大宮（19:00KICK OFF/日本平）
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※オートプレーの為、実際のメンバーと異なる場合があります。また一部選手はエディットして作成・追加しています。ご了承ください。
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　昨年夏の快進撃を何としても再現したい6位の清水。再開初戦をホームで迎えられることをチャンスと受け止め、「セントウ集団」に向けて最高のリスタートを切るべく、入念な準備を進めてきた。対する16位の大宮は、今週の火曜日（7日）になって突然の監督交代が発表され、ロバート監督から佐久間監督に代わってわずか4日目でこのゲームを迎えることになる。すでに今年4回目となる清水と大宮のオレンジダービーは、ここまで清水が3連勝しているが、今回は何が起こるかわからないという要素も多分に含まれている。

　この中断期間で、清水が充実したトレーニングができた要因のひとつに、「ピースカップ」に出場した韓国遠征がある。ここでリヨン（フランスリーグ王者）、リバープレート（アルゼンチンの名門）、レディング（イングランド）と、3試合続けて海外の強豪との真剣勝負（賞金額が大きな大会のため海外チームも本気度が高かった）を経験。それにより、「しっかりと現状認識ができた」（長谷川監督）ことが、その後のトレーニングを大いに充実させた。個のレベルで上回る相手に対して、何が通用して何が足りなかったのか、選手たちが肌で実感することができ、練習の質や意識や大いに高められたからだ。
　また、フィジカル系のトレーニングもハードに行ない、夏場の戦いに耐え抜く体力を養ってきた。リーグ前半戦で出た大きな課題のひとつに、試合の前半に比べて後半の落ち方が大きいという点があったが、そこはスタミナを向上させると同時に、試合の運び方―すなわちゲームマネージメントという部分にも意識を高めて改善していこうとしている。

　そんな中で大きなケガ人も出ず、今がピークではないが、コンディション的にも整えられた状態でこの試合に臨む。対戦相手の大宮は、これまでの取り組みの成果を計るにはピッタリの相手でもある。とくに、きっちりとブロックを形成して守ってくる大宮の堅守を突き破るには、「プレッシャーがかかった中や、トップスピードで長い距離を走った後でのフィニッシュの精度が課題」（長谷川監督）として力を入れてきた部分が多いに試されるはずだ。
　そして、前半のうちに先制点を奪い、後半にも相手に主導権を渡すことなく追加点を奪い、失点も0で抑えて勝つというのが、清水にとっての理想的なシナリオ。ホームでは3カ月勝利がない（リーグ戦）だけに、しっかりと結果を出してサポーターの応援に応えたいゲームでもある。

　対する大宮は、守備に関しては18節までの失点が19点（清水よりも1点少ない）と、大宮らしさを見せることができているが、得点がわずか10点（リーグ最少）という部分が大きな課題。そのため、結果の出ないエニウトンとサーレスに見切りをつけ、スピードとテクニックを備えたFWデニス・マルケス（ブラジル）を獲得し、チーム全体としても得点力の強化を図ってきた。だが、その過程での練習試合で成果が表われず、再開直前でのロバート監督の解任に至った。

　チーム状況としては決して順調とは言えないが、こうした監督交代が強烈なカンフル剤となってチームの雰囲気が変わるというのはよくあること。J1残留という意味でも、同じ相手に4連敗はできないという意味でも、危機感は非常に強い。そんな中で選手たちがどれだけ奮起し、いつも以上の力を発揮できるかどうかが、大宮としては最大の見どころとなるだろう。
　また、先制点を奪えれば1-0で勝つ力を持ったチームなので、カウンターやセットプレーも大きな勝負所となる。その中で、新加入のデニス・マルケスが結果を出せるかどうか。逆に、清水がそのあたりをきっちり抑えられるかどうかが、勝負を大きく左右することになりそうだ。

　ここまでの準備という面から言えば清水に分があるが、「何とかしなければいけない」という危機感では、大宮も負けてはいない。お互いの勝利にかける必死さという部分で、非常に気持ちの入ったスリリングな戦いが期待できる一戦でもある。

以上

2007.08.10 Reported by 前島芳雄