10月20日(土) 2007 J2リーグ戦 第46節
福岡 0 - 1 札幌 (14:04/博多球/14,666人)
得点者:22' 岡本賢明(札幌)
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「力の差ですね」。ミックスゾーンで久永辰徳は話した。スコアこそ1点差。後半は10人の相手を一方的に攻め続けた。シュートがゴールを掠めるシーンも作り出した。しかし、それらが効果的な攻撃になっていたかといえば決してそうではなかった。引いた相手を崩せない。ボールを奪っても動き出しがない。足元ばかりへつなぐパスは攻撃を停滞させ、最後は長野聡を前線に投入しながら、パワープレーなのか、つないで崩すのかさえ徹底できなかった。福岡は、昇格に向けて勝たなければいけない大一番と位置づけた試合で、力を発揮することなく敗れた。
この試合の最大のポイントは前半の立ち上がりにあった。攻撃的なサッカーを志向する福岡は、相手に守りを固められる前にゴールを奪って、相手を引っ張り出すのが狙い。そして札幌は、1点を奪って堅守をベースに試合を進めるのが狙いだったはず。ともに、先制点がもたらす影響は、いつも以上に大きかった。その中で、効果的なカウンターと、そこからの二次攻撃を仕掛けてゴールを狙っていたのは札幌。福岡はボール支配率で上回るものの、負けるのを恐れてかチャレンジする姿勢に乏しかった。
それを示すのが手元の取材ノートに記されたシュート数。札幌が先制点を奪うまでに5本のシュートを打ったのに対し、福岡のそれは0本。試合が札幌の狙い通りに進んでいることは明らかだった。そして22分、福岡のパスミスを奪ってボールを展開した札幌は、左サイドの砂川誠がゴール前へクロスボールを入れる。「岡本の裏に(中山)元気がいたと思うんですけど、そこに相手が引っ張られて、そのスペースに岡本がよく走ってくれた」(砂川)。岡本の頭にピンポイントで合ったボールは、次の瞬間、福岡のゴールネットを大きく揺らした。
札幌にとっての最大のピンチは35分。石井謙伍が2枚目のイエローカードを受けて長い時間帯を10人で戦わざるを得なくなったからだ。しかし、福岡は、それに乗じることが出来なかった。ほぼ一方的に支配する展開も縦へ仕掛けることがない。そんな中、城後寿がダイアゴナルに前線に走りこんでボールを呼ぶが誰も送らず。ボールに触れないアレックスは中盤の底まで下がってボールを触り、本来の良さが消えてしまった。時間が経過すればするほど札幌の堅守が際立っていく。
福岡にも流れが来た時間帯があった。後半の頭からピッチに登場した久藤清一が、意識的にスペースにボールを配ることで、チームにスピードと動きが戻ってきた時間帯だ。47分、久藤からのラストパスを受けた城後のシュートがゴールを襲い、49分にはリンコンのシュートがGKの正面を突く。さらに56分には布部陽功からのパスを胸トラップした城後が左足を振りぬいた。高まる福岡のゴールへの期待にスタンドの歓声が高まる。
しかし、それも60分を過ぎたあたりまで。福岡から運動量とスピードが消え、再び足元につなぐパスばかり。左サイドを積極的に仕掛けていた久永にもボールが出なくなり、ボールは中央へと偏り、そして展開が狭くなっていく。「崩された感はないですね。前の選手はボールを追わなければいけないのでしんどかったと思いますけれど、バランスを崩すことなくやれました」(曽田雄志)。自分たちの戦い方を取り戻した札幌が1点を守りきることは難しいことではなかった。
札幌はこれで2連勝。草津戦で見せた自分たちのサッカーが本物かどうかが問われた一戦で、きちんと答えを出した。激しいサバイバルレースが続く中では、まだ昇格争いの行方を論じることは出来ないが、求めるサッカーを表現できたことは、残された5試合を戦う上で大きな自信になるはず。昇格に向けて大きな一歩を踏み出したことは間違いないだろう。
そして福岡はサバイバルレースから大きく後退することになった。数字の上での可能性は残されているが、その実現の可能性は極めて低くなったと言わざるを得ない。それでも、選手たちに向かってサポーターは「まだあるぞ」と声をかけた。自分たちも選手と一緒に戦っている。それは最後まで変わらないことの意思表示だった。それを受けて、選手たちはどのような試合を見せるのだろうか。
福岡はもはや、負けを恐れることも、勝たなければいけないプレッシャーとも無縁だ。すべてが他人の手に委ねられたいま、高らかにJ1昇格を口にすることも許されない。いまやらなければならないことは、勝ちたい気持ち、昇格に対する思い、そして、サッカーに対する熱い思いを、誰にでも分かる形で表現すること。スタジアムの声援に支えられるのではなく、スタジアムを興奮の渦に引き込むプレーをすることでしかない。それが福岡に残された使命。残る試合は6。博多の森のサポーターは、そんなチームとともに最後まで戦うことを望んでいる。
以上
2007.10.20 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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